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- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004303770
作品紹介・あらすじ
後醍醐天皇寵妃の阿野廉子、悲劇の佳人後深草院二条、「尼将軍」北条政子、ならびなき権勢を誇った日野富子、秀吉の糟糖の妻ねね、等々-中世を彩った女性群像をちりばめつつ、公家・武士・庶民の妻そして尼僧の姿を描きだしていく。母性・家政・性愛をめぐって縦横に展開される数々のエピソードはまことに興味深い。
感想・レビュー・書評
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「家」の形成(夫婦とその間にできた子どもが同居して家族を作りそれが核となって形成される)が中世に始まることを念頭に、「家」に包含される公家、武家、庶民といった各階層の女性、さらに「家」からは弾き出された存在でありながらも「家」を社会の基本単位とし、家族道徳をその基本原理として「家」的な主従関係を持つ「鏡の裏の世界」のような存在としての尼僧を通して、「家」の具体的なあり方を描く。終章では、母性尊重思想や穢れ思想などについても触れられ、著者の考えも示されている。
1995年初版刊。今回は「牙儈」について調べることがあり、参考文献として挙がっていたのでその確認のため再読した。本書自体は発行から既に30年近く経過しているが、今また私たちは日本の「家」をめぐって新たな課題を突きつけられており、その前提となる歴史性に改めて目を向け、考える必要がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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