ルポ 労働と戦争―この国のいまと未来 (岩波新書)

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著者 : 島本慈子
  • 岩波書店 (2008年11月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311584

ルポ 労働と戦争―この国のいまと未来 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 2008年刊。民間人が自分の職務遂行で、知らず知らずに加担する戦争。本書では、基地維持や軍人相手のサービス業に限らず、民生品の軍事利用・軍民産業の境界線の曖昧化、民間航空機による軍需物資・軍人輸送、気象データの米軍への提供、航空管制権の帰属、さらには過疎化防止のための産業・訓練などの誘致(特に沖縄県内)について現状を切り取る。ブラック企業の問題もそうだが、目を瞑れば問題は放置される(つまり思考停止)一方、事実を知れば、よりよき方策の模索、(時間の費消は兎も角)問題の軽減・消滅へ努力を傾けることも。
    なるほど、本書自体の底意は見え隠れするが、現実を可及的客観的に伝達しようとする意思も明確に感じるし、本書は気付きの書。つまり、本書が暴いたのは、私自身も含む、戦争加担に無自覚な多数人の存在。誠実に悩みつつも「知ってほしい」と述べる自衛官の存在が如実にこれを表している。また、政府機関に出させる覚書・書簡の存在がいかに重要な牽制になるかも。さらには「日本は沖縄を捨て石に、沖縄は先島を捨て石に。」「ならば…」が実に印象的。

  • いわゆる軍需産業(戦闘機とか戦車とか)だけに限らず、広く軍・戦争に関係しているさまざまな職を紹介するなかで、労働と戦争を考えるための本。

    2008年とちょっと前の本。なので、憲法改正論議のそれほど盛んでないときの本になると思いますが、やはり戦争は避けるべきものと思います。


    ①航空機事故の一因として、機長が副操縦士の査定をするため、副操縦士が正しいと思ってもいえないシステムだったことが紹介されています。飛行機の安全確保のなかでの話ですが、これ、ガバナンス論とも共通しています。ヒヤリハットの分野では、航空業界(や医療)の取り組みから企業が学ぶことは多いと思いますね。(p102〜)

    ②かつての日本にあった、「軍機保護法」「要塞地帯法」「軍用資源秘密保護法」「国防保安法」という多層的な秘密保護法制。聞いたことない法律ばかりですが、さて、こういう状況下では、飲み屋で港湾労働者が明日船が出航するといっただけで捕まったそうな。憲法改正の中での、国民を統制する憲法という発想は、徐々に秘密保護法制が民間に広がっていくことにつながりそうで、怖いものです。

  • 久しぶりの低レベルな本。
    いやぁ・・・岩波でこのレベルとはもう泣けてくる。
    理論と証拠が一致していない。

    ふざけるな。

  • 9条改憲反対の立場を軸に、日本の産業やそこで働く人がどのように戦争や軍事と関わっているか、憲法等が変わることでどう変化するかをまとめたルポ。

    米軍基地で働く人、沖縄での話が印象的。

    軍事機密の扱いにまつわる色々がとても興味深かった。

  • 労働と戦争というと微視的で情報は集まる。
    中でも書いているが,実際に働いている人は、組み立てて初めて何かが分かる場合がある。労働は直接に結びつかない。

    産業と戦争という巨視的視点では、情報は取材拒否で集まらない。

    いきつかえりつ書き上げたという感じ。

    法律論,経済,人という視点をなるべく分離して、それぞれにまとめた上で,組み立てを考えるのはどうだろう。

    言うなら,本書は人という視点の標題のはず。
    もっと労働だけに絞って情報を整理してはどうだろう。

    基地労働者,軍事用の部品製造者,組立工,設計者,シミュレーション作成者,試験担当者など、いろいろな職種があるかもしれない。

    細分化している労働の実態に迫って欲しいかも。

  • クラスター爆弾の関連報道から日本の軍需産業に興味を持った。
    本書もそれに迫ってはいるが、なかなか壁は厚いようだ。
    興味深いトピックもいくつかあったが、どうも総花的というか
    とっちらかった内容でいまいち噛み応えがなかった。

  • [ 内容 ]
    テクノロジーが戦争を支える時代とは、「民需と軍需の境界」が曖昧になる時代である。
    現在、日本国内の労働はどのように戦争と関わっているか。
    それは九条改憲によってどう変わるのか。
    在日米軍基地、自衛隊、兵器産業、公務員、大学、農業…さまざまな「仕事」の現場から「戦争」を問うノンフィクション。
    日本の進路を考えるために。

    [ 目次 ]
    第1章 在日米軍基地という職場(鹿屋―進駐軍上陸地の碑;沖縄―求人広告の向こうに ほか)
    第2章 「軍」と「民」のバリアフリー(ハイテクに支えられる兵器;派遣社員という迷路 ほか)
    第3章 ものづくり立国の戦争(潜水艦と神戸港クルーズ;防衛秘密というカーテン ほか)
    第4章 Switch(転換)=九条が消える日(航空―民間機の軍事利用;命を守るためなら ほか)
    第5章 明日へのジグソーパズル(台風、戦争、そして雇用;三重に積みあげられた約束 ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 説得力のある非戦論。後方支援も戦争に加担していることをあらためて認識させられる。経済を組み入れた手練手管の政策に、どれだけ市民が勝ち進めるのだろう・・・。

  • 労働と戦争のつながりが見えにくくなっているけれど、常に意識しておかなければと思った。日本の技術はすばらしいけれども、兵器に応用することができる。そのことを見逃しがちだし、兵器の製作は細分化されていてパーツを作っている段階ではそれが戦争につながるとは考えられない。自分が何をしているのか、自分の仕事がどこへつながっているのか労働者は自覚すべきだし、雇用者が初めに知らせるべきだと思った。

  • 労働者と戦争に使われる兵器の関係が書かれている著書。現在の戦争に使われる兵器は、多くの部品や高性能の機器で構成されている。そのため、在日米軍基地で働いている労働者は、自分が製造に携わっている物が、どういう使用目的で何に使われているのかわからないらしい。これには、驚いた。しかし、軍基地で働くしか職が無い人には、何を作っているか知るよりも自分の命の方が大事である。殺戮兵器が使用されないことを祈る。同時に、外交問題は、政治で解決して欲しいと願う。

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ルポ 労働と戦争―この国のいまと未来 (岩波新書)の作品紹介

テクノロジーが戦争を支える時代とは、「民需と軍需の境界」が曖昧になる時代である。現在、日本国内の労働はどのように戦争と関わっているか。それは九条改憲によってどう変わるのか。在日米軍基地、自衛隊、兵器産業、公務員、大学、農業…さまざまな「仕事」の現場から「戦争」を問うノンフィクション。日本の進路を考えるために。

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