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みんなの感想・レビュー・書評
新自由主義を柱とした市場経済、体制転換がロシア国民に失望をもたらす中で、欧米資本主義化の中で流れに対抗するロシア独自の道を求めるとユーラシア主義のような思想に行きつくことになった。
ハバロフスクの建設現場の労働者は中国人労働者。
ロシア政界では中国の一方的な経済的影響力の拡大にロシア、中央アジアが飲み込まれるのではないかと懸念している。
中央アジア各国は国によって高低の差こそあれ、イスラム復興。
21世紀ロシアの経済発展のカギを握るシベリア開発と連動し、シベリア大開発をエネルギー資源によってアジア太平洋地域と結び付けようという思惑が込められている。
日本ではあまり注目されていない中央アジアに関する記述があったのは勉強になった。
中国とロシアが互いにけん制しつつも結びつきつつある流れは、日本が絶えず注目せざるを得ない事実。アメリカだけを向いている外交は本気で転換しないとやばいんだろうなあ、とは思うけど、本書の内容は若干片寄りもあるのかもとは感じた。
[ 内容 ] 多極化する世界の中で、いまユーラシア全体が一つの地域として沸き立っている。 中国の爆発的な経済発展、ロシアのエネルギー資源外交の展開、中央アジア諸民族の台頭、そして国境を越えるヒトとモノの奔流…。 現地取材を重ねたジャーナリストが、この広大な一帯に吹く変革の風を伝え、そのダイナミズムの意味を考える。 [ 目次 ] 序章 ユーラシアの風に吹かれて 第1章 分割された島―... 続きを読む »
上海協力機構など、日本のジャーナリズムからは聞こえてこない内容が興味深い。
中央アジアもロシアも変化しつつあるのはわかるが、化石燃料だけではいずれ破たんが訪れる。
ここにも触れられていなかったが「教育」についてもっと積極的な政策を取る必要があるだろう。
目先の利益に動かされるだけでも、ユーラシアは胎動するだろうけれど、20年後はどうだ。
生まれた子も二十歳になる。
早急に教育というインフラを整え、次世代につないでいかなければ胎動もあやういものだ。
上海協力機構の役割構想資料などが充実しており、読み応えがあった。これだけ大きな組織でありながら日本での注目度合いは高くなく、詳しい分析をしている本もないのでとても勉強になった。ウイグル自治区と中央アジアの関わりなども興味深かった。中央アジアに関する記述は一般論に留まっており少し残念。カザフスタン以外の国、せめてウズベキスタンと中国の関わりなどにも同じように言及して欲しかった。パイプライン構想などもロシア中国韓国など大きく見られており「ダイナミズム」を理解するにはわかりやすかったと思う。中央アジアに興味を持つ自分としては、このダイナミズムの中で中央アジア内の小競り合いがいかに経済的機会を奪っているのかを浮かび上がらせてくれた。
『ユーラシア胎動―ロシア・中国・中央アジア』(堀江則雄、2010年、岩波新書)
本書は、ロシア、中国、中央アジア(カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギス)、インドという「ユーラシア」大陸内で何が起こっているのかを、著者の取材をもとに書かれたものである。
興味深い指摘は、いわゆるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)といわれる国の3カ国がユーラシア地域にある、という点だ。いまユーラシア地域では経済発展や経済関係の深化が著しい。その背景には豊富な資源があることは間違いないだろう。
その上で本書は、中国北東部とロシアの国境をめぐる現状、ユーラシア地域の諸国が加盟する上海協力機構、現代のシルクロード、ユーラシア地域の天然ガスのパイプラインなどについて解説している。非常に勉強になる。
(2010年6月12日 大学院生)







