季語集 (岩波新書 新赤版 1006)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310068

作品紹介・あらすじ

生活習慣や環境の変化に伴う季節感のずれや希薄化がすすんでいます。季語の世界にもそれが反映され、新しい季語が続々と生まれてきました。伝統的な季語に、バレンタインデー、春一番、あんパン、原爆忌などを加えて、三〇〇の季語を選び、解説したネンテンさんの読む歳時記。日々の俳句づくりに役立つよう例句・索引を付載。

感想・レビュー・書評

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  • おおむね歳時記の構成にそって、300の季語を紹介している本です。

    各項目の最後に、それぞれ二つずつの俳句が挙げられており、ひとつは古典的な句、もうひとつは最近の句があてられています。もちろん句作の手引きとしてもつかうことのできる本なのでしょうが、それぞれの季語にかんする著者の説明は、解説というよりもエッセイというべき内容で、肩の力を抜いてたのしみながら読むことができました。

    本書の「はじめに」にあたる「季語を楽しむ」という文章のなかで、「人がことさらに季節を意識するようになるのは、中年になってからのようだ。心身がやや衰えかけたとき、そのような自分の支えとして、季節を意識する」と著者は述べ、「季節の言葉、すなわち、季語を重んじる俳句への関心もその時期に生じる」とつづけています。ここには、季節を意識するようになることをきっかけとして俳句への関心が芽生えるという道筋が示されており、俳句のために季語を学ぶのではなく、季節をたのしむことの一環として俳句の世界にみちびかれていていくようなしかたで、著者の文章をたのしむことができるのではないかという気がします。

  • 【つぶやきブックレビュー】今日は冬至。美しい日本語で季節を感じて。

  • 「猫の恋」という季語があるって知っていましたか?
    他にも、「花氷」や「いわし雲」など、読むだけで季節を味わえる言葉がたくさん詰まっています!

    熊本大学:空

  • 稔典さんにはいつも春風が吹く。取り上げられた季語も何か優しい。その優しさが、懐かしい故郷を幾度となく包み込む。それこそが稔典さんの言う、【不思議な時空感覚】、「もうろく文学」としての俳句の味か。年おうほどに、噛み締める言葉に味が出る。

  • [ 内容 ]
    生活習慣や環境の変化に伴う季節感のずれや希薄化がすすんでいます。
    季語の世界にもそれが反映され、新しい季語が続々と生まれてきました。
    伝統的な季語に、バレンタインデー、春一番、あんパン、原爆忌などを加えて、三〇〇の季語を選び、解説したネンテンさんの読む歳時記。
    日々の俳句づくりに役立つよう例句・索引を付載。

    [ 目次 ]
    春(立春;光の春;春はあけぼの;木の根開く ほか)
    夏(麦の秋;リラ冷え;明易し;晩夏 ほか)
    秋(立秋;二百十日;新涼;残暑 ほか)
    冬 新年(冬;神無月;小春;師走 ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 諸所皮肉が利いていて、非常に面白かったです。

  •  俳句をつくろうと思っても、なかなか季語がぱっと浮かばないときがある。この本は、四季ごとに様々な季語が紹介されていて、とても勉強になるとともに、解説の文章を読むだけで風情を感じることができた。

  • 伝統的な季語に新しい季語を加え選んだ300の季語を解説。読む歳時記。カタカナ語がたいぶ増えた、バレンタインデー、サーフボート・クリスマス・ブルーヘイズ等・・・

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著者プロフィール

1944年4月22日、愛媛県伊方町生まれ。
2023年6月、ブログ「窓と窓」を中心に晩節の言葉を磨く場として「窓の会」を結成、主宰する。俳諧・俳句のコレクション「柿衞文庫」の理事長。市立伊丹ミュージアム名誉館長。大阪府箕面市在住。

「2024年 『リスボンの窓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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