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- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004311775
感想・レビュー・書評
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●なかなか小難しい内容だったが、日本庭園の成り立ちとその文化と歴史を追うことができた。初めから今のような形ではなく、中国文化などさまざまなものが影響して、今の形になっていった。
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(*01)
通史として古代やそれ以前の庭園的な工作物にまで言い及び、近代(*02)の庭園についても近世までの系譜から説き起こしている点で評価できる。
また、日本庭園史の入門書としても、浄土庭園、禅寺、枯山水、露地、回遊式、大名庭園あたりの約5世紀間ぐらいのホットな時代を淡々と紹介しており、推薦できる新書となっている。
(*02)
山縣有朋の庭園趣味や三渓園についてはなかなか興味深いが、自然主義風景式庭園とカテゴライズされた事は認めるとして、そのカテゴリーの命名については疑問が残る。
先行する様式や海外から移入された様式とは異なった特徴をもち、確かにそれは近代的な特徴でもあったが、自然主義としたとき、どうしても近代文学における自然主義との関係を問いたくなる。しかし、おそらくはそこに文化上の重大な相同点は見出されないように思える。
近代のこの一連の庭園については、英国の風景式庭園の受容として、いまいちど考え直したい問題である。