小説の読み書き (岩波新書 新赤版 1024)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310242

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤正午さんが、色々な作家の著書を読み、感想を書いていく一冊。自分の著書を自ら分析していくというのも面白い試みだと思った。取り上げられた本をじっくり読んでから、是非再読したい!

  • 佐藤正午「小説の読み書き」読んだ、可笑しかった http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0606/sin_k308.html … 小説というより文体の評本。主語が途中で入れ替わるねじれ文や文末に主語がくる自意識過剰文とか熟語多用の文とか、いちいち評が可笑しくてかつ評文がパロディみたいになっているのも可笑しい(つづく


    あと連載当時の事実認識の間違いや版違いによる引用文の差異への言い訳がいやにくどくどしているし、担当編集者とのやりとりも可笑しい。古典名作ばかりを扱うことになった経緯もとっても可笑しい。初佐藤正午(近所のバーの常連さんから借り読み)だったけどこの人の他の本を読んでみようっと(おわり

  • 小説や文章の解説、というよりは現役作家による感想文、という印象を受けた。

    堅苦しさもなく、話題にされているのは有名な小説ばかりなので楽しんで読めた。

    筆者のユーモア溢れる感想文の数々を面白がりながら読むのがこの本の正しい読み方だと思う。

  • 佐藤正午という小説家が読んだ本について小説家的に語るというものだが、評論家ではなく小説家だというところに面白さがある。取り上げられている小説は歴史的な著名作家の小説ばかりだが、佐藤正午はある意味自分勝手に好き勝手にこれを題材として書いている。本の解説でもないので、これを読んだからといってその小説がわかるわけでもなく、私自身はこれらの小説をほとんど読んでいないか忘れてしまっているが、佐藤正午という作家の面白さがよく出た本になっていると思う。

  • ちょっと古い小説を読むためのガイドブックとして最高です。

  • [ 内容 ]
    小説家はどんなふうに読み、また書くのか。
    近代日本文学を代表する小説家たちの作品を書き写すように読み解きながら、「小説の書き方」ではない「小説家の書き方」を、小説家の視点から考えるユニークな文章読本。
    読むことは書くことに近づき、読者の数だけ小説は書かれる。
    こんなふうに読めば、まだまだ小説だっておもしろい。

    [ 目次 ]
    川端康成『雪国』
    志賀直哉『暗夜行路』
    森鴎外『雁』
    永井荷風『つゆのあとさき』
    夏目漱石『こころ』
    中勘助『銀の匙』
    樋口一葉『たけくらべ』
    三島由紀夫『豊饒の海』
    山本周五郎『青ベか物語』
    林芙美子『放浪記』
    井伏鱒二『山椒魚』
    太宰治『人間失格』
    横光利一『機械』
    織田作之助『夫婦善哉』
    芥川龍之介『鼻』
    菊池寛『形』
    谷崎潤一郎『痴人の愛』
    松本清張『潜在光景』
    武者小路実篤『友情』
    田山花袋『蒲団』
    幸田文『流れる』
    結城昌治『夜の終る時』
    開高健『夏の闇』
    吉行淳之介『技巧的生活』
    佐藤正午『取り扱い注意』

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ★★★★☆

  • 小説家の読書コラム。本人の小説は未読。
    重箱の隅をつつくような話が多いけど、書いてる方もそれに意識的だし、個人的にも読み方として共感するところがあるから楽しめた。
    あとがきで、現在活躍中の作家についても書く構想があったけど、ヤバイからやめたという様なことを語っていた。とすると、評論家ってのは絶対小説書けない仕事なんだな。

  •  もとは岩波の「図書」に連載されていたもの。
    小説家と云う人間が,小説をどう読むか,ということで、近現代の小説家の作品を俎上にあげ、最後に自作を解説して見せた。

     ということで、これは作品評ではない。あくまで小説家と云う職業柄、作品の気になる一節を、何故気になるのか,それはどうしてか等という切り口で語ったものだ。一種の文章(文体)読本。

     勿論,小説を書いている人間には随分ヒントになるものだろうし、また並みの書評じゃないとみても、なるほどこういうこだわりもアリか、と興味深いことだろう。
     しかしまた、酒間の歓談としてもこういうことをやる場合が多いことだろう。どうにでも読め,どうにでも考えられる面白さがある。

     取り上げた小説は次のとおり。
    川端康成「雪国」志賀直哉「暗夜行路」森鴎外「雁」永井荷風「つゆのあととさき」夏目漱石「こころ」中勘助「銀の匙」樋口一葉「たけくらべ」三島由紀夫「豊穣の海」山本周五郎「青べか物語」林芙美子「放浪記」井伏鱒二「山椒魚」太宰治「人間失格」横光利一「機械」織田作之助「夫婦善哉」芥川龍之介「鼻」菊池寛「形」谷崎潤一郎「痴人の愛」松本清張「潜在光景」武者小路実篤「友情」田山花袋「蒲団」幸田文「流れる」結城昌治「夜の終わる時」開高健「夏の闇」吉行淳之介「技巧的生活」佐藤正午「取り扱い注意」

  • 2006年6月26日購入。
    2017年6月7日読了。

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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