日本の社会保障 (岩波新書 新赤版 598)

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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004305989

作品紹介・あらすじ

少子・高齢化の進行や経済の低成長に伴って、社会保障の今後が問われている。医療、年金、福祉など個別分野ごとの課題を明確にしつつ、その全体像をとらえる必要がある。原理に溯って考えるために歴史的な展開を検証しながら、二一世紀の福祉国家の姿に迫るグローバルな視点を提出し、「公私の役割分担」を中心に、改革の方向性を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/34097

  • 広井さんのお仕事は本当に素晴らしく、あまり期待していなかったにもかかわらず、1999年のこの本も、大変示唆に富んだものだった。キャッチアップ型、二重構造など。

  • 財政と現代の経済社会
    第5回 社会保障と費用負担制度
    1.社会保障の財政規模
    2.福祉国家モデルと費用負担制度
    3.日本の社会保障制度と費用負担原理
    https://www.wakaba.ouj.ac.jp/kyoumu/syllabus/PU02060200211/initialize.do
    https://www.ouj.ac.jp/hp/kamoku/2020/kyouyou/C/syakai/index.html

  • 105円購入2011-11-09

  • (所得再分配)
    老人医療福祉…公的保障(税)
    (リスクの分散)
    若年者の医療…社会保険 逆選択が起こりやすいもの
    年金…民間保険 逆選択が起こりにくいもの

    逆選択:保険者は加入者一人ひとりのリスクを正確に把握できないために、平均的な保険料を課す。このため、低リスク者は負担が大きいと感じ保険に加入しなくなる。低リスク者が脱退したことにより保険料が高くなる。これによってさらに低リスク者が脱退する、という悪循環。これを回避するためには「加入を義務づける」こととなる。

  • 社会保障の詳細な制度説明に走らずに、基本的・哲学的な存在意義の解説から入ることで、社会保障を考えるためのフレームワークをまず構築する。その上で日本の社会保障の特徴と改革の方向性を明らかにしてくれるので、とても腑に落ちる。 これこそ良書と言えると思います。

    ただ、あえてクレームをつけるとすれば、

    1)日本の社会保障の改革の方向性を示してはいるものの、現実の政治や制度変更に伴い想定される混乱に関する記述はないので、あまりにも理想主義的ではないかと感じる。

    2)環境と高齢化のアナロジーの議論は牽強付会な気がした。一緒に議論する意味があるのかよく分からなかった。。。

  • タイトルは地味で、出版も1999年。果たして読む価値はあるのだろうかと思いつつ、前評判を元に頁をひもときました。

    予想に反して、これは21世紀を見据えた、日本だけでなく、世界の「社会保障」をその原理・原則まで遡って論じた歴史的名著だと思います。

    久しぶりに、本物の「社会科学」の本に出会った気がしました。

    すぐに読めるので、年金、医療保険、介護保険、福祉について疑問、関心のある方は是非、だまされたと思って、読んでみてください。それらの必要性と実施方法について、整理された視点を持つことができると思います。

  • 全然頭に入ってこねぇ
    もっとわかりやすいので概要つかんでから読もう

  • 良書。先輩に薦められて読んだ。
    日本のみならず、欧米各国の社会保障制度についてもわかりやすく整理している。後半は、著者が考える制度改革の方向性ばかりに頁が割かれる嫌いがあるが、社会保障に関する論点整理をする上で非常に役立つと思われる。

  • [ 内容 ]
    少子・高齢化の進行や経済の低成長に伴って、社会保障の今後が問われている。
    医療、年金、福祉など個別分野ごとの課題を明確にしつつ、その全体像をとらえる必要がある。
    原理に溯って考えるために歴史的な展開を検証しながら、二一世紀の福祉国家の姿に迫るグローバルな視点を提出し、「公私の役割分担」を中心に、改革の方向性を提示する。

    [ 目次 ]
    第1章 福祉国家の生成と展開(福祉国家の歴史的展開 福祉国家の現在―そのモデル・経済との関係・持続可能性)
    第2章 日本の社会保障―その軌跡と問題点(日本の社会保障の特徴と評価―経済システムの進化と社会保障 日本の医療・年金・福祉の特徴と問題点)
    第3章 社会保障を考える視点(市場と政府―経済学的視点 リスク・情報・規範―倫理学的視点 ほか)
    第4章 これからの社会保障―理念・選択肢・方向(社会保障とはそもそも何か 社会保障制度改革の選択肢と方向)

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著者プロフィール

広井 良典(ひろい・よしのり):1961年生まれ。京都大学人と社会の未来研究院教授。専攻は公共政策、科学哲学。環境・福祉・経済が調和した「定常型社会=持続可能な福祉社会」を一貫して提唱。社会保障、医療、環境、都市・地域等に関する政策研究から、ケア、死生観、時間、コミュニティ等の主題をめぐる哲学的考察まで、幅広い活動を行っている。著書『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書、2009年)で大佛次郎論壇賞受賞。『日本の社会保障』(岩波新書、1999年)でエコノミスト賞、『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社、2019年)で不動産協会賞受賞。他に『ケアを問いなおす』(ちくま新書)、『ポスト資本主義』(岩波新書)、『科学と資本主義の未来』(東洋経済新報社)など著書多数。


「2024年 『商店街の復権』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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