鍼灸の挑戦: 自然治癒力を生かす (岩波新書 新赤版 932)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004309321

作品紹介・あらすじ

一本のはりとひとつまみのモグサ-この極めてシンプルな道具で万病に対処する鍼灸術は、代替医療への世界的な関心の高まりを背景にあらためて注目されている。無数の流派・会派を超えて、日本各地で活躍する鍼灸師に取材し、その治療の実際、彼らの生の思想や生き方の紹介をとおして、鍼灸という伝統医療の可能性と面白さを伝える。

感想・レビュー・書評

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  •  この本は図書館で借りて電車内とカフェで読んだ。岩波新書は簡単に読むことができるので、普段はいっき読みしてしまうことが多いのだが、電車に乗っているときなど細切れの時間で本を読むと、ゆっくり読む分頭に入ってくる気がする。たまにはこうして本を読むのもいい。
     この本ではタイトル通り鍼灸について書かれていて、鍼灸師の様々なエピソードが載っていた。特に驚いたのは、片腕がない人にもともと腕があったはずの場所に針を打つと効果が出たという話だ。鍼灸師は実際に体がない場所にも経脈とそれを包み込む気の流れを感知できたというし、実際それで体温が上昇したりしているのにはびっくりした。

  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:492.7||M
    資料ID:95050012

  • 新聞コラム集という体裁がそのまま新書になっているため、節ごとにまとまりすぎていて読みにくいところがある。もう少し編集の手をいれるべきではなかったか。

  • 全国の鍼灸師の方へインタビューしたドキュメンタリーです。
    他の鍼灸関連の本と合わせて読んでいますが
    日本の鍼灸師システムは独特で特異だと感じました。

  • ところどころ胡散臭くなるが、疲労や風邪など鍼治療を受けてみたくなった。
    西洋科学も確かに根拠の薄い治療を行っているものもあるが、なぜかそれは疑わない。
    分類のうまさゆえなのだろうか。
    10年早くこの本に出会っていたらこの世界に飛び込んでいたかも。
    ただ、2時間問診はつらいだろうなと。

  • 色々な鍼灸師が知れた

  • [ 内容 ]
    一本のはりとひとつまみのモグサ―この極めてシンプルな道具で万病に対処する鍼灸術は、代替医療への世界的な関心の高まりを背景にあらためて注目されている。
    無数の流派・会派を超えて、日本各地で活躍する鍼灸師に取材し、その治療の実際、彼らの生の思想や生き方の紹介をとおして、鍼灸という伝統医療の可能性と面白さを伝える。

    [ 目次 ]
    第1章 鍼灸―自然治癒力の医術
    第2章 経絡とツボの不思議
    第3章 わざの世界
    第4章 鍼灸を科学する
    第5章 自立神経免疫療法の誕生
    第6章 お灸の里づくり
    第7章 いのちを守り育てる
    第8章 生き方の医学

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    [ 参考となる書評 ]

  • 2010.6.29 紹介

  • 鍼灸の世界は非常にたくさんの流派がありそれぞれ独自の施術の方法がある。それら日本の有名な新旧派の鍼灸師を紹介している。私の母もリュウマチを煩っていた際にこの本でもとりあげられている鍼灸師の元へ新幹線を使い足しげく通うことで普段の生活に支障が出ないくらいまで回復させて頂いた。そのような例が多数ちりばめられており、鍼灸の奥深さ、鍼により正されることで発揮される人の回復力を知ることができた。体調が悪い時にすぐ医者に駆け込んだり、薬を飲むことを考えるのではなく、どのような生活習慣でバランスが崩れたのか、どうすれば正せるのか自分の体ともう少し会話を心がけようと思う。

  • 現在日本の鍼灸界は、大きく分けて古典派と現代派に分かれます。
     鍼灸ができた頃の古い書物に源流を求め、陰陽や五行などの理論を利用して配穴するのが古典派です。それに対して現代派は、現代生理学的な知識や西洋医学的な病名で病態を分類し、主に患部を治療し、場合によっては電気などを使います。同じ身体を診て、同じ鍼という治療道具を用いても、身体の診方や、病態へのアプローチには大きな違いがあります。
     このような違いは諸先生の考え方の違いであり、一概にどちらが良いといえるものではありません。これから鍼灸治療を学ぼうとしているものにとっては、自分がどのような鍼灸師になりたいかといいう青写真を描くために、現在の鍼灸にある流派や研究会を知っておくことは大切になりますし、自分の治療技術を磨く場や、信頼できる先生を探しておくことはとても大事なことになります。また、これから鍼灸治療を受けたいと思っている一般の方にとっては、これだけたくさんの鍼灸院がある中で、どこの鍼灸院を選択したら良いのか判断がつきにくいところであります。自分が受けたい治療院を見つけるための基礎知識として、鍼灸にも流派があるということを知っておくと選択しやすくなると思います。
     この本は、それぞれに特徴を持った鍼灸家の治療体験や治療方針を、著者自らが各先生の治療を受けながら述べています。著者ははりきゅう免許を取得している方なので、その内容は的確です。そのためこの本は、治療を受ける患者様にとっては、鍼灸治療を選択するガイドになり、鍼灸を勉強している方にとっては、自分の方向性の参考になると思います。その他に、流派を問わずに、鍼灸治療の特徴やこれからのあり方、これから鍼灸治療に求められる側面などを問いかけています。一般の方にも、プロの方にも示唆が多く、現在の鍼灸を理解するとても読みやすい本だと思います。

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著者プロフィール

1945年、神戸市生まれ。国際基督教大学卒業。東洋鍼灸専門学校卒業。明治国際医療大学大学院鍼灸学専攻修了。元共同通信社編集委員。全国約80人の鍼灸師のルポ『鍼灸の挑戦─自然治癒力を生かす』で、第19回間中賞(医道の日本社主催)を受賞。『日本鍼灸へのまなざし』で日本伝統鍼灸学会創立40周年記念賞を受賞。その他、対談集『日本鍼灸を求めてⅠ、Ⅱ』、編著『柳谷素霊に還れ』、論文「『素問』宝命全形論篇の「治神」解釈と臨床像について」などがある。

「2019年 『医学・看護・福祉原論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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