地中海: 人と町の肖像 (岩波新書 新赤版 1015)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310150

作品紹介・あらすじ

歴史家、聖者、予言者、画家…地中海をとりまく世界を生きたとびきりの人物十二人を選び、二人を一組として、時を超え、地域を超えて交錯するその軌跡を描きだす。五千年にわたっていくつもの文明を育んできた地中海の輝きから読み取れるものはなにか。人とトポスを凝縮して語る、歴史エッセイの妙を味わっていただきたい。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/705599

  • 多分15年以上積読の森に放置していた気がするのですが、やっと読みました。地中海という広くて歴史のある空間をテーマごとに二人の人物を取り上げて見ていくもので、切り口が斬新で面白いです。ローマ帝政期の聖者から活版印刷の関係まで飛んで行ったり、この話の広さに樺山先生らしさを感じました。

  • ふむ

  • KK1f

  • 200ページ余の新書であるが、地中海世界についての知的好奇心を掻き立てる一冊です。イブン・ハルドウーン、イブン・ルシュド、マイモニデス、など未知の思想家の面白さを知ることができました。

  • 地中海の文化の歴史的および地理的な多様性を、6つの視点からエッセイふうに語った本です。

    著者にはすでに『地中海の誘惑』(中公文庫)という著作があり、本書はその姉妹編にあたるような内容となっています。本書では、「歴史」「科学」「聖者」「真理」「予言」「景観」という6つの章が用意されていますが、各章に二人の人物がとりあげ、その対比によってそれぞれのテーマがもつ広がりを示しています。

    各国の通史によってはなかなか見えてこない、地中海を舞台とするさまざまな歴史的な事象の交錯するさまをかいま見ることができたように思います。

  • 第1章 歴史:巡歴のかなたに見たもの
    第2章 科学:アレキサンドリアの灯火
    第3章 聖者:造作される修行イメージ
    第4章 真理:ふたつの世界が響きあう
    第5章 予言:厳粛な思索と表現により
    第6章 景観:眺望にあたいする都市へ

  • w

  • 地中海世界を題材にした歴史エッセイ。

    地中海世界と呼ばれる地中海沿岸の地域は、古代より多様な民族と数多くの国家が幾多のドラマを織り成してきた舞台です。
    また、その文化の融合の中から各分野ですばらしい才能が開花しています。

    この本では、歴史、聖者、科学などの6つの分野から興味深い人物を2人づつとりあげて紹介する手法をとっています。

    本当に面白い歴史エッセイで、特に地中海世界の歴史に興味を持っていた私にとっては大当たりの一冊でした。
    特に各分野で異なる2人の人物を紹介する手法は、各人のユニークさを鮮明にするうえで非常に効果的であったと思います。

    西洋史や地中海世界に興味がある方は必読の一冊ではないでしょうか。

  • [ 内容 ]
    歴史家、聖者、予言者、画家…地中海をとりまく世界を生きたとびきりの人物十二人を選び、二人を一組として、時を超え、地域を超えて交錯するその軌跡を描きだす。
    五千年にわたっていくつもの文明を育んできた地中海の輝きから読み取れるものはなにか。
    人とトポスを凝縮して語る、歴史エッセイの妙を味わっていただきたい。

    [ 目次 ]
    第1章 歴史:巡歴のかなたに見たもの―ヘロドトスとイブン・ハルドゥーン
    第2章 科学:アレクサンドリアの灯火―アルキメデスとプトレマイオス
    第3章 聖者:造作される修行イメージ―聖アントニウスと聖ヒエロニムス
    第4章 真理:ふたつの世界が響きあう―イブン・ルシュドとマイモニデス
    第5章 予言:厳粛な思索と表現により―ヨアキムとノストラダムス
    第6章 景観:眺望にあたいする都市へ―カナレットとピラネージ

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著者プロフィール

 印刷博物館館長。東京大学名誉教授。専門は、西洋中世史(フランス中世史)、西洋文化史。
 1941年東京都生まれ。1965年東京大学文学部卒業、1968年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1969年京都大学人文科学研究所助手。1976年東京大学助教授、1990年東京大学教授、2001年退官。この間、文学部長(1997年4月〜1999年3月)、史学会理事長(1999年6月〜2001年5月)を歴任。2001年国立西洋美術館館長を経て、2005年10月より現職。2005年紫綬褒章受章。
 東京大学在学中は、日本における西洋史学研究について、その文明史的な存在意義を主張して西洋中世史研究の「中興の祖」とされる堀米庸三の下でフランス中世史を学ぶ。12世紀中葉からの北フランスに勃興した大聖堂などの宗教建築様式で知られる「ゴシック」を生み出した中世思想をテーマとして研究者歴を刻む。次第にその後、研究領域を西洋文化史全般へと移行させていったことから、おのずと対象とする時代も拡張されて近世・近代にもおよぶ。風土や町、身体や美術、とりわけ絵画などを題材とすることにより、斬新な視点から西洋史の読み取りに挑戦していく。こうした新しい歴史記述の試みは、その平明な記述とあいまって、研究者だけでなく多くの一般読者にも支持されている。

「2015年 『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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