- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004308584
作品紹介・あらすじ
著者は、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊して以降、同誌の編集や著作のかたわら、東京駅、同潤会アパート、丸ビル、上野の奏楽堂など東京に残るさまざまな歴史的建造物の保存運動にかかわってきた。二〇年にわたるその活動を記録し、再生・活用するためには、どのようにしたらよいかを提言する。都区内の文化財(建造物)一覧等を付す。
感想・レビュー・書評
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2013/2/16よく知った場所が多く興味深く読ませてもらいました。★4
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建築
歴史 -
古本で購入。
地域誌『谷中・根津・千駄木』(のちに『谷根千』)で下町ブームに火を点けた谷根千工房の設立メンバーである著者が、団体の活動の中で関わってきた建物保存運動についてまとめた本。
「東京」と銘打つものの、活動地盤のある台東区・文京区が中心になっている。
古い建築物を壊すことに抵抗のない人は、その建築物がもつ文化史的な文脈やそこで繰り広げられた歴史・営みを一顧だにしない。
あるいは「役割を終えたのだから新しくして有効に使った方がいい」と、スクラップ・アンド・ビルドを「いいこと」と捉える。
利益・利便性を追求するならそれもいいかもしれないが、そうして“生まれ変わった”街の薄っぺらさと言ったらないのだ。
古い建物が消えるということは、要はその場所に積み重ねられてきた有形無形の歴史の層が消えるということ。
いみじくもタモリが言ったように「土地は記憶している」のであり、それは建物であっても同じ。
記憶を失って薄っぺらくなった街には薄っぺらいヒトと薄っぺらいモノしか集まらない。何よりおもしろくない。おもしろくない街に魅力はない。
本書で取り上げられる谷根千も上野も職場の周辺。
何気なく歩いていた街を“知る”ことでその風景の見え方が変わってくるというのは、歴史の醍醐味のひとつに違いない。 -
2013年2月16日読了。よく知った場所が多く興味深く読ませてもらいました。
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遺産を守りましょう
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地域雑誌の編集者である著者が関わった、東京の歴史的建造物の保存運動の記録。大は東京駅から小は谷中の民家まで、成功・失敗それぞれの例をあげながら、単に建物を保存するだけではなく、再生・活用して地域に生かしてゆく試みを紹介する。上野の奏楽堂や赤レンガの東京駅さえ、ひょっとしたら今頃存在していなかったかもしれないと知り暗澹となる。油断も隙もありゃしない。年表・参考文献・文化財一覧あり。
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より深い散歩を楽しむために。