ぼくのドイツ文学講義 (岩波新書 新赤版 428)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004304289

作品紹介・あらすじ

カフカの『変身』で本当に変身したのは何?難解をもってなる『ファウスト』第二部のカンどころとは?グリム童話から消えてしまったもの語りの原型-などなど、無類の読み手である著者が、軽妙洒脱な筆をふるってドイツ文学の面白さを縦横に語りつくす。重厚厳粛というドイツ文学の既成イメージをふきとばす池内式文学の娯しみ方。

感想・レビュー・書評

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  • 著者がみずからの関心に基づいて、ドイツ文学の中からいくつかの作品を紹介した本です。ゲーテ、ノヴァーリス、ハイネ、ケラー、カフカのほか、アイヒェンドルフ、ツックマイヤー、リンゲルナッツ、ジャン・アメリーなどの、ちょっとマイナーな作家も取り上げられています。

    エッセイの名手としても知られる著者らしく、いかめしいドイツ文学案内ではなく、軽妙な文章でそれぞれの作品の魅力が語られています。

  • 池内紀氏がドイツ文学の魅力を10のテーマをモチーフに余すところなく解説してくれてます。氏の著作の中でも、テーマが一貫しててまとめ方もコンパクトなので、お勧めです。

  • 「ぼくのドイツ文学講義」池内紀著、岩波新書、1996.01.22
    200p ¥620 C0295 (2019.10.15読了)(2007.10.22購入)

    【目次】
    まえがき
    第一講 眺める人―リヒテンベルクのこと
    第二講 「まあ、待て、お前は実に美しい」―『ファウスト』第二部
    第三講 ノヴァーリスと数学
    第四講 「ねがいがかなった」―もう一つのグリム童話
    第五講 ハイネの謎
    第六講 ユーディトの水浴―『緑のハインリヒ』異聞
    第七講 制服の力―「ケペニック事件」
    第八講 詩人リンゲルナッツ
    第九講 家族の肖像―カフカ『変身』
    第十講 歩く人―ベンヤミン、ロート、アメリー

    略歴
    池内紀(いけうちおさむ)
    1940年、兵庫県姫路市生まれ
    東京外国語大を卒業
    1965年11月25日、東京大大学院を修了
    1966-96年、神戸大学、東京都立大学、東京大学でドイツ語、ドイツ文学の教師
    1996年、五十五歳で東京大を辞して文筆業に専念
    1978年、『諷刺の文学』で亀井勝一郎賞受賞
    1994年、「海山のあいだ」で講談社エッセイ賞受賞
    2000年、ゲーテ「ファウスト」の翻訳で毎日出版文化賞受賞
    2001年、「ゲーテさんこんばんは」で桑原武夫学芸賞受賞
    2002年、「カフカ小説全集」の翻訳で日本翻訳文化賞受賞
    2012年、「恩地孝四郎」で読売文学賞受賞
    2019年7月、「ヒトラーの時代」刊行(8月下旬、67項目の訂正)
    2019年8月30日、逝去、78歳

    ☆関連図書(既読)
    「ファウスト(一)」ゲーテ著・高橋義孝訳、新潮文庫、1967.11.25
    「ファウスト(二)」ゲーテ著・高橋義孝訳、新潮文庫、1968.02.25
    「カフカ『変身』」川島隆著、NHK出版、2012.05.01
    「変身・他一篇」カフカ著・山下肇訳、岩波文庫、1958.01.07

    (「BOOK」データベースより)amazon
    カフカの『変身』で本当に変身したのは何?難解をもってなる『ファウスト』第二部のカンどころとは?グリム童話から消えてしまったもの語りの原型―などなど、無類の読み手である著者が、軽妙洒脱な筆をふるってドイツ文学の面白さを縦横に語りつくす。重厚厳粛というドイツ文学の既成イメージをふきとばす池内式文学の娯しみ方。

  • 意外と知らない文学者がいた。あらためて読んでみてもいいと思われる。

  • [ 内容 ]
    カフカの『変身』で本当に変身したのは何?
    難解をもってなる『ファウスト』第二部のカンどころとは?
    グリム童話から消えてしまったもの語りの原型―などなど、無類の読み手である著者が、軽妙洒脱な筆をふるってドイツ文学の面白さを縦横に語りつくす。
    重厚厳粛というドイツ文学の既成イメージをふきとばす池内式文学の娯しみ方。

    [ 目次 ]
    第1講 眺める人―リヒテンベルクのこと
    第2講 「まあ、待て、お前は実に美しい」―『ファウスト』第二部
    第3講 ノヴァーリスと数学
    第4講 「ねがいがかなった」―もう一つのグリム童話
    第5講 ハイネの謎
    第6講 ユーディトの水浴―『緑のハインリヒ』異聞
    第7講 制服の力―「ケペニック事件」
    第8講 詩人リンゲルナッツ
    第9講 家族の肖像―カフカ『変身』
    第10講 歩く人―ベンヤミン、ロート、アメリー

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ほんとにドイツ文学が好きで好きでたまらない人なんだろう。天職につけてよかったね。全ての人がそういう経験を果たせるわけではないけれども。ウィットに富んだライトな文体は読みやすかった。

  • 最近、池内氏の著書ばかり読んでいる。笑<br>
    でもこの本の内容はあまりよくわからなかった…ちゃんと作品を読んでからもう一度読み返すべき。。

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著者プロフィール

1940年、兵庫県姫路市生まれ。
ドイツ文学者・エッセイスト。
主な著書に
『ゲーテさんこんばんは』(桑原武夫学芸賞)、
『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞)、
『恩地孝四郎 一つの伝記』(読売文学賞)など。
訳書に
『カフカ小説全集』(全6巻、日本翻訳文化賞)、
『ファウスト』(毎日出版文化賞)など。

「2019年 『ことば事始め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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