労働法入門 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313298

感想・レビュー・書評

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  • ようやく読み終わりました。概ね一週間以上もかかって、よくわかったのはいかに物を知らずにいたか、ということでした。読んだからといって理解できているわけもありません、これは改めて勉強しなきゃいけないな、ということで、読み終わったけれどまた読む、という意味で積ん読にしておきます。

    勉強、しなきゃダメだね、もっともっと!

  • 社労士の勉強の為に読んだ。過去の歴史が書かれていて法ができていく過程と背景がわかり参考になった。国によって労働に対する視点が違っている。大前提は自由意志による契約。しかし、弱くなりがちな立場の労働者を守るため法の強制力が働く。
    ①解雇の原則
     アメリカ=いつでも理由なく解雇できる。
     フランス、ドイツ=解雇の経営判断については、会社の判断を尊重。
     日本=解雇に対して、かなり厳しい規制が加えられている。
    ②労働者、使用者の概念にも労働基準法、労働契約法、労働組合法で違いがある。
    ③これからの労働法の姿
     国家(法律)、集団(組合)、個人の3つがよい関係性をもってよい方向に進んでいくことが必要。

  • 分かりやすくてよかった。

  •  全体的に少し難しく感じる部分もあったが、わかりやすく段落が分けられていた。
    本自体の大きさは、文庫の小さい本に比べ、縦が少し長い。
    日本と、アメリカやヨーロッパの特徴を比べるので、他国の労働法も多少学べた。

     アメリカや、ヨーロッパでは、雇われて働いている人を、「労働者」という言葉を使う。
    日本では、会社という共同体の中に入る「会社員」だ。
    そう、日本では企業共同体への人的帰属関係が強い。
    協調性が高いと言えば聞こえはいいが、社内で従業員同士の輪から逸れている人は、差別されたりする。
    そして、個人が組織の中に埋没してしまい、会社の言われるがままになる面がある。

     身近な事柄も書かれているので、わかりやすく知りたい時には、使えそうだ。
    例えば、採用・労働差別、昇進・昇格・降格、人事異動、男女雇用機会均等、
    育児休暇、その他の休暇・休業、労働時間など。

     労働組合に加入している人や、周りに労働組合がある人にも、参考になる。

    これからは、自己責任が問われる時代だけあって、こうした労働法を知って、会社のいいなりにならないようにしたい。

  • かなり良い労働法の入門書に出会えた。守備範囲はバランスが良い。問題設定が咀嚼されていて、内容は専門的知識の基盤となる。
    働くことは、個人の人格の形成につながる側面がある一方で、物のように使い捨てられ人格を損なう側面がある。では、どういう場合にそうなるのか。それは上司の扱い一つ。その扱いは、法令の何から由来しているか。又は逸脱しているか。自分の人生を守るために必要な知識である。わからなくなったら、この本に立ち返るのだ。

    「世の中にはたくさんの人が住んでいる。略 共通のルールを定めることにした。このルールが法である。」
    「法律は一般意思の表明である。」
    「人は契約と法律に基づいてのみ他人から強制を受けるのである。」

  • 「家族のため世間のため働く」
    日本の社会=人間・共同体的性格

    ナポレオン法典「自由・平等な個人」

    テイラー生産管理=大規模なブルカラーを想定

    労働協約>就業規則

    日本独自色=採用の自由

  • わかりやすかった。法律に疎い者も、今の日本社会でこそ、労働法をしっかり学んだほうがいい・・・と教えられた。
    「和」を思い、つい我慢が先になる日本人だからこそ、働くことと自分の人生を大切にしたい。
    あまりに不当な扱いをされる労働の現場があることことも確か。
    根本的な問題は、キャリアを社会全体で生かせることだと思う。

著者プロフィール

東京大学教授

「2024年 『労働法〔第10版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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