語感トレーニング――日本語のセンスをみがく55題 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313052

作品紹介・あらすじ

日本語をもっと使いこなそう!「快調」「好調」「順調」、もっとも調子がいいのはどれ?「過日」「先日」「この間」、どう使い分ける?誰もが思いあたる、「些細」だけれど「瑣末」ではない日本語の感触の違いを、語感研究の第一人者が解説する。Q&A形式で楽しく読める、"伝えたい思い"を"適切なことば"で送り届けるための55のヒント。

感想・レビュー・書評

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  • 日本語話者には、生活するのに不便しないから自身の日本語運用能力に問題はなかろうという盲点がある。
    敬語を上手く使えていれば、他所向きの上品な物言いに出来ていると思いますか?そんな認識は未熟だと僕は思う。
    文は人なりとはよく言ったもので、日本語もきちんと矯正しないとだらしない言葉を使っているかもしれません。
    文法然り、文章の型然り、本書が説く語感然りです。
    同じような意味合いでも字面が異なる言葉が感じさせる違いに対する感度をどこまで磨けているだろうか。
    類語辞典を丸読みしただけでは気が付かない違いを感じ取るセンスを訓練させてくれます。
    こういう痒いところに手が届く本ってステキ。

  • 「空」と「天」似たような意味を持つ言葉だが、
    "スケールの大きな「天と地」も「空と地」になると、
    一瞬「空き地」に見えて、雄大な雰囲気は消える"
    なるほど、仰る通り。
    個々には些細な意味の違いでも、文章の中に組み込まれると、
    大きく印象が変わることもある。
    言葉の持つ微妙なニュアンスの違いを楽しみながら、
    大変面白く読みました。

  • 2021年8月11日購入。

  • 【電子ブックへのリンク先】※スマホ・読上版です!

    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000072884

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  • 意味とは少し違う,意味の周辺に存在している「語感」についていくつかの例を挙げて説明した本。単純な言葉の意味を超えた意味がとても奥深い。読み終わると同じ作者の『語感の辞典』が欲しくなってしまう。ちょっと残念なのは引用の例に偏りが多いこと(特定の人の話題がよく出てくる)。辞典を書くような方なのだから,そこはぐっと我慢して他の例を引用してほしかった(単に僕がその方を知らないからなのかもしれないけれど)。

  • ことば

  • 680円購入2011-06-28

  • ちょっと安っぽいタイトルだし、読み始めは小馬鹿にされた感じもあったのだけど、最後まで読むと満足できた。似て非なる言葉や言い回し(場合によっては同意語と解される言葉)の微妙な違いや使い分けについて掘り下げている。決して新しい語彙や知識を得られるわけではないのに、語彙力....というか語彙の運用能力が増した気になる。言葉の意味を知るだけでなく、言葉の使い方を知るという意味で、いろいろな発見があった。

  • 語感に関する55問があり,その解説で日本語の語感を説明している好著だ.問題はほぼできたので,ほぼ正常な語感を持っているものと感じたが,ここまで詳しく丁寧に言葉自体を考えていく姿勢は素晴らしいと思った.「語の感じ」の分類として<日常語>,<文章語>,<俗語>の3段階を挙げ,さらに<雅語>と<口頭語>を加えていたが,納得できるアイデアと感じた.

  • 言葉がもつ言葉以上の存在。

    義務教育の様な国語、現代文の教科書のような固いものではない。
    言葉そのものが持つイメージ雰囲気属性、それらを意識させる1冊。
    まだまだ若いつもりの私だが、それでも下の世代の言葉はわからないこともある。上の世代の言葉がわからないこともある。
    地方でも変わるだろう。

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著者プロフィール

1935年、山形県生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。国立国語研究所室長、成蹊大学教授を経て、早稲田大学教授(日本語研究教育センター所長)、現在は名誉教授。日本語文体論学会代表理事、現在は名誉顧問。主著に『日本語レトリックの体系』『日本語文体論』『日本語 語感の辞典』『日本語 名表現辞典』『日本語 笑いの技法辞典』『新明解 類語辞典』『類語ニュアンス辞典』『美しい日本語』『日本語の勘』『日本語名言紀行』など。

「2023年 『文章作法事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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