沖縄現代史 (岩波新書 新赤版 986)

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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004309864

感想・レビュー・書評

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  • 戦後以降、現在に至るまでの沖縄基地問題について概説する書。
    基地問題に関する本を読むのは初めてだったが、
    本書で時折指摘されるとおり「本土の無理解」は
    私にも言えることだと実感させられた。
    沖縄の方々がかくも基地問題に対して日常的に苦しみ
    戦っていたのかを知るべきだと感じた。

    ただし事態がさまざまな思惑のもとに複雑化していることもあってか
    本書自体は読みやすくはない。きちんとした理解のためには
    その他の本もあわせて読む必要があるように思う。

  •  沖縄の戦後の状況、とりわけ「返還」後の動きを中心に書いてあるのだが、まるで教科書のような、新聞記事のような、色気のない事実の羅列になっていて、ざっと読み通して数週間後にはもう全部忘れてしまいそうだ。
     しかし、基地を巡る沖縄県民のダイナミックな大衆運動の力感がすごい。本州以東の人間にとってはふだん、はっきり言って「ひとごと」になってしまいがちだが、日本の戦争のツケを一身に背負わされた沖縄のことも、やはり頭にとどめておきたい。観光地として経済的に寄与するのはいいけれど、「南の楽園」などというステレオタイプなイメージでとどまってしまうというのは、負の情報を隠蔽しようという影の動きにまんまと載せられることになるだろう。
     結局のところ、アメリカ合衆国の大戦後の戦略構想にうまく使われているだけで、どうしても追随せざるを得ない日本政府の立場というのも、まあまあわかるけれども、情けない。少なくとも、米兵による県民に対する暴力(少女へのレイプなど)に関しては、米国任せにするのではなく、日本人としても納得のいく処罰を与えられるよう、法改正できないものだろうか。前評判の高かったオバマさんも、しょせんはアメリカ右翼なのか。何がノーベル平和賞だ。
     ところで皇太子に火炎瓶投げた人や、沖縄国体で日の丸燃やした人はその後どうなったのだろう。
     その後日本全体が右傾化するほうに進み、行政による学校への「日の丸・君が代」強制など、えげつない手口が全国的に進んでいき、国民はさっぱり問題意識も持たず相変わらずのうのうと暮らしている。
     日本戦後史の暗部としての、沖縄の事実は、我々はもっと学ぶべきだろう。文部科学省はそんな姿勢は決して示さないだろうが、国民に良心があるならば、みずから学ばなければならない。
     しかし時代と共に、すべての焦点は薄れていっているような気がする・・・。

  • [ 内容 ]
    減らぬ米軍基地、実らぬ経済振興―。
    日米同盟が強化されるなか、沖縄の現実は厳しさを増し続ける。
    本土復帰以降、多くの困難に粘り強く立ち向かう人びとの闘いと、日米両政府とのせめぎあいを描いた前著に、沖縄戦から復帰まで、および米軍再編協議が進行する最新の状況を新たに加え、全面的に改訂した決定版・通史。

    [ 目次 ]
    第1章 米軍支配下の沖縄
    第2章 日本になった沖縄
    第3章 焼き捨てられた「日の丸」
    第4章 湾岸戦争から安保再定義へ
    第5章 政治を民衆の手に
    第6章 民衆運動の停滞と再生

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • =これから=

  • 戦後の沖縄の歩みを記した本。沖縄に強い興味がないとちょっと読みにくいかも・・・

  • 沖縄戦後〜現代の歩みを、基地問題に焦点を当ててまとめている。まず、知らなさ過ぎて申し訳ない、という感想。日米関係、国際社会における日本の役割、軍事問題…沖縄だけの問題ではなく、日本人としてどう考え選択するのか。著者の問いが鋭く響く。

著者プロフィール

1936年東京生まれ。東京大学文学部卒業、専攻は沖縄近現代史・社会学。沖縄大学名誉教授。
中野好夫主宰の沖縄資料センター研究員として沖縄戦後史を研究。沖縄大学教授を経て1989年まで同大学学長をつとめる。また石油備蓄基地反対闘争、一坪反戦地主会など沖縄の住民運動に参加。主な著書に『戦後沖縄史』(日本評論社)、『沖縄現代史』(岩波新書)など多数。

「2010年 『時代の求めにこたえて 武 建一対談集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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