- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004303282
感想・レビュー・書評
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1 故人、辰濃氏の文章読本です。著者は朝日新聞の天声人語を長期間、執筆してきました。本書では、わかりやすい文章を書く為のポイントを、著名な文人の名文を引用して、解説しています。
2 全体を通して、福沢諭吉が多くでてきます。諭吉の文章のわかりやすさの秘密は、身の丈にあった言葉を使う・・・等です。
3 他にも、向田邦子さんの、「ベストセラーばかり追いかけずに、なるべく人の読まない本、自分の世界とは無縁の本、むずかしくてサッパリわからない本を読むのも、頭脳の細胞活化のためにいい」は至言です。私も、読書について、視野を広げるためにも、食わず嫌いにならず、広く読みたい思っています。
4 後半で、良い文章を書くための “気をつけたい六つのこと(文の長さ、漢字の割合、体言止め、・・・)” が整理されています。人によっては、受け止めに差があると思います。しかし、この6点は分かりやすい文章を書く際の非常に重要なチェックポイントです。
5 最後に、私の感想をまとめます。参考になったのは、①わかりやすく書くには、読む人の立場に立つ ②平明な文章は、より長い文よりもより短い文を心がけた方がいい ③流れのいい文章にするには、原稿を再三黙読し、ときには小声で読む、の3点です。
6 これまで、仕事や趣味でたくさん文章を書きました。しかし、良い文章が書けたという、経験はあまりありません。本書の提言を再認識すると共に、“われ以外みなわが師(吉川英治)”の心構えで、勉強し続けなければ、と思う日々です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文は心である。
響きました。
この境地に達するまでにどれほどの推敲を重ねてこられたのか。
全く無駄がなく、余計な贅肉が削ぎ落とされてよりスマートに伝わる。
言いたいこと、伝えたいことは大体は一文で事足りる。
その一文に何を修飾させていくのか。
色んな本の抜粋を例に挙げながら進んでいったので、新たな本との出会いもあり楽しかった。
読むの時間かかったけど。 -
やはり、毎日たくさんの人に読まれる文章を書くことを仕事としていた人が書く本というのは、これほど読みやすいものなのかという印象。20年前の本であるがまったく色褪せない。
「文章を人さまに見せることは、己自身の心の営みをさらけだすことでもあります。恥ずかしながら、という気持ちからぬけきれません。」という表現にも人となりがよく表れていると感じられた。
近頃、テレビを全く見なくなったが、出演者の言葉遣いが極めてひどいと感じることが多くなったからでもある。「よくそれで平気で人前で話すことができるな、恥ずかしくないのか」と感じることが多くなったときにこの本に出会うことができたのは幸運でした。 -
文章の書き方というテーマで、生き方について教わっているようだった。もっと世界を観察し、自分の感情を磨いていきたい。文章を書きたくなった。
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新聞記者の作者が文章のみがき方を37個に整理して解説
毎日書く
削る
繰り返し読む
わかりやすく書く など -
良い文章を書くために、どのようなことを気をつければいいのか。この本を参考にしてこの本の感想を書こうと思ったけど、なかなか難しい。本の知識が思い浮かぶだけで、それに関連付けられる経験や知識が少なすぎる
とりあえず毎日日記を付けて、文章を書く練習をしていきたい。 -
元「天声人語」の筆者が、達意の文章を書くために必要なことを、日々の生き方にまで掘り下げて記している作品。福沢諭吉から芸能作家まで、幅広いジャンルの作家・作品が例文として紹介されてくる。題名から受け取れるイメージとは異なり、ノウハウチックな書籍ではない。結局大事なのは、色んなことを経験しその中で心から溢れ出るような強い思いを文章にすること、としている。これだけ聞くと抽象的だなと思うが、散りばめられている例文が、それを説得力のあるものとして強力に補強している。素敵な文章や作家にも数多く出会えたので満足。
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文章を書くことと生活をするということは、密接に繋がっているのだと感じた。
即ち、良い文章を書くためには、良い生活をすること。これを読んだことを機に、小説にせよ何にせよ、文章の見方が少し変わると良いな。
自分が生まれる前に出版された古い本だったけど、読んでよかった。 -
よい文章を書くための方法について記したエッセイ集。
「文は心」であるといい、心の鍛え方・感受性のみがき方などが中心。
伝えたいことがある。相手の立場にたち、どうしたらわかってもらえるのか、と工夫していくところに分かりやすい文章の秘訣があるようだ。
なんども福沢諭吉が題材として出てくる。「福翁自伝」を読んで見たくなった。