「悩み」の正体 (岩波新書 新赤版 1068)

著者 :
  • 岩波書店
3.02
  • (2)
  • (15)
  • (62)
  • (15)
  • (1)
本棚登録 : 248
感想 : 42
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310686

作品紹介・あらすじ

「嫌われるのがこわい」「働いても生活できない」「まじめに生きてきたのに」…。競争が煽られ、効率性が求められる一方で、「場の空気」を読むことも要求される。心の余裕がどこか失われた現代社会の中で、人々の抱える「悩み」の中身も変わってきている。現代人の「悩み」の背景を丁寧に解きほぐし、どう向き合うかを考察する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • やりがいや自分らしさとは、その人が今置かれている状況によって大きく変わるもの。
    この部分にはとても共感した。
    自分を含め、今の若年層はネットを使って多くの人に関心を持ってもらえる機会が増えた。
    だからこそ、就職してコツコツ仕事を覚えて一人前になるまでの努力が無駄のように思えて仕方がないのかもしれない。
    やりがいなんてものはあまり考えず、まずはがむしゃらになることが大切だと感じました。

  • 本の紹介より

    競争が煽られ、効率性が求められる一方で、「場の空気」を読むことも要求される。心の余裕がどこか失われた現代社会の中で、人々の抱える「悩み」の中身も変わってきている。現代人の悩みの背景を丁寧に解きほぐし、どう向き合うかを考察する。


    人の心のありようと社会の在り方は、確かに密接に関係していると思います。「新型うつ」などの解説してきた香山さんが、過去では個人の悩みの対象とならなかった関係性も今は重大な悩みへと変化している事象を捕
    え、現代の「悩み」の正体を解きほぐしています。
     
    読み進めながら自分自身を振り返ると、同じような局面で解けない重石を背負っていたことにも気づかされます。

  • 常に世に悩みの種は尽きない…のだが、社会が新たに蒔いた悩みの種というのもあるのではないか。

    効率だけ(見かけの数字)を求めるだけで意味を読み違え、その犠牲となった人たちの悩みなどがまさにそうだ。

  • 現在の悩みは、昔だったら悩みにならないものだったのではないか?その悩みは、本人の責任ではなく、社会の構造、社会の問題のために悩みになっているのではないか?というのがこの本の語るところ。

    複数の章に分かれて書かれているので、読みやすい。
    その中で、「忙しく働いていないと不安だ」の章が、自分を見ているようでヒヤヒヤした。
    また、女性の結婚、出産のくだりは、実際に会社で見かける事柄であり、この本を著者が書いた時(2007年)と、まったく進展していないな。。と、思わずにいられなかった。

    読みやすさからいったら、星三つ以上なのだが、私の読み方が悪かったのか?解決策らしきものを得ることがあまりなく、症例を扱ったものという印象があったので、二つにした。

  • 悩み相談!というよりは、精神科医である作者の精神科患者の症例?(相談例)みたいな感じだった。私が1番共感出来たのは、『自分に自信が無い』人の自信が無いのは自分のせいではなく、その人をとりまく環境が悪いのだということだ。私もよく悲観的になって、自信を失ってしまう事が多いですが、その原因は何なのか改めて考えてみたい。

  • 39161

  • S141.6-イワ-R1068 000491647

  • <閲覧スタッフより>
    誰もが悩みを抱えて生きている。しかし現代人の悩みは、昔の悩みと中身は変わっている。現代人の「悩み」とその正体・背景を精神科医の著者が考察。現代人の「悩み」は果たして「悩む必要のある悩み」なのか考えさせられます。
    --------------------------------------
    所在記号:新書||141.6||カヤ
    資料番号:20086385
    --------------------------------------

  • ちょうど深い悩みを抱えているときに読んだので、色々共感できる部分や気づきを得る部分もありました。
    ただ、他人に勧められるか?といえば、そこまで自分を魅了しなかったのも事実です。
    ちょっと悩んでいるとき、悩みを解消しつつある時に読むと気持がちょっと落ち着くと思います。

  • 悩んでない人なんていなくて、それに大きい小さいなんてなくて、主観が全てになりがちで。自分が欲しい言葉しか受け付けない、そうじゃなくて、他人からの客観的な例え都合の悪い言葉だとしても受け入れなくてはな、と思った。

全42件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

たくましいリベラルとして、右傾化する政治状況から現代社会の病理まで、メスをふるう行動派知識人。1960年生まれ。精神科医。立教大学現代心理学部教授。『若者の法則』『ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義』『生きてるだけでいいんです。』『弱者はもう救われないのか』『「悩み」の正体』『リベラルじゃダメですか?』ほか、著書多数。

「2017年 『憲法の裏側 明日の日本は……』 で使われていた紹介文から引用しています。」

香山リカの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×