健康不安社会を生きる (岩波新書 新赤版 1211)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004312116

作品紹介・あらすじ

誰もが抱える健康不安を背景に、「健康ブーム」を衰えを見せない。ことに、手間暇を掛けずに健康効果、痩身効果が望める-とうたう手法を求める風潮が強い。効率化を求め、慌ただしく動く現代社会の影を映す鏡ではないだろうか。識者へのインタビューを通し、ブームの底にあるものを見裾え、「健康とは何か」を問い直す。

感想・レビュー・書評

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  • 医療や健康の専門知識を持つ研究者へのインタビュー集。健康であらねばという強迫観念をもたらす諸制度を批判する論者、社会環境のありかたを軽視し自己責任論に主眼を置く健康増進法に懸念を示す論者、科学と伝統主義の奇妙な合体から展開されるビジネスに対し批判精神を持つべきとする論者など、さまざま。この分野に関心のある人が、さらに調べをすすめるためのカタログ的に使う本。

  • 「健康不安社会を生きる」5

    編著 飯島裕一
    出版 岩波新書

    p77より引用
    “情報を送る側も、その根拠をきちんと示し、
    整理して送り出すべきです。”

    ジャーナリストである著者による、
    識者へのインタビューをまとめた一冊。
    健康の定義についてから民間療法についてまで、
    日頃TVなどで目にする健康情報に対しての疑問に、
    専門家の意見が記されています。

    上記の引用は、
    情報との向き合い方についての一文。
    その中でもクリティカルシンキングについての専門家の意見。
    この専門家は、
    送られる情報を受け入れるのには、
    ほどよい懐疑主義が大切といわれています。
    しかし全ての事に強く批判的・懐疑的に対応するのでは、
    見も心も持たない気がします。
    ほどほどに疑ってかかって、
    大きな損失を出さないように気を付けたいものです。
    p60の4行目の一文は、
    ここ最近あった事件を予言していたかのようです。
    美食を求めるのも程々がいいようです。

    ーーーーー

  • [ 内容 ]
    誰もが抱える健康不安を背景に、「健康ブーム」を衰えを見せない。
    ことに、手間暇を掛けずに健康効果、痩身効果が望める―とうたう手法を求める風潮が強い。
    効率化を求め、慌ただしく動く現代社会の影を映す鏡ではないだろうか。
    識者へのインタビューを通し、ブームの底にあるものを見裾え、「健康とは何か」を問い直す。

    [ 目次 ]
    第1章 健康不安社会(からだへの不安;健康は個人の責任か;健康権とは何か)
    第2章 健康情報とつきあう(フードファディズム;「情報」にどう向き合うか;ニセ科学への対応;「健康言説」の世界)
    第3章 健康づくりの光と影(民間療法の社会学;「メタボ」への疑問;「運動器」の痛みとつきあう;運動とのかかわり)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 私たち現代人は、地道に手間隙かけて健康になるという「回りくどい方法」に、ついていけなくなっている。なるべく早く結果が出る安易な健康法を、お金で買い求める傾向が強い時代である

  • インターヴュー形式なので、問題の掘り下げ方がそれぞれやや浅めであるが、健康ブーム、健康志向主義は心理的、社会的な産物であり、それを打破するために、科学リテラシー、情報リテラシーの向上が必要という方向性では一貫した内容になっていると思う。さて、それは百も承知なのだが、現場で、患者さんにリテラシーの向上云々と言っても、雲をつかむような話だろう。それこそ学校教育からの取り組みが必要であり、なによりマスコミ人教育が必須だ。医療人のリテラシー向上も急務だし。

  • いったん健康への不安が強まった人はそこからなかなか抜け出せない。
    メタボ、うつ病、ダイエットなど。どうして日本人は健康が大好きなのだろうか。。

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著者プロフィール

信濃毎日新聞編集委員。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。1948年長野県上田市生まれ。北海道大学水産学部卒業。専門は医療・健康問題。
著書・編著書に『認知症を知る』(講談社現代新書)、『健康不安社会を生きる』『疲労とつきあう』(岩波新書)、『温泉で健康になる』(岩波アクティブ新書)、『脳 小宇宙への旅』(紀伊國屋書店)など。
新聞協会賞(2010年度)の「笑顔のままで 認知症・長寿社会」、同(1999年度)の「介護のあした」、科学ジャーナリスト賞(2007年)の「20年目の対話 チェルノブイリ原発事故」などの取材班メンバー。「若月賞」受賞(2011年)

「2017年 『温泉の秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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