- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004304272
作品紹介・あらすじ
1900年、大久保利通の孫として生まれた著者は、大正デモクラシーのなかで歴史家として出発し、日本近代史研究の先鞭をつけた。先駆的研究の数々にくわえ、憲政資料室創設を中心とした史料整備、そして史料編纂事業など、学界に対する寄与ははかりしれない。若き日に接した学者群像の思い出を含め、興味深いエピソードに満ちた回想録。
感想・レビュー・書評
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大久保利通、牧野伸顕のファミリーに興味があり、通読。父の利和が海外の大学出で、日本社会に帰る時にコネがないとの記載があったり、大正デモクラシーの自由な雰囲気、ニ・ニ六事件、戦中戦後の苦労などの苦労の記載もある。時代の生き証人の回想である。
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大久保利通の孫であり、日本近代史研究における基礎的な史料の集成に尽力した著者が、みずからの研究を振り返った本です。
単なる通史のような形式ではなく、著者自身の研究の過程とリンクさせながら、日本の近代史の実相がヴィヴィッドに語られており、読み物としておもしろい内容になっています。 -
1900年、大久保利通の孫として生まれた著者は、大正デモクラシーのなかで歴史家として出発し、日本近代史研究の先鞭をつけた。先駆的研究の数々にくわえ、憲政資料室創設を中心とした史料整備、そして史料編纂事業など、学会に対する寄与ははかりしれない。若き日に接した学者群像の思い出を含め、興味深いエピソードに満ちた回想録。(1996年刊)
・Ⅰ 明治の記憶
・Ⅱ 大正デモクラシーのなかで
・Ⅲ 日本近代史に立ち向う
・Ⅳ 編纂事業のなかで
・Ⅴ 憲政資料室とともに
・年譜
・編者あとがき
あとがきによると、本書は聞き書きをまとめた回想録のようである。とても読み易いが、反面、広く浅い感じは否めない。
内容はとても面白い。明治の記憶では官僚の生活(父利武は内務官僚として知事を歴任)が窺える。学習院時代の乃木希典の話なども興味深く貴重な証言と言える。やがて、近代史研究の道に進むが、学閥的なものも窺える。(ここら辺、門外漢の身としてはわかりづらい)
戦前戦後の雰囲気が垣間見え、貴重な記録と言える。 -
大久保利通の孫で、日本近代史研究の草分け的存在である大久保利謙氏の聞書きによる回想録。軽妙な口調で読みやすく、戦前の学習院の教授や東大教授、華族などの人物評が面白い。戦前の華族の世界のリベラルな雰囲気も伝わってきた。ただ、聞書きということもあり、エピソードが中心で、大久保氏の歴史学に対する思想などはあまりよくわからなかった(皇国史観、マルクス主義史学のいずれにも違和感をもっていたことはわかった)。
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[ 内容 ]
1900年、大久保利通の孫として生まれた著者は、大正デモクラシーのなかで歴史家として出発し、日本近代史研究の先鞭をつけた。
先駆的研究の数々にくわえ、憲政資料室創設を中心とした史料整備、そして史料編纂事業など、学界に対する寄与ははかりしれない。
若き日に接した学者群像の思い出を含め、興味深いエピソードに満ちた回想録。
[ 目次 ]
1 明治の記憶
2 大正デモクラシーのなかで
3 日本近代史に立ち向う
4 編纂事業のなかで
5 憲政資料室とともに
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
かなり面白かった。読みやすいし。恥ずかしながら憲政資料室ができた経緯なんかは全然知らなかったので、へーそうなんだーと、単純に感心。
あと、昔の人は史料が制約なくばんばん利用できていいなあ、と思っていたのだけど、逆に公文書を見るのに苦労があったり、当然ネットもないわけで、それはそれで大変だったのだろうなあ、と当たり前のことを思ったりもした。
しかし歴史をやってる人間が、新書、つまり一般人向けで自伝というか回顧録を書けるというのはけっこうすごいことかもしれない。それもやっぱり、関係してる人が有名人が多いからなのかなあ。・・・いや、もしかしたらこの新書を手に取るのは、歴史に興味がある人だけかもしれないが。