ルポ 戦争協力拒否 (岩波新書 新赤版 927)

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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004309277

作品紹介・あらすじ

イラクへの自衛隊派遣、有事法制の成立-。戦争のできる国へと変容しつつある日本で、いま様々な形で「戦争協力」が進行している。戦地への出張を命じられる会社員、封じられる反戦への意志、派遣命令に苦悩する自衛官と家族など、その実態を浮き彫りにし、日本が再び戦争加害者とならないためにできることは何かを問う渾身のルポ。

感想・レビュー・書評

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  • 現代日本がいかに将来的に戦争ができるように外堀を埋めていっているかについてわかりやすく時代を追って書かれている。
    自衛隊のイラク派遣、それに伴う自衛隊・その家族の心境、自衛隊組織そのものの問題についても言及している。


    書き途中

  • ふむ

  • 吉田敏浩『ルポ 戦争協力拒否』岩波新書、読了。イラク派兵を背景に今から9年前に出版されたが、そのリアリティが増していることに戦慄する。戦争協力の強要は自衛隊員だけではない。苦悩する家族、戦地へ出張を命じられる会社員、封じられる反戦の意志等々…戦争ができる国は国民全体を巻き込む。

    ルポと銘打つように積み重ねた取材が本書の山場。自衛隊員は命令を拒否できるのか、戦地出張の実態、異論を許さない空気。「戦争のできる国」になるとは、誰もが加害者になることだ。気分でなし崩しに動くこの時代、一人ひとりの意思表示の重みが増している。

    「戦後の日本は、加害者になることでその報いとして被害者にもなるという歴史を、二度と繰り返さない道を歩むはずではなかったか」。自分たちの利益や安全のためなら、他国の人々の命を犠牲にしても「やむをえない」発想から脱却することが必要か。

  • タイトルと岩波新書から想像されるとおりの内容。

    なお、本書で擁護している立川反戦ビラ配布事件の被告は最高裁上告棄却で有罪確定。言論の自由に住居不法侵入は含まれてないので当然のこと。

  • [ 内容 ]
    イラクへの自衛隊派遣、有事法制の成立-。
    戦争のできる国へと変容しつつある日本で、いま様々な形で「戦争協力」が進行している。
    戦地への出張を命じられる会社員、封じられる反戦への意志、派遣命令に苦悩する自衛官と家族など、その実態を浮き彫りにし、日本が再び戦争加害者とならないためにできることは何かを問う渾身のルポ。

    [ 目次 ]
    第1章 戦争のできる国へ(イラク戦争と日本 日本も加害者 ほか)
    第2章 自衛隊員は命令を拒否できるか(戦地に赴く自衛隊員 覚悟を迫る国家 ほか)
    第3章 有事体制を拒否する人びと(有事法制の本質 危機感を深める労働者 ほか)
    第4章 自由にものも言えない社会に抗して(ビラ配布で逮捕 なぜかれらだけが ほか)
    第5章 戦争の加害者にも被害者にもならない(広がるイラク派兵違憲訴訟 平和的生存権 ほか)

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著者プロフィール

よしだ・としひろ
1957年、大分県臼杵市生まれ。
ジャーナリスト。
ビルマ(ミャンマー)北部のカチン人など少数民族の自治権を求める闘い
と生活、文化を長期取材した記録『森の回廊』(NHK出版)で大宅壮一
ノンフィクション賞受賞。近年は、戦争の出来る国に変わる恐れのある
日本の現状や、日米安保・密約などをテーマに取材。
著書に、
『森の回廊  ビルマ辺境民族解放区の1300日』
(日本放送出版協会、1995年:NHKライブラリー 上・下 、2001年)、
『宇宙樹の森  北ビルマの自然と人間その生と死』
(現代書館、1997年)、
『北ビルマ、いのちの根をたずねて』
(めこん、2000年)、
『生命の森の人びと  アジア・北ビルマの山里にて
  理論社ライブラリー 異文化に出会う本』
(理論社、2001年)、
『夫婦が死と向きあうとき』
(文藝春秋、2002年:文春文庫、2005年)
『生と死をめぐる旅へ』
(現代書館、2003年)、
『民間人も「戦地」へ  テロ対策特別措置法の現実
 岩波ブックレット』
(岩波書店、2003年)、
『ルポ戦争協力拒否 岩波新書』
(岩波書店、2005年)、
『反空爆の思想  NHKブックス』
(日本放送出版協会、2006年)、
『密約  日米地位協定と米兵犯罪』
(毎日新聞社、2010年)、
『人を"資源"と呼んでいいのか 「人的資源」の発想の危うさ』
(現代書館、2010年)、
『密約の闇をあばく 日米地位協定と米兵犯罪
  国連・憲法問題研究会報告 第49集』
(国連・憲法問題研究会、2011年)、
『赤紙と徴兵 105歳最後の兵事係の証言から』
(彩流社、2011年)、
『沖縄 日本で最も戦場に近い場所』
(毎日新聞社、2012年)、
『ダイドー・ブガ 北ビルマ・カチン州の天地人原景』
(彩流社、2012年)、
『検証・法治国家崩壊  砂川裁判と日米密約交渉
 「戦後再発見」双書3』
(新原昭治、末浪靖司との共著、創元社、2014年)、
『「日米合同委員会」の研究  謎の権力構造の正体に迫る
 「戦後再発見」双書5』
(創元社、2016年)、
『横田空域  日米合同委員会でつくられた空の壁  角川新書』
(KADOKAWA、2019年)、
『日米戦争同盟  従米構造の真実と「日米合同委員会」』
(河出書房新社、2019年)他がある。

「2020年 『日米安保と砂川判決の黒い霧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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