「民族浄化」を裁く―旧ユーゴ戦犯法廷の現場から (岩波新書 新赤版 (973))

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著者 : 多谷千香子
  • 岩波書店 (2005年10月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004309734

「民族浄化」を裁く―旧ユーゴ戦犯法廷の現場から (岩波新書 新赤版 (973))の感想・レビュー・書評

  • 2011/07/20 読了
    高校時代のブックリストから記録

  • まずは旧ユーゴ戦犯法廷の判事としての仕事に就いた筆者に敬意を。
    取り上げられる事例は、ボスニアをめぐるセルビア人の犯罪が多い。戦犯法廷の役割はきっちり評価されるべきであろう。ユーゴ崩壊の口火をきったのは、ミロシェビィッチのセルビア主義に間違いはないにしても、民族の対立は、一面的にとらえられない。法廷の場から当時の事態を明らかにした貴重な資料となる書。

  • 法の支配の確立、日本国内においてもそれが本当の意味で確立されているのか疑わしくなることがある中、戦争地域に住む人たちにとって、国際法廷が戦犯を裁くことの意味の無力さを感じてしまう。
    起こったことを箇条書きにして整理して歴史の棚にしまう・・・
    それ以上の意味を持てるだろうか。。

  • 筆者が、裁判官であっただけ偏りがある。

    『セルビア=悪』論の印象が強い。

    導入本としては柴さんの『ユーゴスラビア現代史』がよく、
    なぜ偏りが生じるかは高木さんの『戦争広告代理店』がいい。

  • 国際機構法の授業の際に予備知識をつけるために読んだ。
    戦争にはルールがある。
    戦争犯罪とは、
    1.ジュネーブ条約の重大違反
    2.戦争法規および慣習に違反する罪
    3.人道に反する罪
    4.ジェノサイドの罪

    ボスニアのムスリム人はセルビア人に比べて一般に教育レベルが高かった。セルビア人勢力は1992年9月になるとセルビア人共和国の予定地をほとんど制して、スルプスカ共和国を樹立宣言した。

  • [ 内容 ]
    ユーゴ連邦の崩壊は、民族間の内戦を伴い、「民族浄化」という凄まじい悲劇を生んだ。そこで引き起こされた戦争犯罪を裁く旧ユーゴ国際刑事裁判所では、どんな事実が明るみになったのか。
    元判事の著者が、自らの裁判経験をもとに、「民族浄化」の真相にせまり、国際法廷の意義と限界、和解と平和建設の条件について考える。

    [ 目次 ]
    はしがき
    第一章 旧ユーゴ戦犯法廷とは何か
    第二章 ボスニア紛争への道
    第三章 虐殺はなぜ起こったか――ある被告人の軌跡
    第四章 ミロシェヴィッチの役割
    第五章 国際刑事裁判のこれから
    終章 平和は訪れるか――ボスニアとコソヴォの将来
    あとがき

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 旧ユーゴのボスニアで起きた民族浄化を、戦犯法廷の判事が解説した本。

    ボスニアでは長いこと、異民族3民族が隣り合って仲良く暮らしていた。セルビア人、クロアチア人、モスリム人。それがなぜ血で血を洗う民族浄化にまで発展していったのかを知りたくて手にとってみた。

    きっかけはセルビアの民族主義者にして当時の大統領、ミロシェビッチのプロパガンダらしい。「モスリム人が攻撃してくる」と騒ぎたて、素性も知らぬセルビア人の民兵がモスリム人などを収容所にいれたり、拷問したりして死なせたらしい。

    まあ、この手の収容所で行われることってナチスやポル・ポトがやったことと似ているから、(将軍様もかな?)その辺の説明は割愛する。

    明日が見えない経済崩壊に陥った民が、民族主義者に踊らされることってどこでも起きてるんだよなあ。そんなことがない方が珍しかったりして。日本でだって、ホームレスを公共の場から追放しようとする行政のやり方とそのホームレスを「狩って」しまうチンピラ少年のやり方ってパラレルなような気がするし。結局、異質なものを受け入れない社会ってのは弱いよ。いつ内紛に陥っても不思議じゃない。

    学校で教えないから知らない人多いみたいだけど、日本国だってアイヌを搾取し強引に配下に組み入れたんだからね。アイヌが反乱したことだってあるんだよ。

    異質なものを大切にすることって、とても大事な気がする。

  • ユーゴでどうしてあんなことが起きたのか知りたかったのだが、「裁く」話が中心。また裁判官視点というか、視座がだいぶ高いところにあるので何百年も一緒に仲良く暮らしていた隣人と殺し合った心の事情がよく見えない。よい本だが、こちらのニーズと若干ミスマッチだった。

  • 民族とは何か?
    国とは何か?
    人が生きていくうえで戦争は終わらないのか。

  • ユーゴ国際法廷、そしてICCの判事に選ばれた、多谷さんの本。前から読んでみたかったんだ。

    でも、彼女は意外と、ただの検察で、この前の法整備もだけど、やっぱり国家公務員の方が、国際的な場に出やすいんじゃないかと再認識。

    本の内容自体は、あまり法律的ではなく、ユーゴの根深い人種間対立・複雑さとか、ミロシェビッチとかの政治、「民族浄化」の実録、これからの世界における「法の支配」の希望的なことが書かれてあった。

    おもしろかったのは、戦争犯罪(ハーグ・ジュネーブ・ジェノサイド・人道に対する罪)はもはや慣習法だから、
    国際法廷で設置された罪に、遡及効があるとは言えず、罪刑法定主義に反しないってこと。
    ただ、めちゃくちゃ高いね、国際法廷って。国連の予算の10%らしい。

    あと、もっと詳しい認定部分とか、有罪確定してからどうなるかとか(執行管轄権はあるんだっけ?)、知りたかったかな。
    あと、どうやって選ぶか。犯罪者を。

  • 大学図書館
    未読

  • ユーゴ崩壊、紛争の背景が手短に分かりやすくまとめられている良書。著者が描く平和維持のための方法は、しごくドライなもので、「平和が一番!戦争絶対ダメ!軍隊ノー!」だけが平和への発想、なわけじゃない、ということを考えさせられた。

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