アジア・太平洋戦争: シリーズ 日本近現代史 6 (岩波新書 新赤版 1047 シリーズ日本近現代史 6)
- 岩波書店 (2007年8月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004310471
感想・レビュー・書評
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新 書 IS||210.75||Yos
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『先の大戦をアジア・太平洋戦争と呼ぶ。』戦争責任に対する日本国民の考え方については、合点がいった。事変とか事件って言葉を使うことで本質が見えにくいって感じるところは未だに大きいと思う。
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[配架場所]2F展示 [請求記号]080/I-3 [資料番号]2007107636、2008101319
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戦後へと連なる国民意識の変容、底流に触れた後半部分が興味深い。この時代を経て、この時代の前から、戦後の日本が始まっていたのだな。
あとがきで、著者は思い入れが強かったと自省的に述べているが、私はその立場を好ましく感じる。軍部の分析で、国民の意識が離れていくことを指摘したものがあるのが、意外であった。天皇の立場も、絶大なのに、濫用したとまでは言えないように思う。遺骨の問題への言及もナイーブなだけに興味深い。なんともできなかったんだろうな。
まぁ、ひどい戦争だったんだな。総力戦のもろさを露呈している。なにかの目的だけに、これだけの国民を十全に活用、運用することはできないのだろう。戦後、社会主義国でも同様だったが、ナショナリズムを含めたイデオロギーの目的化は破綻する。
あと、この時代にも株式市場が当たり前のように機能していたことが驚き。
・臨時軍事費による軍備拡充のため、戦争を回避できなかった。
・軍隊では一般社会のことを「地方」と呼んだ
・戦時日本の経済の悪化ぶりはドイツを上回る。アメリカは好景気に。これが戦争国家アメリカの意識を作った側面もある。
・徴用令書は「白紙」と呼ばれていた。
・日本の捕虜政策の際だった非人道性
・餓死率60%
・軍関係者の闇買いのすさまじさ
・闇の全面的受容は、戦後民主主義の歴史的前提である、私生活の充実、公からの離脱を隠然と作り出していた。
・各国の死者数。フィリピンが110万人と多いのに驚いた。 -
教養ー導入ゼミの先生が記している本。
あまりイデオロギーはあわないけれども、
事実を丁寧におっている気はする。 -
今の時期に読むのはなかなかよかったと思う。
自分の中で改めて戦争について興味が湧いたのはよかった。 -
コンパクトにまとめられているが、中味は濃い。