人間回復の経済学 (岩波新書 新赤版 782)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307822

感想・レビュー・書評

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  • とうとう本を買うお金がなくなってしまった()ので、節約のために家になぜかある本を拾って読むことにした。

    この著者の名前どっかで聞いたことあるなーって思ったんだが、周りの人に聞いても誰も知らなかったのでおそらく俺の勘違いなのだろう。

    なんてこと考えながらつらつら読んでいたんだが。序盤はただひたすら理論経済学批判www「人間はホモエコノミクスではない、ホモサピエンスである(キリッ」ってうるせーよww何回も言わんでいいわwwwってかお前の言う「人間的」な部分も効用関数にぶち込めばいいじゃんかwwうぇうぇうぇ

    なんて感じで読み進めていくと今度は非常に難解なパートに突入www疲れ、眠さもありほとんど斜め読みでした。すみませんww

    そして、最後は流行の北欧を見習え論www女子大生みたいな思考だなwww日本だめ、海外すばらしいのオンパレードwwまあ日本がオワコンなのは同意するがwww

    ってな感じでいつの間にか読み終わってた。まあそこそこ面白かったんだが(いろんな意味で)、なんつーか、財政社会学の人ってひたすら理想論展開するよね。もうちょい現実的なことを。なんでも財政社会学ってワード聞いた瞬間、俺にDをつけた井○先生を思い出してしまい非常に不愉快な気持ちになりますたwwwうぇうぇうぇ

    と久しぶりに変なテンションでのレビューでした。

  • ・新自由主義的な発想に基づく日本の構造改革は人間的な能力を必要としない職務を増加させることによって、コストを低下させる改革である。

    ・ケインズ的福祉国家は、現金給付による所得再分配で社会的セーフティネットを張り、公共事業を実施して需要サイドから経済システムに介入するものだが、もう時代にそぐわなくなっている。知識資本を蓄積して、イノベーションを巻き起こす、供給サイドからの経済システムへの介入が必要となる。

    などと偉そうに述べているが、考察が希薄で説得力がまったくない。
    人間回復、人間同士に絆などの美辞麗句を随所に挟んで議論をごまかしているだけのように思われる。

  • 10年以上前から言われていた少子高齢化社会となる将来の日本をどのような形にしていくのかを新古典派の経済学理論やケインズ経済学を否定し、知識社会の到来にあわせてどのように社会と経済に対する人々の姿勢をとるべきかを、スウェーデンでの取り組みを混ぜ込みながら紹介しています。現代経済の根幹を成しているともいえる新古典派経済学の理論を、経済学者がまっこうから否定しているという点で希有な書物と言えそうです。

    著者の論点にはつよく同調できる所が多く、読みながら「日本人の多くがそうおもっているはずなのにこんなにも買われないのは何故なのかな?」と不思議に思えてしまうところも多いのです。ホモ・サピエンス(知恵のある人)と称される私たち人間が、自分たちの手で生み出した経済学からなぜ「見えざる手」という言葉で価値・価格・需給バランスが人の手を離れたところで決められるという発想にいきつくのか?人間の生み出したものだし、市場に参画しているのは人間自身であるということは分かってもそれをコントロールできないこのもどかしさは何故なのか?

    経済学の原論に触れたことのある人ならば、著者である神野直彦・東大教授の指摘は「確かそうかも…」って思えるポイントが多いのですが、どうすればこうした現代の日本社会を根幹から変えるか?というところへの著者なりの行動計画は示されていません。それだけの大転換が必要だということは十分認識できますし、そこにたどり作るためのグラウンドプランを示している政党や政治家も見当たらないのも分かります。

    著者は小泉改革に反対する立場にたっているようにも見えます。本書が発行されたのが2002年ですから、劇場型政治によっては国民が本質を見抜く努力を、かれの単純で伝わりやすいメッセージ性が削いでしまった時に、その将来どうなるかを見通していたような内容の本は2002年に出されていたというポイントは押さえておくべきだと思います。発刊から6年を経て、金融危機という新たな経済に関わる問題が浮上し、世界はその対応に追われている中での、人間本意の経済学の確立というところはなかなか見えてきません。

    特に、家父長制の二次的影響ともいえる名残からか、長時間労働が英雄視される傾向がまだ企業に残る一方で、核家族化した家庭を担う中年世代は育児と介護も同時にこなすような時代になりつつあるなかで、日本人の「労働」観そのものを転換する必要もあるのではないか?とも思えます。その労働観の転換が何によってなし得るのかを知りたいとこの本を読み終わった後の私はそう思えるようになりました。問題を深く知るためにステップを一つあがれたと思える、そんな読了感の持てる本です。

著者プロフィール

神野直彦(じんの・なおひこ)
日本社会事業大学学長、東京大学名誉教授(財政学・地方財政論)
『システム改革の政治経済学』(岩波書店、1998年、1999年度エコノミスト賞受賞)、『地域再生の経済学』(中央公論新社、2002年、2003年度石橋湛山賞受賞)、『「分かち合い」の経済学』(岩波書店、2010年)、『「人間国家」への改革 参加保障型の福祉社会をつくる』(NHK出版、2015年)、『経済学は悲しみを分かち合うために―私の原点』(岩波書店、2018年)
1946年、東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学



「2019年 『貧困プログラム 行財政計画の視点から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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