俳句という愉しみ: 句会の醍醐味 (岩波新書 新赤版 379)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004303794

作品紹介・あらすじ

当代一流の俳人たちが、流派の別をこえて句会を催す-好評を博した前回の句会録『俳句という遊び』につづく第二弾。厳寒の奥多摩に句座をともにするのは、三橋敏雄、藤田湘子、有馬朗人、摂津幸彦、大木あまり、小沢実、岸本尚毅ら七人に加え、歌人岡井隆。第一級の韻文家たちによる愉しくも真剣な遊びの世界の醍醐味をおつたえする。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった~!

    私はこの本よりも『短歌パラダイス』のほうを先に読んでいたのだが、いつかその俳句版(というか、刊行順で言うと俳句のほうが先。更に言うと、これは俳句版としても2作目で、『俳句という遊び』という前作がある^^;)も読みたいと思っていた。
    しかし俳句という文芸に対し、少し敷居の高さを感じていたので(どことなく、短歌よりも硬質で侘び寂びなイメージなのである)、読むのが今になってしまったのだ。

    だが、これが面白くて面白くて。もっと早く読めばよかった、と思ったほどだった。
    プロの俳句を贅沢に、かつ楽しく読める素敵な句会本である。
    いわゆる「俳句入門」なハウツー本ではない。この新書の主役はまさに「句会」。句会を通しての真剣で愉しいコニュニケーション、および句会を通して垣間見る俳人達の俳句に対する姿勢、といったものをルポした本と言ったほうが近いのではないかと思う。

    しかし、この本を読んで私は「やっぱり短歌のほうが読みやすいな」と思った。
    短歌と俳句はやっぱり違う「文芸」なのだな、と思ったのだ。短歌はその短い形式の中にも「波」がある。感情があり、メッセージがあるので、その「波」に乗ってゆらゆらすることができる。
    だが、俳句は短歌よりももっと短い。ゆらゆらして、身を任せている時間はないのだ。
    例えるなら枝、だろうか。どの枝のどの部分を読み取るか、あるいはどの部分をばっさりと切るか。俳句にはそういう、潔さとも几帳面さとも取れないようなものを感じた。
    俳人の中にゲストとして、歌人の岡井隆さんが呼ばれていたのが、短歌と俳句の違いについて考えるよい機能となったと思う。

    とはいえ、俳句の醍醐味を愉しく拝読させていただきました。
    あと、著者の小林さんは元は俳句の人だったということがよくわかりました(笑)。『短歌パラダイス』よりも、こちらのほうが「本領発揮」できている気がしたので。

    • yuu1960さん
      お久しぶりです。
      小林恭二氏が語る俳句の観賞。ワインのソムリエのようで素敵ですね。
      「実用 青春俳句講座」も是非。俳句が判っちゃたように思え...
      お久しぶりです。
      小林恭二氏が語る俳句の観賞。ワインのソムリエのようで素敵ですね。
      「実用 青春俳句講座」も是非。俳句が判っちゃたように思えますよ。
      2012/02/05
    • 抽斗さん
      >じゅんさん
      お返事が大変遅れてしまってすみません(><;;)。
      ああ、俳句のほうが「とんがってる」というのはしっくりきますね。短歌は角が丸...
      >じゅんさん
      お返事が大変遅れてしまってすみません(><;;)。
      ああ、俳句のほうが「とんがってる」というのはしっくりきますね。短歌は角が丸いイメージですものね(^^)。

      このシリーズ、読んで損はない本だと思いますよ! 積読が落ち着きましたら、ぜひぜひ。
      2012/02/19
    • 抽斗さん
      >yuuさん
      お久しぶりです~。お返事が遅れてしまって、大変すみません(><;;)。

      yuuさんにおすすめしていただいてから、ずいぶんと読...
      >yuuさん
      お久しぶりです~。お返事が遅れてしまって、大変すみません(><;;)。

      yuuさんにおすすめしていただいてから、ずいぶんと読むのが遅くなってしまいましたが、大変面白かったです(^^)。
      小林さんの「読み」も、深く時に軽やかで、とても素敵でした。
      「実用~」も、チェックしたいですね。メモメモ。。
      2012/02/19
  • 当代一流の俳人が奥多摩に集い、その句会で作った俳句を全員が寄ってたかって、批評しうというか潰しあう面白さが売り物です。
    第一弾の「俳句という遊び」が好評であり、コケにされた俳人のリベンジの要請もあり、この第二作に繋がったようです。
    この2冊を読めば、句会の面白さというか、ダイナミックさがガンガン伝わってきます。
    これから俳句をやろうと思っている人、句会の経験がない人には、是非お勧めの二冊です。
    どちらか一冊というなら、この「俳句という愉しみ」をお勧めします。この本の方が歯に衣着せぬ直言が楽しめます。

  • 俳句をやってみようかと考えていくつか本を読んだりネットを調べて思った違和感は下記の通り。
    ・俳句の上手いヘタってあるのか?ピアノと同じで基本要件ができていたら好き嫌いの世界なのでは?
    ・俳句の先生の意見も結構好き嫌いの範疇なら有難がる必要ないのでは?
    ・個人の印象に寄りすぎてる俳句はそれが好きな人の気ままな想像の語りになるので時間の無駄な気がする。
    この本が素材としてる句会はメンバーが平等な立場で「結局俳句は好きずきの問題だ」というテーゼにたつゲームになっていて本来の楽しみ方が納得ができて良かった。

  • [ 内容 ]
    当代一流の俳人たちが、流派の別をこえて句会を催す―好評を博した前回の句会録『俳句という遊び』につづく第二弾。
    厳寒の奥多摩に句座をともにするのは、三橋敏雄、藤田湘子、有馬朗人、摂津幸彦、大木あまり、小沢実、岸本尚毅ら七人に加え、歌人岡井隆。
    第一級の韻文家たちによる愉しくも真剣な遊びの世界の醍醐味をおつたえする。

    [ 目次 ]
    風花句会
    深雪晴

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • やっぱり面白かった。
    和やかなようで、一瞬流れる殺気のようなものが俳人なのだと思った。感性だけでなく鋭い嗅覚、教養と共感、なにより今を美しく思う心が大切だ。短歌も同じだと思うけれど、俳句とはその内訳の対比が違う気がした。
    気になったのは摂津幸彦と歌人・岡井隆。美しかった、世界。

  • 小林恭二が俳句で遊ぶ。最近なかなか手に入り難い本で、僕も「面白いぞ」と人から聞いてずっと探していたものの、なかなか見つけらなかった。古本屋か、Amazon の マーケットプレースでどうぞ。

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