蓮如 (岩波新書 新赤版 343)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004303435

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  • 「蓮如」五木寛之著、岩波新書、1994.07.20
    195p ¥620 C0223 (2022.07.10読了)(2022.07.08拝借)(1994.09.22/7刷)

    【目次】
    第一章 蓮如という人
    第二章 若き日の蓮如
    第三章 時代の闇をみつめて
    第四章 自由へのたたかい
    第五章 疾走する蓮如
    第六章 混沌の北陸をめざして
    第七章 蓮如の女性観
    第八章 この世の幻境 吉崎
    第九章 伝承に生きる蓮如
    第十章 現世へのメッセージ
    第十一章 噴火するエネルギー
    第十二章 聖と俗のあいだに
    略年表
    あとがき

    ☆関連図書(既読)
    「乱世の人間像 親鸞と蓮如」笠原一男著、NHK市民大学、1984.04.01
    「歎異抄」釈徹宗著、NHK出版、2016.04.01
    「梅原猛の『歎異抄』入門」梅原猛著、PHP新書、2004.06.02
    「歎異鈔」唯円著・梅原真隆訳、角川文庫、1954.10.05
    「歎異抄」杉浦明平著、岩波書店、1983.10.18
    「出家とその弟子」倉田百三著、角川文庫、1951.08.20
    「最後の親鸞」吉本隆明著、春秋社、1976.10.31
    「親鸞をよむ」山折哲雄著、岩波新書、2007.10.19
    「『教行信証』を読む」山折哲雄著、岩波新書、2010.08.20
    「恋歌」五木寛之著、講談社文庫、1971.10.15
    「対論」五木寛之・野坂昭如著、講談社文庫、1973.06.15
    「わが心のスペイン」五木寛之著、角川文庫、1973.10.30
    「青空ふたり旅」五木寛之・井上陽水著、角川文庫、1985.04.25
    (アマゾンより)
    親鸞と並ぶ浄土真宗の偉大な指導者として,五百年の間大衆に親しまれてきた蓮如.貧困の中から身を起こし,既成の権威に抗して闘い,常に底辺の人々とともにあって胸にしみこむ平易な言葉で教えを説き,やがて一大勢力を成していく波乱の生涯――陰翳に富んだその人柄と思想を作家としての視点から語り,「聖」と「俗」の意味を現代に問う.

  • “人間の一生に完全な整合性を求めるような人間観は、大事なものを見逃す事になる。” 小一時間で読み終えられるボリューム感で辿る、蓮如の波乱の生涯。 本意・不本意に関わらず祭り上げられ、まさしく聖俗両面。 紹介されていた参考文献も読んで、多面的に知りたい欲求に駆られる

  • 日本史上の怪物であった蓮如を
    理解する一助となる良い本でした。
    蓮如や浄土真宗に興味がある方、
    また浄土真宗の関係者の方には
    オススメ出来る本です。

    私をよくご存じの方は
    知っていると思いますが、
    私は日本の極東地域出身でありながら、
    古美術や文化財、歴史などに詳しい。
    自分でもその道のオタクであり、
    自分でいうのもなんだが、
    造詣が深い自負としています。

    そうなる遠因の1つとなったといえるのが、
    本書の主人公である
    「蓮如」
    です。
    詳しい理由は省きますが、
    実はそうなのです。

    本書は作家である五木寛之さんが
    蓮如の足跡を辿り、資料を読み込み、
    五木さんなりの蓮如への想いを
    書かれています。
    内容は学術的ではなく、
    作家の目線からの蓮如像です。
    五木さんは心情的には蓮如に対して
    非常に好意的な評価をしています。
    それもあり内容は非常に読みやすい
    内容になっています。
    ただ一作家が書かれた本ですので、
    必ずしも内容は正確とは
    言い難いとは思います。

    実は最近、私も蓮如の足跡を調べています。
    私の場合は蓮如ゆかりの寺内町を歩き、
    都市計画的観点から蓮如の足跡を
    辿っています。

    寺内町を調べていけば、
    はっきりとわかりますが、
    蓮如は良くも悪くも偉大です。
    その圧倒的な見識と劇的な行動力、
    そして組織化する能力には
    驚嘆せずにはいられません。
    良くも悪くも圧倒的な怪物であり、
    日本史に刻まれるべき傑物であると
    私は感じています。

    本書はそのような怪物であった蓮如を
    理解する一助となる
    非常に良く書かれている本でした。
    蓮如や浄土真宗に興味がある方、
    また浄土真宗の関係者の方には
    オススメ出来る本です。

  • BO20090715

  • 蓮如の教えではなく、人間性についてスポットを当ててた一冊。教えに対すしては、知っている前提?
    戦国大名と対峙した一向宗の歴史と背景も知ることができる。

  • 新書文庫

  • 浄土真宗中興の祖である蓮如の生涯と思想を、わかりやすく解説しています。

    著者は、親鸞と蓮如を比較して、前者が自己の「苦悩」を出発点として、純粋な信仰の思想を徹底させたのに対して、後者は現世に生きる人びとの「悲苦」を出発点として、情緒的なもののなかに信仰を求めたと語っています。「苦悩」は一人の人間のものであり、「悲苦」は多くの人間の関係から生じるといいます。そして、どろどろした俗世間の真っ只中に、体ごと飛び込んでいった人物として、蓮如の泥臭い魅力を賞賛しています。

  • 親鸞の事はけっこう知ってるのに、蓮如の事は全然知らなかったのもあって面白かったしためになった。

    が、けっこう忘れてしまったから、もう一度読まないと、、、(汗)ww

  • 時に海を見よ にて引用
    ともに泣く、弱者の支店

  • 本願寺の中興の祖として知られる蓮如。
    僕はやり手の経営者タイプだと思っていたのだが
    この本からは全く違う蓮如のイメージが浮かんでくる。
    それは、母がいやしき身分のため差別され、40歳を過ぎるまで部屋住みで困窮を極めた苦労人としての姿。
    彼の布教活動が広く民衆に受け入れられたのは、長い貧困生活の経験が大きいのかもしれない。
    時は乱世。ここに書かれた飢饉の話を読むだけでも恐ろしい時代だったのだと感じる。生き地獄のような世の中で、人々の求める救い。そこに1つの答えを与えたのが蓮如の教えだった。
    蓮如は、被差別の人々にも優しかった。
    そして自ら創りあげた組織が自分で制御仕切れない「怪物」となってしまったのを嘆いた。
    彼は決してやり手の経営者ではなく、人間らしい弱さを持った人物だった。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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