地域再生の条件 (岩波新書)

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著者 : 本間義人
  • 岩波書店 (2007年1月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310594

地域再生の条件 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

  • 都市・住宅政策等の研究者による書。まず率直に、学者が書いた本とは思えませんでした。参考文献がないこと、著者の主観による意見なのか、先行研究からの引用なのか判然としない箇所が多い、論理構成の裏付けのないままに結論を述べている点が散見されることから、本書の内容をそのまま受け取ることはできないものです。

    ただ、地域が衰退して行く中における、高齢者政策、まちづくり政策、農業政策等の各政策分野において、各市町村の先進事例を紹介している点は、参考知識が得られるという点においては評価できると考える。ただ、著者の主張につなげるために便宜的に事例として引用している可能性も否定できないとは思いましたが。。。

  • ・ハード面で整備作りはもはや効果をなさない
     (林道整備・ハコモノの設置)
    ・地方の実情を無視し中央集権的・画一的な地方整備計画を目指した国総(国土総合開発計画)や中央政府の政策上の誤り・誤謬に最大の原因は求められる。

    ・過疎沿線の電車、バスも一種の福祉とみれば維持する必要がある。

    <国より先行している地方自治体>
    ・農協の先進例→日田市大山地域
    ・「福岡県農業・農村振興条例」
    ・福岡県の黒木町の実情→スローライフエリア

    ・グランドデザインの策定は行政ではなく議会の場でおこなうべき
    ・人間一人一人が生きられるような地方自治体が必要不可欠。地方の農村だけでなく小都市や大都市でも「生きにくい地域」が出てきている。
    ・行政・住民が一体となって積極的に行動していく。

  • 地域の自律と自立、国の地域づくり干渉を止める、この2点が本書の骨子で、そこから、国の施策に従っていても地域活性化には繋がらないと、国の施策に反旗を翻します。

    ん~、悪くなはいんですけど、今一つインパクトに欠けるというか、頭に残らないです(笑)
    市長のリーダーシップが必要なのか、住民の行動力が必要なのか、とりあえず地域の衰退に危機感を持った人達が集まらないことには始まりませんが、スタンスとしては、市職員はハード整備までしかできないのが限界で(著者はハード整備だけでは意味がないと役所仕事を批判していますが、実際上役所仕事としてはハード整備までしかできないでしょう)、じゃあ誰が音頭を取るのか、というのが課題です。本来なら権力のある市長が手腕を振るうべきですが、その立場にありながら町のビジョンを明確にできないし、いくら民意で選ばれたとはいえ、ともすれば市長の独断専行で偏ったまちづくりになってしまう危険性がある……ということで、やっぱり一筋縄でいくわけがなく、だから成功事例を模倣する自治体が増えるわけです。

    住民主体のまちづくりには半分賛成・半分反対です。というのも、町というのは、その町一つで完結するようなものではないからです。他者と関わってこその個人、それと同じように、近隣市町村や観光客と関わることで一つの個性が磨かれると思うので、住民主体は良いのだけれど、排他的にならないように注意しなければなりません。

    本書は一般向けに書かれていますので、それはそれで良いのですが、本書よりもディープな『地域再生の罠』の方が尖鋭的で面白いです。僕の評価はAにします。

  •  国の国土計画に従順に従っている地方の自治体は、このままでは地域の再生を図ることは不可能である。地域の再生には、住民がその地域をよくしていくという強い意志と行動が必要だ、という内容。地域再生の条件ごとに、その事例が述べられている。
     この本では、地域格差が広がり多くの地域が衰退している原因を、国の場当たり的な政策であるとしている。しかし、それだけが地方衰退の原因とは言えないのではないか。もう少し、地域が衰退した原因を深く考えられる内容であるとよかった。

  • 疲弊した地域と、再生への道を歩む地域の具体例を通じて、日本各地で起こっている現状を洗い出す。

  •  地域を再生するには、何よりもまず住民の力が必要なのだというのが著者の主張。様々な成功事例が紹介されてる。バリアフリー都市を目指す自治体、日本では衰退してしまった林業を再生させようと工夫を凝らす自治体、貧乏な自治体だって、やろうと思えば色んなことが出来るんだと実感。
     この著者、あんまり資本主義が好きじゃない感じだけど、地方に対する愛情はかなりあるんだと思う。でも、もう少し経済的な問題も意識した方が良いのでは…。

  • 請求記号・601.1/Ho 資料ID・310003875

  • 地域再生というと住民のエネルギッシュな取組を紹介している本が多いが、この本はまず国の開発主義の国土計画・リゾート構想などの失敗を指摘している。阪神大震災の教訓から、住民が避難できるオープンスペースの確保、木造家屋密集地帯の改善などを提唱し、不採算で廃線となったローカル鉄道の復権や、ノーマライゼーション(バリアフリー)などを通して、まず基本的人権が保障された地域を作ることに「公」の意味を認めている。「地場産業」・「環境保護」・「住民参加」などの失敗例・成功例も比較的細かく報告されている。なかでも大事なのは住民参加、「ヨコならびでない地域」を作ることだという。「ヨコならび」の発想は中根千枝などが指摘しており、なかなか抜けないものであるが、数多くの事例をみれば、「わが道」を行くことは可能である。

  • 真の地域再生とは何か?それは、住民が幸せに生活できていることである。

  • [ 内容 ]
    少子高齢化や過疎化などを背景に、多くの地域が衰退しているなか、自治体と住民が知恵を出し合い、個性的なまちづくりによって活性化に成功している地域が存在する。
    これまでの地域政策の問題点を明らかにし、地場産業の復興、持続可能な地域づくりなど、地域が真に再生するために必要な条件を、豊富な事例を示しながら提言する。

    [ 目次 ]
    第1章 なぜ、地域再生なのか
    第2章 人権が保障された地域をつくる
    第3章 地場産業で生活できる地域を作る
    第4章 自然と共生し、持続可能な地域をつくる
    第5章 ヨコ並びでない地域をつくる
    第6章 住民の意思で地域をつくる
    第7章 地域再生に向けて

    [ POP ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 2011.4.29 なぜ、地域が疲弊しているのか。地域活性化の成功例や地域再生の処方箋について書かれている。個人的には強く印象には残らなかった。 

  • 地域間格差は広がる一方で地域は再生できるのか。「地域を再生させるために第一に掲げるべき目標は、そこに住み、暮らす、すべての人々の人権が保障された地域をつくること」というのでは、あまりに岩波新書的。確かに国や自治体の政策の失敗もあるだろう。あるべき地域を目指して取り組み続けることも必要だ。
    でも、東京や大阪が崩壊して人々が地域に移ってこない限り地域の再生はないような気がする。

  • 地域再生の事例集みたいなもの。
    結構読みやすく、地域政策を学びやすい。

  • 正直この本を読むまで小泉内閣の三位一体改革をはじめとする近年の政府による地域政策が地域をこんなにも痛めつけているとは思ってませんでした。
    経済発展の段階で自然環境が破壊されまくってきたことは想像してましたけど。
    この本ではその中でも頑張って自立に向けて頑張ってる地域や、自然再生に取り組んだ地域などを例に地域再生の条件を論じている本です。
    経済・政治の地方化を考えたい私にとっては面白い本だったし、例としてあげられてる地域に足をはこんでみたいなぁと思いました。
    何か途上国の開発については勉強してきたけど、結局日本だろうとアフリカだろうと同じなんだなーと思いました。

  • ・地域の再生は地域の意識と意欲
    ・最小限の条件としては地域にしかない資源と環境を生かしたものではなくてはならない
    ・ヨコ並び
    ・市町村自治体がとるべき選択肢は、これらに縛られることはなく、「わが道をいく」ことしかない

    地方分権は進むのだろうか?
    その答えは地方自身にあるのではないだろうか?
    いままでは国が作ってきた方針を全国一律に進めてきた。
    それぞれの地域に実情は異なるのに関わらず。
    独自で活性化に取り組むところも多くある、一方で取り組めていないところのほうが多くある。
    地方議会と国会議員との関係、行動力と先見性のない首長たち。
    国が法令と補助金によって既得権を保持しつつけることで弊害をそろそろなくして欲しい。
    できるだけ足枷なく動けるようにヒモ付きを外して欲しい。

    そして、言葉だけの住民参加という行政ではなく、様々なところでワークショップや構造改革特区に参加してほしい。

    本の感想というよりは、地方分権に対しての所見になってしまった。

  • 本書の中で筆者は「何のために地域再生をするのか?」と問いかけているけれど、本書の内容に対してもその言葉を投げかけたくなった。

    大型店が進出し商店街が衰退し、地域全体が衰退しきった後には大型店もいなくなってよりいっそう暮らしにくい町になる-
    田舎の川や、道路など自然がコンクリート漬けにされている-
    このように昔の活気ある都市や美しい自然がなくなるのは悲しいことだ-

    でも、それが地域再生の理由にはならない。
    2番目のことについて(は、地域住民からすればありがたいことじゃないなかと思いました。(農業後継者もいなくて使わなくなった用水路を整備することで、清掃管理なんかをする必要がなくなるから)

    それから住民主体が求められているけれど、今問題なのは「住民の主体性をどう育成するか、現在関心がない住民をどう巻き込んでいくか、また外部からも呼び込んでくるか」てことではないかと思いました。
    住民に主体性・積極性があることを前提としてはならない。

  • 本書は都市政策や国土・地域政策の専門家であり長く研究活動を行ってきた著者が自ら行った豊富な事例研究を基に「地域再生」について考察している一冊。

    著者が本書の課題として挙げるのは、タイトルにも表れているように地域再生の条件を探ることであるが、その前提としてまず、そもそも地域が衰退・荒廃するに至ったのは何故かという問題について、過去の地域政策や地域自らが実施してきた政策を反省しそこから教訓を得なければならないとする。

    この前提部分に関して筆者が強調的に述べるのが従来の国の地域政策の失敗であり、それは第一に国土計画の失敗であり、第二に第一次産業政策の失敗である。

    「国土の均衡ある発展」の名の下に地域の特性を無視した画一的な政策を取ってきたことが地域衰退の最大の原因であり、地域が自ら課題解決する姿勢を失った原因であるとする。

    この前提に立った上で、今後地域が再生していくために必要な原理・原則として筆者は4つを掲げる。それは
    ①全ての人々の人権が保障された地域であること、
    ②人々がその地域の仕事で生活しうることを再構築すること、
    ③自然と共生しうる地域を再生すること、
    ④国に主導されて地域を作り直すのではなく、そこに住む人々により再生を図ること、
    である。

    筆者はこの原理原則のうちで④が一番重要であり、住民の意識向上が地域再生最大の鍵であるとしている点は他の多くの議論と同様である。

    ただ、地域再生のための原理原則は全てを達成しなければ地域再生が成らないのではなく、地域の実情に合わせてプライオリティをつけることが肝要としている点はある程度現実的な感じを受けた。


    本書の後半に多く分量が割かれている事例紹介も上述の原理原則に従って章分けされているので、各人の関心によって読みやすいものとなっており、自身の問題関心を確認するのにはとても良かった。

  • 地域の活性化、そこにある資源を最大限生かし、かつそれが持続することだよね。これは地域経営ゼミでも言われたし、他のどの地域活性化の本を読んでも書いてあること。


    本書では、人権・地場産業・自然・脱横並び・住民主体…など様々な角度から、『地域再生』を試みた事例を紹介している。一般論→具体論って流れだからイメージがわきやすいかなぁ??


    特に『人権』という切り口から街を考えているところが、本書の特徴というか他ではあまり取り上げられていなかったから、興味深かったなぁ。
    医者のない地域に人は住めない。交通網が発達しなければ満足に医者にかかれないしね。


    そして地域再生っていうと、都市部の人間は他人事のように感じるかもしれない。…けどそうはいかないんだなー!都市部も問題なんだな。

    整理されていない路地裏は災害が起きたら非常に危険。
    東池袋が取り上げられていたけど、墨田区の北部もまさにそうだよね。

    ただ路地裏も地域コミュニティ形成には大きな役割を果たしたから、路地を壊せばいい、とは一概に言えないのだよね。

    地域活性化は何か考え出すと止まらない…

  •  以前に紹介した「地域の力」よりも、やや硬く書かれているけれど、この本も、論点は「地域再生」「地域活性化」など「地域をどうしていくか?」についいて、各地の事例を紹介しながら書かれている本。

     本書の題名になっている「地域再生」、正直、自分はあまりこの言葉が好きではない。トップダウンのようなニュアンス・響きを感じるから。どの地域だって、少なからず今よりも良くしようって取り組んでいるわけですから。

     自治体の事例として、一番の鍵だと思います。となると、本書で出てくるユニバーサルデザイン、地域資源、地場産業、地域のブランド化といった取組が紹介されている。ただ、本書の視点はどちらかというと、行政サイドの視点から見た新たな取組みであったり、既成概念にとらわれない取組みが主眼でかかれている。

     そういう取組を見ていて思うのは、 今の「地域再生」で行われている「地域から色々なメニューを出して下さい、補助金や新たな地域債を出しますから」というスタンスよりも、「地域自治体が頭や知恵を絞っているけれど、やろうと思っていることが実は国の制度的・法的な縛りがあってなかなか実行できないから、変えてください」といって、下から上に対する申し立てに対して、上が認めていく・緩和していく方が、よっぽどうまくいくんじゃないかと思う。

     本書で出ている事例を見ていると、「既成概念にとらわれない地域からのアイディア勝負」がこれからの自治体に問われていることのような気がしました。

  • 地域をいかに価値のあるものにするか。

    資源としての観光名所。
    資源としての名店・老舗。
    資源としての著名人。
    資源としての市民。

    県や市主導ではなく、
    商工会議所や商店街、組合などの地域市民主導で行うべき。

    行政に問題はたくさんあるし、改善すべき点が多いけれど、
    一番の急務は、地域としての教育。
    地域が好きになるような、
    自分自身が地域に魅力を感じれるような、
    そんな教育の必要性を感じた。

    本文では成功例や失敗例、時系列での行政の功績・負の遺産等・・・

    どうやって直せばいいか分からないものをこれ以上壊すのはやめましょう。

    共同体の再構築がこれから始まる。

  • つまんなかった。。(;´Д`)

  • 地域再生にはただひとつの正解はない。大事なのは他に流されず、自らの地域を知り、住民の意見を尊重し、要するに自分の地域に目を向け続けることなのだと思う。
    http://d.hatena.ne.jp/hachiro86/20070424#p1

  •  第一次産業の地域では過疎化、産炭地は荒廃。今、都心では中心街が空洞化している。地域開発計画が、霞ヶ関を頂点とした官公庁の官僚・役人によって立案され、短期間の人事異動サイクルで交代するシステムのもとで、計画策定と計画実施に「責任を取るものがいない」と、著者は指摘する。
     手法はいろいろあって、成功例も数少ないが、そこに共通するものは、地域住民が参加し、知恵を結集。「横並び」ではなく、オンリーワンの施策が成功しているという。しかし、「焼酎特区」のように成功する地域が出てくると、たちまち他の地域が真似る。これでは、「横並び」であって「共倒れ」を結果するーと、国民性を指摘する。
     「地域再生」。多くの人が関心を寄せている。政治家が経済人が、声高に叫ぶわりには、永続性と成功例に乏しい。環境、健康、文化、民度。地域再生の新しいキーワードなのかも知れない。
     読んでいるうちに、チャンレンジしてみようかとの気持ちを抱かせる点で、一読をお勧めしておく。

  • ざっと斜め読み。
    いかにも評論家らしい内容の一冊。
    だったら自分やってみたらどうか?
    知識をたかめるための一冊。

    2007/03

  • 都市と地方の格差が広がっている現在、一体どのような形で地域を再生していけばいいか書かれた本。武蔵野市の実例なども書かれている。

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