よみがえる古代文書: 漆に封じ込められた日本社会 (岩波新書 新赤版 394)
- 岩波書店 (1994年8月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004303497
作品紹介・あらすじ
奈良時代の下級役人が出張先でやり残したことを思い出し、慌てて確認の手紙を出した-古代の生活が髣髴とするこんな手紙までみつかった。地中に埋もれていた漆紙文書は、軍団のありさまや戸籍・計帳(住民台帳)、そして暦など、いままで知られていなかった豊富な情報を提供しつつある。漆紙文書の描き出す興味深い古代史像がいま浮び上かる。
感想・レビュー・書評
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奈良時代の古代文書は、おおむね正倉院に保存されているものに限られていたが、漆紙文書というあらたな史料が出てきている。温暖多湿で、しかも酸性土壌である日本では、文書が残ることはほとんどない。しかし、漆のフタとしてかぶせておいた紙が、漆のおかげで劣化からまぬがれて、現代の歴史家にあらたな史料を提供してくれる。いまいうところの、戸籍やカレンダー、手紙など、その種類は様々であるという。とりわけ、東日本などの、中央からはなれた役所の文書は、正倉院には少ないが、これを漆紙文書がおぎなってくれるらしい。
律令制のもとで、古文孝経がおもんじられ、それを学ぶには孔伝・鄭注を使用すべきことを規定していたという。その後、唐で御註孝経(ぎょちゅうこうきょう)ができてから、日本でもそれを使用すべしとした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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── 平川 南《よみがえる古代文書 ~ 漆に封じ込められた日本社会 19940822 岩波新書》19940914
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