裁判官はなぜ誤るのか (岩波新書 新赤版 809)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308096

作品紹介・あらすじ

もし、裁判官の判断に誤りがあったら-。人の一生を左右する誤判、冤罪の背景には何があるのか。判事として再審請求事件に向き合った経験をもつ著者が、裁判官の日常生活やキャリアシステムの問題点を指摘し、さらに法曹一元化、陪審・参審制度などの司法改革が議論されている今日、裁判が市民のものになるには何が必要かを提言する。

感想・レビュー・書評

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  • 【書誌情報】
    著者:秋山 賢三[あきやま・けんぞう] (1940-) 弁護士。
    通し番号:新赤版 809
    刊行日:2002/10/18
    ISBN:9784004308096
    仕様:新書 並製 カバー
    頁数:220
    在庫:品切れ
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b268628.html

    【簡易目次】
    はじめに [i-ix]
    目次 [xi-xiii]

    第一章 裁判所と裁判官の生活 001
    第二章 刑事担当の裁判官として 047
    第三章 再審請求を審理する――徳島ラジオ商殺し事件 075
    第四章 証拠の評価と裁判官――袴田再審請求事件 093
    第五章 「犯罪事実の認定」とは何か――長崎(痴漢冤罪)事件 117
    第六章 裁判官はなぜ誤るのか 147

    おわりに(二〇〇二年八月三〇日 秋山賢三) [199-204]

  • 756円購入2010-06-04

  • 読んでおいて損はない

  • おすすめ資料 第90回 人を裁くということ(2009.6.5)
     
    本書は、25年間裁判官を務めた後に現在は弁護士として活躍する著者が、自らが関わった冤罪事件を通じて、わが国の刑事裁判のあり方について記述した本です。

    先日、日本でも裁判員制度がスタートしましたが、皆さんは「もし自分が裁判員に選ばれたら...」と考えてみたことはありますか。
    被告人は本当に有罪なのか、どれくらいの量刑が相応しいのか、正しい判断を下す自信はありますか。
    裁判官に任せておけば大丈夫と気楽に考えてはいませんか。

    犯罪白書などの統計によると、日本の刑事裁判による有罪率は99.9%。
    一度起訴されるとほとんどの場合有罪となってしまうのが現状です。
    これが全て本当に罪を犯した人に対しての有罪判決であれば、とても優秀な数字だと言えるのですが、なかには無実の罪で逮捕・起訴されてしまう人がいるのも事実です。
    裁判官が法のプロであることは確かですが、プロでも間違うことはあります。
    また、裁判官だけの問題ではなく、日本の刑事裁判のシステム上、冤罪が生まれてしまう危険があるということもこの本の中には書かれています。

    著者は、裁判官が誤ってしまう理由を明らかにするだけではなく、誤らないためにはどのような工夫が必要かも具体的に提案しており、裁判官や法律を学ぶ人に限らず、これから裁判員となる可能性のあるすべての人にとって一読の価値がある内容です。
    この本を足がかりとして、自分ならこう裁かれたいと思う裁判はどんなものかを考えてみて下さい。

  • すごく興味深かった。法曹に興味が湧いたひとつのきっかけ。

  • 元裁判官で現弁護士の著者が、自身の関わった冤罪事件の経験を通じて刑事裁判で冤罪が生まれやすい原因を分析しています。日本の裁判官は抱える仕事に忙殺されて、個々の事犯を自分自身でつぶさに検証しない傾向にある為、検察官の作成した供述調書を鵜呑みにしがちなんだそうだ。また、著者は法曹一元で裁判官の民間人登用の必要性などを説く反面、裁判員制度の問題も同時に指摘しています。色々な意味で岩波新書らしい本ですが、普段はベールに包まれ盲信されがちな裁判官という存在を考えるのに恰好の良書です。

  • 元裁判官ということで期待して読んだ。
    裁判所内部の事情についてはある程度真実なのかなと。
    けど今が冤罪問題弁護士ってことで,そっち側に大分偏ってて熱すぎる感じはあり。

  • [ 内容 ]
    もし、裁判官の判断に誤りがあったら―。
    人の一生を左右する誤判、冤罪の背景には何があるのか。
    判事として再審請求事件に向き合った経験をもつ著者が、裁判官の日常生活やキャリアシステムの問題点を指摘し、さらに法曹一元化、陪審・参審制度などの司法改革が議論されている今日、裁判が市民のものになるには何が必要かを提言する。

    [ 目次 ]
    第1章 裁判所と裁判官の生活
    第2章 刑事担当の裁判官として
    第3章 再審請求を審理する―徳島ラジオ商殺し事件
    第4章 証拠の評価と裁判官―袴田再審請求事件
    第5章 「犯罪事実の認定」とは何か―長崎(痴漢冤罪)事件
    第6章 裁判官はなぜ誤るのか

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 感情論で語られがちな冤罪を冷静に分析しています。
    判別がつきづらいと思っていた痴漢犯罪も、
    意外と簡単に科学的に実証できるんですね。

  • 裁判員制度スタートに際して、その背景を知っとこうと思って読んだ本。

    一般良識を裁判に持ち込む、その考え自体がアホ臭いと思っていたけど、この流れを汲んでるなら仕方ないようにも思える。
    そういえば裁判って主観めっちゃ入るしね。
    制度自体が主観に歪められている状況で、客観的に正しい良識を発揮するのはこうまで難しいのか。


    なるほど、なるほど、しかしそれでもボクは反対です。

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