日本語の古典 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004312871

作品紹介・あらすじ

奈良時代の『古事記』から江戸末期の『春色梅児誉美』まで、歴代の名作三〇を取り上げて、言葉と表現を切り口にその面白さを解き明かしていく。登場人物の言葉遣いや鮮やかな比喩、擬音語・擬態語の生き生きとした効果などがよく分かる選び抜かれた原文を味わいながら、古典の底力、日本語の魅力を再発見できる、斬新な古典文学入門。

感想・レビュー・書評

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  • 有名な古典文学を独自の視点で切り取っている。めちゃくちゃ面白い。

  • 高野秀行さんがツイッターで「私的殿堂入り」と紹介していたので読んでみた。なるほど、これはわかりやすくて面白い。平易な言葉で説明されているが、上っ面をなでただけのものではなくて、興味深かった。

    「言葉」を切り口にして、テーマを設定して読んでいくというスタイルが新鮮だ。あらすじ説明はほどほどにして、「読みどころ」が原文も交えて紹介されている。知っているつもりの作品の、新たな魅力に気づかされるものあり、古典初心者も、古典好きも楽しめると思う。

    内田樹氏が、欧米の学者は一般向けの書物を書くことはあまりないと書いていて、へぇ~と思ったことがある。そうならば、専門の研究者が書いたこういう本を読める日本の読者は幸せだなあ。



    ちょっと不満を言うと、体言止めの文が多すぎるのでは? いったん気になるとどうにも目についてしまうのだけど…。体言止めの多用って素人っぽいと思うのは私だけ?

  • 2011/03/29-2015/03/07
    大変残念な内容である。現役高校生には価値があろうが、私にとってな「何を今更」である。知らなくても生きていけるし、知っているから豊かとも言えないだろう。

  • ふむ

  • 奈良時代の「古事記」から江戸末期の「春色梅児誉美」まで、歴代の名作30を取り上げて、言葉と表現を切り口にその面白さを解き明かす。古典の底力、日本語の魅力を再発見する、斬新な古典文学入門。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40143111

  • 以前から、この人の本は好きで、何冊か読んだ。
    『日本語の歴史』は同じ岩波新書。
    一瞬、あれ?これ読んだやつだっけ?と混乱する。

    『日本語の歴史』は、書紀形式、文体、係り結びなどの文法と、発音、文語と口語の関係など、日本語の言語的な変遷が説明されていた。

    こちらはやはり奈良朝から江戸後期までを扱い、各時期の名作を数篇ずつ取り上げる。
    取り上げられる作品はほぼ王道の名作。
    ただ一つ、「蘭東事始」が取り上げられているのが異色だ。
    そう、『蘭「学」事始』ではない!
    現存する刊本には「蘭東」または「和蘭」であって、「蘭学」とあるのは一つもないとのこと。

    『奥の細道』のところで、(紀行文の)どこが面白いか分からない、と率直に書いておられ、ほっとする。
    私も、ちっともわからないから。

    それぞれの作品についての記述は、もうちょっと読みたい、というところで終わる。
    いっそ、文学研究者とタッグを組んで書いていただいた方が、とも思ったが…。
    もっと面白いところを紹介してほしいと思うくらいのところでやめるのは、狙ってのことかな、とも思いなおす。

  • 30作品の古典を言葉を中心に紹介する。作者の語りかけるような筆致で1000年の昔の本を身近に感じた。
    当時の言葉が実際に使われた生きた言葉なんだと実感。

    作者の作品を読んだ自分の気持ち全面に押し出した書きぶりに、作品によって俺はそう思わんと反論も思い浮かぶ。特に既読の古典は感じ方がだいぶ違う。それもまた作者との対話で面白い。

    気になった本「とはずがたり」「春色梅児誉美」。

  • 様々な古典に関して背景、味わいどころなどが分かりやすくまとめてあったが正直あまり新鮮味のない内容であった。それなりに楽しく読んだがあまり内容を覚えていない

  • 奈良時代から江戸後期までのを駆け抜ける。ただ知識としての作品紹介ではなく、取り上げられている30作品を著者自身が本当に咀嚼した上で、作品の魅力を伝えてくれている。

    この本を読ませとけば、あとは何もせずとも生徒たちは古文の世界に引き込まれていく事だろう。

    古文の授業に限らず、動機付けや導入の上手い教師・授業が充実出来れば、日本の教育システムは大きく変わる事が出来るのではないだろうか?

  • 古典
    歴史

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著者プロフィール

一九四三年生まれ。お茶の水女子大学卒業。東京大学大学院修士課程修了。文学博士。埼玉大学名誉教授。文化功労者。古典語から現代語までの日本語の歴史を研究。特に『犬は「びよ」と鳴いていた』(光文社)、『ちんちん千鳥のなく声は』(大修館書店)など、擬音語・擬態語の歴史的研究は、高く評価されている。論文「源氏物語の比喩表現と作者(上)(下)」で日本古典文学会賞、『平安文学の文体の研究』(明治書院)で金田一京助博士記念賞、『日本語の歴史』(岩波書店)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。また、「日本語に関する独創的な研究」が評価され、二〇二二年に日本学賞を受賞。二〇〇八年紫綬褒章、二〇一六年瑞宝中綬章を受章。

「2023年 『日本語が消滅する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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