ペンギンの世界 (岩波新書 新赤版 743)

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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307433

作品紹介・あらすじ

ペンギンといえば雪原をよちよち歩く姿に誰もが思わず「かわいい!」と声をあげる。だが南極の厳冬に三ヵ月も絶食して卵と雛を守ったり、六〇〇m以上も潜水して高速で魚を捕える姿は意外に知られていない。森で暮らす仲間もいる。いま環境破壊にさらされながら苛酷な世界にけなげに生きている彼らの生態、暮らしから歴史までを紹介。

感想・レビュー・書評

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  • ペンギンは強くたくましく生きてる。
    ペンギンの骨格を知ったのはこの本だった。ペンギンに関する知識が網羅され、誰が読むのかわからないが面白い本。

  • ちょっと古い本ですが、ペンギン研究の歴史とその生態を概観できます。ペンギンの子育て方法を人材育成に当て嵌めると、なかなか面白い。

  • 南極の氷の下にはペンギンの死体が埋まっている…しかも、ものすごい数の。
    そして、雪を踏みしめるとペンギンの血が滲み出てくる……

    冒頭のレポで、ペンギンのサバイバルぶりを見せつけられました。
    かわいいビジュアルですが、あんなに過酷な生活をしているなんて!
    こんなに親しまれている鳥なのに、まだわからないことだらけなのも意外でした。確かに、調査する方も命がけだよなぁ。

    子育て、食生活、人間との関わりなど、トピックス別にわかりやすく解説してもらえます。
    文献案内もついているので、ペンギン入門に最適です。

    今度から、ペンギンを見る目が変わりそう。

  • ペンギンたちの暮らしが他のペンギンの死の上に成り立っていること、
    ペンギンの祖先がまだよく分かっていないこと、
    子育てのために百日以上断食するペンギンのいること、
    そして、油を求める人間に万単位で釜ゆでにされてきたこと、
    知らないことばっかりで終始楽しく読めました。

    ペンギンの暮しや体の構造だけでなく人間の文化との関わりや歴史等、
    様々な角度からペンギンについて知ることができ、
    そしてそれらすべてに驚きがあるから楽しくなってきます。
    また、生物の生態を解明するための手法なども学ぶことができ、
    楽しいだけでなく勉強になる本でもありました。

    ペンギン愛に満ちており、またどことなくユーモアがあるので、
    読んでいるだけでにやにやしてしまいます。
    予備知識なしで読めますし、おすすめの一冊です。

  • あったかいところで暮らすペンギンの図がとっても平和でしあわせ

  • ◆ペンギン入門者~初心者向け。
    動物園や水族館でペンギンを見て「可愛いなぁ」と思った時、
    「野生のペンギンの姿とはどんなだろう?」と思った時に読んで下さい。
    この本は“動物園における可愛らしいペンギンの姿”という夢を全てぶち壊してくれます。
    しかし、生々しい本来の野生の姿を愛おしいと思うことができたならば、
    もう貴方は立派なペンギンマニアとなっているはずです。

  • テレビで映されているペンギンは綺麗な部分で、実際の現場はかなり血生臭いものらしくて驚いた。
    たくさんのペンギンが死んで、凍って、地層になってを繰り返しているらしくて驚いた。

    こんな感想しかかけない自分にも驚いた。

  • この本は面白かった。ペンギンについては何も知らなかったということに気づかされた。
    著者が南極に上陸したときその足跡が赤く染まっている。そこを掘ってみると累々たるペンギンの死体が…
    「ペンギンと私の足元には、このバード岬で死んでいった過去数百年、ひょっとしたら数千年分のペンギンの死体が分厚い層を成している。それらは、少しずつ腐敗・分解されるだろうが、新しい世代の排泄物にまみれながら、氷点下の雪と氷の世界で長い間冷凍保存されるのだ。」

    ペンギンと死を重ね合わせて考えたことが無かったのでこのくだりは衝撃的だった!

    まあ、それだけではなくペンギンの生態やペンギンと人の関わりなど新書でありながらかなり読みごたえがあった。

  • この本はちょっと古いが、ペンギンの形態から生態、古生物学的な見解や人間との関わりまで広く概説していると思う。
    筆者の体験からは、ペンギンへの想いが汲み取れて、この人は本当にペンギンが好きなんだろうなと感じる。

    自分も小学生の頃から鳥が好きで、特にペンギンはテレビ番組をメモしながら見てたくらい興味があった。この本が出たのはその頃だったようだ。知っていたら読んでいたのに…

    今の専門とは大きく外れるんだけど、学生の内にペンギン関係の論文も集めてみようかなあ。

  • 10年前に出版された本ですが、今読んでも、十分面白かったです。

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著者プロフィール

ペンギン会議研究員(創設メンバー)。IUCN・SSC・PSGメンバー。
40年以上ペンギンの調査・研究・保全活動を続ける。
葛西臨海水族園、長崎ペンギン水族館、下関市立しものせき水族館「海響館」、
埼玉県こども動物自然公園、天王寺動物園、京都水族館、すみだ水族館、
福岡市動植物園、上越市立水族博物館などの動物園・水族館の監修を手がける。
『ペンギン大全』(青土社)ほか、ペンギンに関する著書・訳書多数。

「2023年 『日本で会えるペンギン全12種パーフェクトBOOK』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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