グローバル恐慌: 金融暴走時代の果てに (岩波新書 新赤版 1168)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311683

作品紹介・あらすじ

アメリカのサブプライム危機は、金融市場を麻痺させ、全世界を震撼させている。現在の経済収縮は、金融危機の段階を超え、世界規模の「恐慌」へと歩みを進めているのではないか。危機拡大の要因を解説しながら、事態の意味、世界同時不況のゆくえについて考察。金融の暴走をもたらしたグローバル経済を変革する必要性を強く訴える。

感想・レビュー・書評

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  •  リーマンショックの経緯を直近の出来事のみならず、ニクソンショックまでさかのぼる。また、グローバル化によって、従来の恐慌とどの点で異なり、それがどれほどの被害を及ぼすのかに触れる。地球上でモノなしにカネが動く、つまり金融の動きが、これまでには見られない特徴だという。本書の最後に、自由主義から保護主義に転換する事で起きる作用について語り、このような資本が国籍を問わない時代において、地域通貨が今後鍵になるのではないかという。

  • もはや社会はこの本の先の未来を歩んでいて、内容が古い。

  • 岩波新書

    浜矩子 「グローバル恐慌」 2008年のリーマンショックを解説した本。タイトルは少しオーバーな表現

    リーマンショックは 大企業が仕掛け、大企業が被害を受けた金融暴走という論調。ニクソンショックまで遡って、サブプライムローンの背景を論じている。とてもわかりやすい説明。


    金融の自由化が進み、実体経済から金融が分離できても サブプライムローンという実体経済が破綻すれば、金融も連鎖的に破綻することを実感した。もう少しヘッジファンドの仕組みが働いているのかと思っていた。


    コロナ不況が気になって読んだが、リーマンショックとの共通点は少ない。共通点は保護主義化くらい? リーマンショック時は G20が保護主義の排除を主導したようだが、コロナ不況も同様の動きはあるのだろうか?


    政府の保護救済の在り方については とても勉強になる。著者の意見「保護は救済につながらず〜私企業が公的保護を受けることで窮地から脱するケースは稀」は リーマンショックに際しては正論に思う




    リーマンショックの概要
    *サブプライムローンの貸倒が増え、投資銀行が受けた サブプライムローン担保証券の損失が 保険会社が補填しきれない金額となり 総崩れとなったという流れ
    *リーマンショックにより金融不安が生じ 保護主義化


    リーマンショックの背景
    中堅層の持ち家促進、住宅ローン債券の証券化によるリスク分散、高リスク高リターンの商品開発、デフォルト保険の設計


  • 恐れ慌てる世界◆何がどうしてこうなった◆なぜ我々はここにいるのか◆地球大の集中治療室◆恐慌を考える◆そして、今を考える◆金融暴走時代の向こう側

    著者:浜矩子(1952-

  • フォトリーディング&高速リーディング。

    破綻するぞ破綻するぞ、といういわゆる終わる終わる詐欺のひとり、紫色の頭の元官僚の本。どうしてこうなった?という解説であるが、2009年の著者の思惑から外れ、アベノミクスは好景気を読んでいる。ゆえに読まなくて良い本。

    ちなみに2018年現在もまだ、終わる終わると言い続けているタフなおばさんではある。

  • レビュー省略

  • サブプライム問題で話題となった、「金融資本主義の暴走」を、歴史的にざっくりと理解するのにはまあ入門書としてはいいかも。著者自身は貴族感がある(ロンドンに事務所あり浜氏は)ため、私はいい歳(50才)こいてピンクの髪をなびかせる女性一橋大学教授浜氏はあまり好きではないが、「単純に低所得者ローンが転売され、証券化されたから金融危機が起きた」というアプローチでなく、「1920年代の世界恐慌を踏まえ、投資銀行業務を通常の正常な間接金融を分離させるグラススティーガル法を踏みにじる形で金融バブルを起こした」という論調。しかしこの金融ってやつがどんどん肥大化するととんでもないことになるな。金融工学は歴史上最悪の学問になり語り継がれていくと確信。今後の政治経済学のテーマ金融規制かもな。

  • 内容面もそうだが、文体面でも勉強になった。きらびやかな修飾語句、「教養」を惜しげも無く披瀝したレトリック、一見とてもわかりやすい(が、実際は数段落がムダになってるだけの気がする)的確な比喩。

  • アメリカのサブプライム危機に端を発する世界同時不況についての解説書です。

    金融の自由化に突き進むことになった結果、これまで世界が経験したことのないようなタイプの恐慌に見舞われることになった経緯が、分かりやすく解説されています。

    サブプライム危機を受けての緊急出版に近い形で刊行された本という性格もあって、金融の自由化そのものについての著者の立場や具体的な対策は、それほど明確には示されていません。あくまで、現に起こりつつある危機についての解説に焦点を当てた本だと思います。刊行から5年が過ぎた今日では、その点にやや不満を感じるところもあります。

  • (「BOOK」データベースより)
    アメリカのサブプライム危機は、金融市場を麻痺させ、全世界を震撼させている。現在の経済収縮は、金融危機の段階を超え、世界規模の「恐慌」へと歩みを進めているのではないか。危機拡大の要因を解説しながら、事態の意味、世界同時不況のゆくえについて考察。金融の暴走をもたらしたグローバル経済を変革する必要性を強く訴える。

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著者プロフィール

1952年生まれ。同志社大学大学院ビジネス研究科教授。
主著=『新・国富論――グローバル経済の教科書』(文春新書、2012年)、
『老楽国家論――反アベノミクス的生き方のススメ』(新潮社、2013年)。

「2014年 『徹底解剖国家戦略特区』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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