- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004311898
作品紹介・あらすじ
複合的な危機のなか、政治が融解している。問題の核心は何か。政治を支える精神的な素地をどこに求めたらよいのか。マキアヴェッリやトクヴィル、ウェーバー、丸山真男らの思索を手がかりに、政治という営みの本質について、原点に立ち返って吟味。政治家のみならず、政治を取り囲む人々の精神、さらには政党政治の条件について考察する。
感想・レビュー・書評
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「政治の精神」というタイトルからは内容がなかなか想像できず、はじめは政治学の入門的概説書かと思ったのですが、じっさいに読んでみると、著者自身の問題意識の反映されている意欲的な内容だったように思います。行政の役割が肥大化し政党が重要な役割を占めている現代的な政治状況を見据えながら、そこに働いている人びとのエートスについての考察がなされています。
自由や民主主義についての形而上学的な考察でもなく、現代の政治に対して人びとが抱いている社会心理の探求でもなく、もちろん自民党をはじめ政党内闘争についてのるポタージュでもなく、ウェーバー的な政治倫理の現実と理想を正面からテーマに掲げる本書は、まさに「政治の精神」というタイトルにふさわしい内容だと思います。個々の問題にかんしては、かならずしも著者の議論に説得されたわけではないところものこるのですが、マキャヴェリやウェーバー、アレントといった政治学者たちが取り組んだ政治学の中核的な問題に、あらためてアプローチする試みとして、興味深く読みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
利益誘導型政治を可能にする財源はなくなり政治の真価が問われる歴史的段階に入った。空疎な美辞麗句ではなく日本の将来像を踏まえた真の政策課題を示さなければならない。政治家試練の時代である。新時代に向けた審判の日が刻々と迫る。
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政治の精神 (岩波新書)
(和書)2012年11月22日 16:00
佐々木 毅 岩波書店 2009年6月
苅部直さんの「政治学(ヒューマニティーズ)」でおすすめされていたので図書館で借りてみました。
現在の政治を考えるのに役立つ良書でした。
丸山真男やマックス・ウェーバーなども引用されていて現在の浮薄にみえる政治を厚みを持って思考するのに役立ちます。彼らの作品もあわせて読んでみようと思います。 -
190202 中央図書館
古典のエッセンスから著者の血の通った思考を・・というつもりかもしれない。 -
佐々木毅『政治の精神』岩波新書 読了。古典的な政治思想を参照しながら、「政治的統合」の議論が展開される。難解でさっぱりだったが、部分的にわかる箇所があって、これこそ新書ならではの趣ってところ。丸山眞男に対する理解が多少は進んだと思われるので、挫折した『日本の思想』再度挑戦しようか
2012/03/29 -
S311-イワ-R1189 300033917
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地元の図書館で読む。興味深い本でした。民主党の勝利は確実です。さて、日本にとって、いいいことなのでしょうか。悪いことなのでしょうか。
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【読書その75】丸山真男、マキャベリ、ウェーバー、トクヴィルらの思想を手掛かりに政治家、マスコミ、官僚を含めた政治を取り囲むものの精神、政党政治の条件について考察した本。トクヴィルの本を読みたくなった。