よみがえる古代文書: 漆に封じ込められた日本社会 (岩波新書 新赤版 394)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004303497

作品紹介・あらすじ

奈良時代の下級役人が出張先でやり残したことを思い出し、慌てて確認の手紙を出した-古代の生活が髣髴とするこんな手紙までみつかった。地中に埋もれていた漆紙文書は、軍団のありさまや戸籍・計帳(住民台帳)、そして暦など、いままで知られていなかった豊富な情報を提供しつつある。漆紙文書の描き出す興味深い古代史像がいま浮び上かる。

感想・レビュー・書評

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  • 奈良時代の古代文書は、おおむね正倉院に保存されているものに限られていたが、漆紙文書というあらたな史料が出てきている。温暖多湿で、しかも酸性土壌である日本では、文書が残ることはほとんどない。しかし、漆のフタとしてかぶせておいた紙が、漆のおかげで劣化からまぬがれて、現代の歴史家にあらたな史料を提供してくれる。いまいうところの、戸籍やカレンダー、手紙など、その種類は様々であるという。とりわけ、東日本などの、中央からはなれた役所の文書は、正倉院には少ないが、これを漆紙文書がおぎなってくれるらしい。
    律令制のもとで、古文孝経がおもんじられ、それを学ぶには孔伝・鄭注を使用すべきことを規定していたという。その後、唐で御註孝経(ぎょちゅうこうきょう)ができてから、日本でもそれを使用すべしとした。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4004303494
    ── 平川 南《よみがえる古代文書 ~ 漆に封じ込められた日本社会 19940822 岩波新書》19940914
    http://booklog.jp/asin/4004303494
     

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著者プロフィール

1943年、山梨県生まれ。1965年、山梨大学学芸学部卒業、1990年文学博士(東京大学)。国立歴史民俗博物館館長・山梨県立博物館館長を経て、現在、人間文化研究機構機構長、国立歴史民俗博物館名誉教授。 ※2020年2月現在
【主要編著書】『漆紙文書の研究』(吉川弘文館、1989年)、『墨書土器の研究』(吉川弘文館、2000年)、『古代地方木簡の研究』(吉川弘文館、2003年)、『全集日本の歴史2 日本の原像』(小学館、2008年)

「2020年 『交通・情報となりわい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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