- Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004305408
作品紹介・あらすじ
「見れる」「食べれる」のようなラ抜き、「ちがかった」「うざい」「チョー」といった新表現、鼻濁音なしの発音…。日本語が乱れてる!とさわぐのはまだ早い。言語学の眼で考察すると、耳新しいことばの出現の背後ではたらくメカニズムや日本語変化の大きな流れが見えてくる。長年の調査・探究に裏打ちされた現代日本語の動向観察。
感想・レビュー・書評
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ラ抜き言葉などは乱れではなく歴史的な変化だ!というのが(やや反抗心からきていたが)自論だったので、嬉しい援護射撃。
言語がだんだん単純化・明晰化しているというのが面白い。言葉すらも省エネしているとは…。 -
学問書は向いてないみたいだね....
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「~じゃん」、ら抜き言葉などなど、「乱れている」といわれる言葉について、地域的・時間的な視点から考察された本。
最近の若者は…といわれそうな言葉も、歴史言語学の観点から見たら合理的な理由で変化が起こっている。
あと100年もしたら、全然違う言葉になっていて、今の私たちが書いている文章も「古典」になるのだろうと思った。
「バイク」「バンド」など、専門家の立場に近づくとイントネーションが平板になる(語頭アクセントにならない)という考察がとても興味深かった。
たしかに、楽器もそういう傾向ある。ペット、ボーン、ホルンとか。すごく納得。
時と場合に応じて、変化も受け入れながら言葉を使えたら、「最近の若者は…」といらいらすることも少なくて済むのかもしれない。 -
井上先生の本、学生時代に大変参考にしてました。日本語の変遷について分かりやすく書かれてあって、そういう分野を専攻していた自分にとっては読んでてワクワクが止まらなかった。
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方言学の権威・井上先生による、自身の専門を、一般に向けて解説した書籍。必ずしも専門用語を用いずに、不足なく説明しちゃうその記述にはもう脱帽。この一冊を読むだけで、言語研究等に一切関わりを持っていない人でも社会言語学がどのような研究を行なっていて、どのような考察を重ねているかを理解できるのではないでしょうか?
僕は、学部生時代に社会言語学の講義を受け、その気力・体力・根気その他、ありとあらゆるフィジカル要素・メンタル要素を必要とすることに愕然とし、むしろ敬遠するようになってしまったのですが、やっぱりこうしてその研究成果を見てみると、面白いなーと思う。
それにしても、この「あせない」感は何でしょう? 例えば以前、僕は野代仁子さんの書いた、約10年前の書籍『非行を叱る』のレビューをした際に、「10年の歳月は大きかった」という感想を残しています。本書も10年以上前の書籍。しかし、それを感じさせない。もちろん、全くそうかと言われれば、それは違うと思いますが。どうしたって、流行語や発展途上の語句を考察の対象にしている以上、2011年現在では事情が異なっているものも多くあるもんね。でも、今なお、読んで損はしないだろうと思える本です!
【目次】
はじめに
Ⅰ ラ抜きことばの背景
Ⅱ 「じゃん」の来た道
Ⅲ 簡略化の動き
Ⅳ 東京ことばの底流
Ⅴ 新しい方言の広がり
Ⅵ 敬語の最前線
Ⅶ 気になる? 口調
Ⅷ ことばの変化のとらえ方
引用文献
おわりに -
教科書副読本☆
どこからどこまでを言語の推移と見て、どこまでを乱れと見るか…という意味で面白い。 -
「どうせ、若者のノリで適当な日本語使ってるんだろ!」と思うのは大きな間違いで、ら抜きにも平板アクセントにも長い変化の歴史と合理的な理由があるというは驚き。ただし、この本読みにくい。素人向けには先に8章「ことばの変化のとらえ方」を読んでから具体的な事例を見ていった方が分かりやすい。
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日本人なら、正しい日本語使いましょ。
まぁ正しく伝われば良い訳ですものね。
井上史雄の話は此処で読みました↓
http://www.athome-acade...
まぁ正しく伝われば良い訳ですものね。
井上史雄の話は此処で読みました↓
http://www.athome-academy.jp/index.html