- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004303855
作品紹介・あらすじ
なぜ急激で大幅な円高が起きるのか。それでも経常収支の黒字が減らないのはなぜか。ますます進む国際化のなかで、日本経済の実態と課題を考えるために、国際金融の理解は不可欠である。国際収支の決定や為替レートなどの理論・仕組みを基本から明快に解説しながら、国際通貨制度の歴史もふまえた、絶好の入門書。
感想・レビュー・書評
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NDC分類: 338.9.
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登録者=(お) -
本作は、1995年の出版であり、かなり古い部類に入るのだが、経常収支と資本収支の詳しい記述、また、そのメカニズムの説明が易しく数式を使わず説かれていて、基本書として充分すぎる作である。対外債権の増加、また対外債務の減少が資本の流出である資本収支の赤字要因であることに注意を喚起している。固定相場制と国際間での資本移動が不完全な下での財政政策の有効性と変動相場制と自由な国際間での資本移動下での財政政策の無効性と金政策の有効性が丁寧にそして論理的に説かれている。
市場の開放の有効性と問題点も明確に指摘。内外価格差と為替レートへの言及。日米経常収支の不均衡と日米経済摩擦への理論的提言。日銀の円高恐怖による円安誘導政策の有害性、などなど、現状でも意義深いマクロ経済安定の理論が、基本的に述べられている。この頃から、著者の対米中依存からの脱却した日本主体の経済「国益」を理論的に追求していた人なんだなと実感。 -
高校の頃進路経済学部行こうかと思ってた