夢分析 (岩波新書 新赤版 653)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004306535

作品紹介・あらすじ

忘れていた幼年期の記憶を呼びもどし、自らの存在の根源を再確認する-人間精神の深層にある無意識のこの欲望こそが、我々が夢を見る理由である。夢はどのようなしくみによってその欲望を満たすのか。夢に登場してくるさまざまな内容は何を象徴するのか。気鋭の精神分析家が豊富な実例分析をもとに大胆に夢の本質に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 数々の夢の実例や夢判断で有名なフロイトなども引用しながら、夢の背景にあるものを分析している。哲学書のような文体が多くて読むのに難儀した。

    夢の実例の記述は面白い。よくぞここまで詳細に文章に起こせたものだと感心する。シュールなほど訳がわからない展開な上に、目が覚めればすぐに忘れてしまうものをよく再現している。映画「君の名は。」では、この「夢から醒めたら徐々に忘れてしまう」のをうまく設定として使っていた。

    自身の経験からは、その時の精神状態によって夢の内容が連動することはある。特に、なにかに追いたてられたり精神的に疲れている時にはそれがよく出てくる。

    最近テレビ番組で俳優の古田新太が「役者あるある」として「舞台の初日で幕開き直前なのに台詞が入ってない」という夢を役者は必ず見ると言っていた。昔演劇をやってた私も、演劇から10年以上遠ざかっているのにいまだにこの夢を見るのは困ったものだ。

  • 忘れていた幼年期の記憶を呼びもどし、自らの存在の根源を再確認する-人間精神の深層にある無意識のこの欲望こそが、我々が夢を見る理由である。夢はどのようなしくみによってその欲望を満たすのか。夢に登場してくるさまざまな内容は何を象徴するのか‥、ラカン精神分析に精通した著者が豊富な実例分析をもとに夢の本質に迫る。    -20100131

  • 科学的な内容かと思ったら哲学的な一冊だった。

  • つ、つまんなかった…新宮先生すみません(面識はありません)
    日本の精神分析の方の本を読んで感じる、なんとも言えない「思い込みの強さ」「説明しなくてもいいと思っている傲慢さ」、それらの醸し出す「一人よがり」、さらには「そんな自分に酔っている」感じを強烈に受け取って、読むのが苦痛だった…

    たとえば。「妊娠は我々にとってはもはや謎ではないようにみえながら、実は幼児としての我々にとってそうであったと同じように、やはり謎のままである」という一文がある(p. 64)。

    …はぁ?って感じである。

    「妊娠は我々にとってもはや謎ではないように」見える????そんなこと言う女性は1人もいないんじゃないか????それを、この、妊娠を経験したこともなく、一生経験することもない、50歳(出版当時)のおじさんが、当然の前提として言い切っていることの傲慢さ。

    キッモーーーーーーーーである。

    「我々」って誰よ?「見える」ってあなただけなんじゃ?

    これが、「妊娠の生物学的メカニズムは知識として誰でも理解できるが、そのプロセス、妊娠するということは、体験したとしても依然『わかった』とは言い切れぬ謎である」とか書いてあるならわかる。充分理解できるし共感できる。だけど、なぜこのおじさんが「妊娠はもはや謎ではないように見える」と言い切っているのか?そのことの意味は??それらは、なーーーーーーんにも説明されてない。なのに勝手に「我々」とか「もはや」とか「見えるが」とか言ってくる。

    見えねーし!

    妊娠は最初から謎だし!

    ここの取り出したところはまだこの一文があることで説明されてる方で、他はもっと説明されてない。
    「夢に出てくる3は男性性だ。4は結婚だ。なぜならフロイトがそう言ってるからだ」(そうは書いてないけど、そうとしか読めない)。そして「ほーらごらん」とばかりに、学生にレポート提出させた夢を一字一句書き写して(この辺も、倫理的に大変疑問。少なくとも臨床ではこういう無神経さは袋叩きにされる)「この3は男性を指しているのだ」「4は結婚を意味していることが明らかだ」って…
    もうそういう前提でしか扱ってないんだから、なんの論拠にもなってないし、全然共感できない。

    「女は男の肋骨から作られている!なぜならそう聖書に書いてあるからだ!」というのと同じだよね。
    これは単なる信仰にしか過ぎない。

    自分が信じるのはいいけど、聖書に書いてあるからそれが真実で当たり前だ、という態度で他人を判断したり、それを得意げに頒布してるってどうなのよ。あ、それが宗教か。

     
    そして、あなたがその人の夢を、そのように決めつけたからと言ってなんなのか。それがどのようにその人自身の人生を豊かにするのか。
    単に、自分の理論を正当化するために他人の夢を利用しただけなんじゃない???
    としか思えなくて、さっむーーーーーーーーーーとなる散々な読書体験だった(あくまでも私にとっては)。

    あーもう、こういうの読むとほんとフロイト派が嫌いになる。

    世界の素晴らしいフロイディアン、違うんだーというのを見せて欲しい…



  • 36547

  • 夢分析の一端を理解できた

  • 象徴、類型夢、ファルス。。。
    読んでは前に返り、前に返っては読み。。の繰り返しで、私には難しく、理解ができなかった。。
    唯一、空を飛ぶ夢が納得いったくらい。。
    いつか、再読したら理解できるだろうか?
    今は全くダメだった。。

  • 人間50年下天の内にくらぶれば、夢現のごとくなりにけり

  • メダルト・ボスに感銘をうけたのに続いて読み始めたから、象徴や類型夢についていくのは少々しんどかったが、エディプス・コンプレックスの再解釈や、夢の語り、ことば、他者性などに展開する後半は、フロイト~ラカン派の醍醐味を楽しめた。フロイト『夢判断』出版百年記念本?

  • 夢って不思議…。そして、夢について書かれた本も不思議。夢を分析する本は何冊か読んだけど、どれも独特な文章だと思う。なんというか、理屈がしっかりあるようで、ないような…。でも、妙に説得力があって。
    夢の分析は、経験を積み重ねた上での直感が大切な気がする。

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著者プロフィール

2017年3月現在 京都大学名誉教授、奈良大学社会学部教授

「2017年 『表現する「私」はどのように生まれるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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