ユビキタスとは何か: 情報・技術・人間 (岩波新書 新赤版 1080)
- 岩波書店 (2007年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004310808
作品紹介・あらすじ
お弁当、薬、洋服、家、道路-身の回りのあらゆる物に小さなコンピュータを組み込み、ネットワークに接続することで、「現実」と「情報」がつながる。いま世界的に注目を集めている新しいインフラ技術は、日本発!次世代の少子高齢化社会を支える切り札、ユビキタス技術の考え方と可能性を、第一人者が分かりやすく語る。
感想・レビュー・書評
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この新書の刊行が2007年。ユビキタスとは「神様はどこにでもいますよ」ということらしく、転じて、「コンピュータはどこにでもありますよ」ということらしい。(笑)
著者の案として、QRコードなどに代表されるuコードを商品などのタグとして取り付け、インターネットを中心とするコンピュータで管理する社会を切々と語っています。また、手許には当然、ハンディターミナルなどなど。どんどん実現に向けてばく進中といったところでしょうか。今だと、牛肉のトレーサビリティで巷をにぎわせていますね。電車に乗る時もそうですかね。
技術論的には情報取得の利便性追求したものであるが、何でも管理され、情報閲覧できるというのもなあ・・・。便利なのはいいんですが、そこまでにしておいてほしいです。おっと、これ以上は職業柄・・・。(笑)余計な邪推を妄想しただけで(!)、特に深い意味はありません。(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
情報を必要な場所でアクセスできるということ
TRONが使用が何のために必要か、わかりやすく説明されている。
共通の使用方法で、境界なく使える、技術は知っておく必要がある。 -
今となっては遠い未来になってしまったセマンティックウェブの、IoT拡張の様なお話。
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90円購入2012-01-09
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ユビキタスの定義は理解した。最後の方は技術より制度のお話し。いまいちタイトルとの相関に疑問。バーコードが初期の頃うまく広まらなかった苦労話からインフラ的に新しいものを拡散させる難しさがある。技術以外も知ることができる内容。
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ユビキタスとは宗教用語で「神様はいつでもどこにでもいらっしゃって、あなたの行いをご覧になっていますよ」というように説教で使われる言葉ととのことです。今まさにコンピュータが人間を見守り支援するIOT時代の幕開け、本書は2007年の発行ではありますが、さすがは坂村先生、リアルのデジタル化に向けての知見が溢れています。リアルのデジタル化のための方式として本書を通して提案していたuコードは残念ながら実現していないようですが、その未来に向けた見識はとても勉強になります。
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おすすめ資料 第47回身近なものからユビキタスを考える(2007.10.19)
ユビキタスという言葉は今では広く知られていますが、では、「ユビキタスとは何か」と問われても「偏在というのが本来の意味らしいが、どこにでもコンピュータがあるという意味かな。」程度の理解が一般的ではないでしょうか。
宗教問答のようで、何のことかわかったようでわからないのです。
そのような方にうってつけなのが本書です。
23年以上も前からトロン(TRON:The Real-time Operating system Nucleus)プロジェクトを提唱され、「どこでもコンピュータ環境」の構築を目指している著者が、ユビキタスという概念を身の回りにあるモノを例示して具体的にどういうものなのかをわかり易く解説しています。
「ユビキタス・コンピューティングの本質は、モノ・人・空間を主とする、実世界の状況(コンテクスト)=時間と場所の情報の認識です。」とありますが、実在する物全部があたかもクリックする対象になったかのように、「これ」「あれ」と指示したとたんに、その物の情報を格納しているところから情報を取得して利用できる世界がユビキタスなのです。
この夢のような世界の実現に著者は尽力されていますが、実現するには技術の進化だけではなく制度の問題があることも示唆されています。