溥儀―清朝最後の皇帝

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著者 : 入江曜子
  • 岩波書店 (2006年7月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310273

溥儀―清朝最後の皇帝の感想・レビュー・書評

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  • 溥儀の簡便な評伝。生涯にわたって「父なるもの」の庇護を求め続けた「永遠の少年」としての溥儀を描く。自伝『わが半生』を先に読んでいると何ともほろ苦く感じられる挿話も多い。時宜に応じて権力者の求めるところを察知し実践してみせる溥儀の生き方を狡猾さとか小心さと片付けてしまったらあまりにも不毛だ。数奇な運命を必死で泳ごうとした溥儀に寄り添う著者の姿勢には共感できた。
    『わが半生』執筆から世を去るまでの様子がわかったのは有難かった。文革の災禍と病とに苦しめられた最晩年は辛かったろうけれど、彼は人格を破壊されることなく生涯を閉じられた。傑出した人物ではなくとも、この過酷な運命をやり過ごす天分に恵まれていたのだろう。
    著者の熱意が迸りすぎているのか文章がどうも読みづらいのが難点。飛躍が多い。ただわかりにくいのは溥儀の特殊な人間性によるものなのかも。こんな人生を強いられたら私なら気が狂ってしまう。溥儀はやはり凡人の理解を超越したところにいるのだ。

  • 天子蒙塵の副読本に最適。

  • 代理、モック、ダミー……。仮りに魯迅「阿Q正伝」と本書を比較対読しても理解が及ばない歴史の闇をおもう。私個人の回想は「以下略」としてここに書かない。図書館本。140

  • 【資料ID】16378
    【分類】289.2/I64

  • ラストエンペラー溥儀の生涯を概説する一書。
    本全体から全体的にそっけない印象を受けるが内容は分かりやすく
    溥儀の入門書に適している印象を受けた。

    溥儀の心情を様々な資料から読み解くが、
    あまりに極端で非日常的な環境下における人物の心情であり
    正直うまく消化しきれていない。
    著作が多数発行されているとのことなので、
    こちらも合わせて読んでみたいと感じた。

  • 「ラストエンペラー」で有名な溥儀の一生を、溥儀の自伝「我が半生」への批判を取り入れつつ、ある程度小説チックに紹介した1冊。事実は小説より奇なりを地でいったような溥儀の人生は、ただただ圧巻です。清朝の皇帝として生まれ、廃帝となり、日本の皇族と兄弟関係になり、戦犯として裁かれ、最後は時計仕掛けのオレンジのように「改造」される。平和ボケしている自分の人生を見つめ直したくなるような伝記です。

  • 日本の第2次世界大戦の敗北により、日本の傀儡国家であった満州国の皇帝溥儀は、東京裁判での日本の敗れてなお寛容を欠き、傲慢ですらあった姿勢や中国で漢奸裁判で国家の裏切り者として裁かれるのが判っているのにもかかわらず、「弟のごとく親しまれた」天皇家から慰めの一言すらも無かったことで大いに傷つき、日本人を嫌悪するようになったのである。

  • [ 内容 ]
    三度皇帝となり、後半生は「人民」として生きたラストエンペラー溥儀(一九〇六‐六七)。
    三歳で清朝最後の皇帝として即位、辛亥革命後の張勲の復辟による二度目の即位、満州国の「傀儡」皇帝、東京裁判での証言、戦犯管理所での「人間改造」、自伝『我が前半生』の執筆、文革中のガンとの闘いなど波瀾に満ちた数奇な生涯をいきいきと描く。

    [ 目次 ]
    第1章 近代化の波のなかで
    第2章 紫禁城の虜囚
    第3章 天津日本租界で
    第4章 日本への失望と期待
    第5章 傀儡皇帝としての日々
    第6章 シベリア捕虜収容所時代
    第7章 人間改造という実験
    第8章 北京での後半生

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • この人の生涯と文革に衝撃を受けた。というか自分が全然知らなかったこと自体も怖い。

    「紫禁城」をとても面白く読んだのでこちらも手に取ったけど、清朝の歴史、と、その最後の皇帝の生涯、だと重さに違いがあるのは当たり前だった。筆者の好きなところでもある適度なドライさと距離感と、ほどよくドラマチックで冷静な心理描写が読んでいてしんどかった。密度という意味で。

    同情でも攻撃でもない、ただしく言葉通りの批評というか、そういう筆者自身の視点は全然邪魔ではなくてむしろそこが読みがいがあるんだけど、とにかくしんどい。この人の人格というか歴史背景というか、は、気軽に手を出すと自分では飲み込みきれない。やたら小難しいわけでもないんだけども。

    次に読むときは「わが名はエリザベス」。

  • ・満州国は五族共和(日、満、漢、蒙、朝)を掲げ、新5色旗を使っていた。
    ・溥儀は自分のことを「翻弄されたトランプのキング」と言った。
    ・「私の人生で辛かったのは清朝の皇帝時代、最も辛かったのは満州国の皇帝のころであった」
    ・北伐=北洋軍閥打倒戦争の略
    ・孫文が中華民国(華南中心)の臨時大総統に→清室は鎮静化のため袁世凱を派遣→袁は裏切って孫文と手を結ぶ(清帝の退位と共和制への移行を条件に袁を臨時大総統にする)
    ・袁世凱の専制と、宋教仁が作った国民党弾圧に反抗=第二革命 →その後、孫文が東京で中華革命党を結成し、袁の事実上帝政に対抗していく。

    溥儀は清朝再興のために関東軍を利用し、関東軍も満州の地を得るため溥儀を利用した。(溥儀は親日になってるからね。日本が亡命を助けたわけだしね。

    以上。2つの国の皇帝を経験した男の物語でした。

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溥儀―清朝最後の皇帝の作品紹介

三度皇帝となり、後半生は「人民」として生きたラストエンペラー溥儀(一九〇六‐六七)。三歳で清朝最後の皇帝として即位、辛亥革命後の張勲の復辟による二度目の即位、満州国の「傀儡」皇帝、東京裁判での証言、戦犯管理所での「人間改造」、自伝『我が前半生』の執筆、文革中のガンとの闘いなど波瀾に満ちた数奇な生涯をいきいきと描く。

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