本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)

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著者 : 宮崎駿
  • 岩波書店 (2011年10月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313328

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本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)の感想・レビュー・書評

  • 恥ずかしながら、定番どころの児童文学をあまり読んでいません。
    なので、20代になってから少しずつ岩波少年文庫や福音館書店の児童書を読み始めました。
    本書を読んで、やっぱり私、児童文学を読んでないなぁ…と実感しました。
    でも、宮崎駿監督も20代から児童文学をたくさん読んだとのこと。
    私もまだまだこれからだ!

    児童文学は「やり直しがきく話」だと、宮崎さんは仰っています。
    ちょっと自分が不安定になっているときに児童文学を読みたくなるのは、それが理由なのだと思います。
    子供も大人も関係なく、読み手を励まし、前を向いて進むパワーをくれるのです。

    『アンドルー・ラング世界童話集』に興味がわきました。
    細かいところまで書き込まれた美しい挿絵も魅力的ですが、恐ろしいものを本当に怖く描いてあるところに、怖いもの見たさの好奇心がうずきます。

  • 非売品だった小冊子「岩波少年文庫の50冊」(宮崎駿・選)を元にまとめた第一部と、3月の震災の前と後の2本のインタビューを元にまとめた第二部。

    第一部の扉を見ると、紙が黄ばんだ、ちょうど日に焼けた時の色で、そうそう岩波少年文庫ってこんな感じだよなー、とまず思う。カラーで、宮崎さんが選んだ50冊が紹介されているけれど、ここも同じヤケた紙なので、抜粋されたイラストが岩波少年文庫の1ページそのもののよう。

    大好きだった本がたくさんあって、うれしい。
    まだ読んでない本も少しあって、楽しい。

    第二部のインタビューで語るように、「つまり、みんな小人になっちゃった」んだな、と思う。
    でも、だからこそ、本が必要だ、とも思う。
    やり直したり、取り戻したりるするためにも。自分を失わないためにも。ただの楽しみのためにも。

    ここにあげられているもの、全て読みたい。全て読んでほしい。それも、子どもよりむしろ大人に。
    読書に疲れたり迷ったり煮詰まったりしたら立ち戻りたい、大事な1冊が出来ました。

  • 宮崎氏のおススメ児童文学50冊とエッセイ。
    その中には、懐かしいお気に入りの本、大人になって知り大人視点で読んだ本、全く知らなかった本も。

    幼いころ、様々に読んだ児童文学の名作が、今の自分を支えていると言ってもいい。
    同じような思いを、宮崎氏もお持ちのようで嬉しかった。
    本との出会いの素晴らしさをまたしみじみと思わせてくれる一冊。

  • 1,000円と、新書としては高めの値段だと思っていたら、本の前半、少年文庫の紹介部分が、まるごとカラーで古い本のような見かけにデザインされていて面白い。
    途中まで、この本は誰に向けて、どんな目的で書かれたのか疑問に思っていたが、もともとは、著者の小学生の友人を想定して、おすすめの児童文学を選んだのだそうだ。そのおすすめリストを元に、著者にとって児童文学はどういうものであるか、語られている。
    本書を読んだ大人は、この本で勧められている50冊の岩波少年文庫を、もちろん、周りの子どもに勧めてあげればいいだろう。
    しかし、著者の推薦文を読んでいるだけで、大人たちもどこか懐かしく、切なくなるはずだ。
    著者も、児童文学の作品の多くは大人になってから読んだという。
    是非、この本をガイドに、すっかり忘れていたかつてのお気に入りの本を読み返したり、これまでに通らずにきた色褪せない名作を手に取ってみては。

  • 宮崎駿さんが選んだ児童文学たち。
    ジブリ美術館で手に入れて、アメリカ行く時の成田までで途中まで読んでて、で、やっと読み終わった。
    とてつもなく児童文学が読みたくなる。
    ホビットの冒険、うちにあったから読み始めちゃった!

  • 児童文学にそんなに熱心に触れてないので、読んだことのないものがたくさんあって、今あえて読みたいと思い、いくつか興味ある本を自分のメモに加えました。

  • 児童書の推薦と推薦にあたっての経緯や本にまつわるエピソード、宮崎駿さん自身の読書体験にアニメーションの裏側などが語られている。児童書の魅力は挿絵や表紙も含んでいて、そこに駿さんのどこか懐かしさを思わせるイラストのルーツがあったのだな。素直な語り口で書かれていて、駿さんが見ている世界を垣間見ているような、まるで小説を読んでいるような、そんな不思議な感覚。終わりの時代に突入していく日本、これからどんなアニメが生まれるのだろう。森見さんの名前があがったときはちょっと嬉しかった。

  • 『思い出のマーニー』について。宮崎駿さんは,『本へのとびら』( http://iwnm.jp/431332 )で,こう紹介しています.――この本を読んだ人は,心の中にひとつの風景がのこされます.…何年もたってあなたが大人になって,この本のことをすっかり忘れてしまっても… 13.12.12 岩波書店

  • ‘自分ができる範囲で何ができるかって考えればいいんだと思います。それで、ずいぶんいろんなことが変わってくるんじゃないでしょうか。’

    もう一度、風立ちぬ をじっくり味わおうと思う。

  • 宮崎駿監督が自身の読書体験を基に岩波少年文庫から50冊をピックアップし、自身へのインタビューを収録したものです。「生まれてきてよかったんだ、と子どもにエールを送る」という宮崎監督の思いが伝わります。

    本書を読んでいる間に宮崎駿監督の最後の長編映画となった『風立ちぬ』が公開され、9月6日の宮崎駿監督引退記者会見が行われました。その宮崎駿監督が長年親しんできた岩波少年文庫の中から50冊を選んで紹介し、さらに自分の読書体験や、児童文学に収録されている押絵外貨に素晴らしいかを語り、『3・11』後の世界を語ったものをまとめております。

    『風立ちぬ』だけでも織り込まれている古典がトーマス・マンの『魔の山』。ゲーテの『ファウスト』。そしてダンテの『神曲』があり、あのハードワークの人生でいつ本なんか読んでいるんだろうか?というのが疑問でありました。その答えはアニメーターとして就職していた会社で仕事がなかったときに集中して岩波少年文庫に関しては読んでいたそうです。それは会社の書庫にあるものを読んでいたそうですが、おかげで鍵を管理していた女性から怪訝な顔をされていたそうです。

    さらにここでは宮崎駿監督が『当代一の絵描き』ということで、挿画についても詳細な解説が加えられております。僕は岩波少年文庫をそんなに読んでいたわけではなく、挿画についてもパッと見ていただけだったのですが、ここまでの解説をされると、『あ、そういう見方があったんだ!』という新鮮な驚きがありました。

    そして、この本の元になったインタビューが『3・11』後の世界に行われたものであり、『風立ちぬ』の製作に追われていたことを感じさせる言葉がいくつもあり、
    「「風が吹き始めた時代」の風とはさわやかな風ではありません。恐ろしく轟々と吹き抜ける風です。死をはらみ、毒を含む風です。人生を根こそぎにしようとする風です。」
    という言葉がとても印象に残っております。

    引退記者会見でも申しておりましたが、
    「生まれてきてよかったんだ、と子どもにエールを送る」
    その思いで自分は映画を作ってきたという宮崎駿監督の選んだ50冊の本は、読む人にとって何らかの形で『心の糧』になることは間違いないようです。

  • 風が吹き始めた、今、ファンタジーを作ってはいけない。
    この言葉に強く共感した。その言葉が書かれているというこの本を読みたくなった。この言葉自体は、ネットの何かの書き込みで知った。
    「吹き始めた風のなかで」の章は、『風立ちぬ』を知った今ではよく分かる。宮崎駿という人が、信じるに足る人なのだと思える。
    今、ファンタジーを作ってはいけない、その答えが『風立ちぬ』なのだと分かる。

    岩波少年文庫の簡単なガイドブックとしてもとても良いと思う。ロビンソン・クルーソーにはちゃんと批判も書き込まれていたりして、真摯だなと思う。
    久しぶりに岩波少年文庫の棚に行ってみようと思い始めた。

  • ≪内容覚書≫
    宮崎駿が薦める児童文学。
    手書きのコメントが印象的。

    ≪感想≫
    世界的に有名な人が、
    どんな本を読んで育ってきたのかな、と、
    ちょっと興味があって読んでみた一冊。

    宮崎監督が本を紹介する本なのに、
    実は読んでいない本や挫折した本が
    紛れ込んでいて、それが逆に安心材料になる。

    どんなものに興味があったのかを知るだけでも楽しいし、
    挫折しちゃう本があってもいいんだよ、と慰められる。

    男女差もあるかもしれないが、
    結構読んだことのない児童文学が多かった。
    今度、この本を参考に、児童文学に立ち戻ってみようと思えた。

    数ある本の中から、読みたい本が見つからない時は、
    こういう紹介本を参考にするといいのかもしれない。

  • 岩波少年文庫50冊のレビューと本に対するエッセイで構成されている。
    もちろん、少年文庫のレビューは参考になったが、一番心に響いたのは67ページの「読まなきゃいけない」という節だった。自分は今まさにその状態で、読まなきゃいけないという脅迫概念のようなものが根底にあるから本を読んでいるという感覚があるし、ここ紹介された50冊のうち何冊読んだ、と考えるのはその通りだと思う。この考えの根にあるのは「読書は役に立つ」という考え方に懐疑的だからなのかもしれない。効果があるから読書するというよりも、自分にあう1冊の本を探すために読書するという考え方があるから、あのような映画を作ることができたのかもしれない、と思った。

  • 談話室の「岩波新書のお勧め」http://booklog.jp/q/3788
    で紹介していただいて手に取りました。

    本へのとびらとして50冊紹介があるのはよかった。
    しかも「自分の一冊にめぐり逢う」という紹介の仕方。

    http://researchmap.jp/jox7rlr2d-50024/#_50024

    3.11について触れていて
    「コクリコ坂から」を完成させるかどうかの議論があったとのこと。
    カレルポラーチェク「ぼくらはわんぱく5人組」
    ジェイムズジョイス「ダブリンの人びと」
    テレビ「水戸黄門」
    小津安二郎「青春の夢いまいづこ」
    中川「たからさがし」

    バーネット 小公子
    オルコット 若草物語
    ドッジ ハンスブリンカー
    鈴木三重吉 赤い鳥
    芥川龍之介 杜子春
    あらしの前
    あらしの後
    などなど作品を紹介しながら、明日の子供への伝言が伝わる。

  • 宮崎駿さんのおすすめ50冊、岩波少年文庫。短い解説文に味があり、それらを通して宮崎作品の心的背景も垣間見える。メモ「読ませようと思っても、子どもは読みません」「子どものときに自分にとってやっぱりこれだという、とても大事な一冊にめぐり逢うことのほうが大切だと思いますね」。

  • 映画監督、宮崎駿さんが児童文学のオススメ名作50冊について書いた推薦文。
    あらすじというより、宮崎監督の思い出や感想で名作の数々が紹介されています。
    その他にも、翻訳家の石井桃子さんや、「グリとグラ」でおなじみの中川李枝子さんについても語っていたり、東日本大震災の後に出版されたこともあって、「三月一一日のあとに」という章では、自分の父親や戦争体験にも言及しています。
    児童文学とは…「生まれてきてよかったんだ」というメッセージ。
    アニメ監督だけあって、挿絵にも詳しいのですが、私が一目で気に入ったのは、ファージョンの『ムギと王さま』で紹介されている絵。
    大きな本棚のある部屋で、月の光(?)に照れされながら、子供が顔をうずめるように本を読んでいる挿絵が紹介されているのですが、それがとってもいい♪
    読みたい本がたくさんできました。

  • - 生まれてきてよかったんだ、と子どもにエールを送るのが児童文学

    そんなフレーズから始まる本書は、宮崎駿さんが岩波少年文庫について語った一冊です。
    知っているものも、知らないものも、どれも魅力的に感じました。

    そんな中でも、挿絵が児童文学に与えた影響ってのは、とても納得がいきました。

    - 児童文学は「やり直しがきく話」なんです。

    今、何かが動き始めた時代だからこそ、本が必要とされている。
    何も数多く読むこともなく、"一冊"を見つけるだけでもいいのだと。

    今企画中という次のジブリ映画がとても、楽しみになりました、、そんな一冊。

  • 私が児童書が好きな理由、「生まれてきてよかった」「やりなおしがきくはなしである」という事がしっかり書かれていて、良かったです。
    石井桃子さんの事もきちんと書いて下さってあって、石井桃子さんことをよく知らない人たちにも、いい紹介になったと思います。だって、石井桃子さんがいなかったら日本人はこんなに素晴らしいお話には出会えなかったと思うから。

  • 児童文学の愛情溢れた紹介文は、大人でも読んでみたいと思わせられます。
    その他にも、3.11後の世界についても宮崎監督の想いが書かれていて、
    お値段は高めの本ですが、私にとっても大切な本になりました。

  • 宮崎駿さんは、児童文学のアニメ化が常にテーマなんだ、と改めて感じた。紹介されている児童文学を、子どもと一緒に読んでいきたい。

  • 小冊子「岩波少年文庫の50冊」を元にインタビューを加えた構成。
    小さい頃、岩波少年文庫が大好きだった私にとっても嬉しい本。

    児童文学とは何か。スタジオジブリが何を目指すか。
    そういう話もあって、これも面白かった。

  • これは借りて読んだものですが、今度買います。宮崎さんという日本を代表するアニメ監督がお薦めした本は本当に良書なんだと思います。

  • 児童文学の世界では、やりなおしがきく。こどもたちに、そういう世界にもっと触れてほしい。宮崎駿のそんな思いが、印象的だった。児童文学の作品を、自分が好きで読んでいたのではなく、仕事にするから義務感で読んでいたといってのけているところに、プロ意識を感じる。

    救いのない小説はどうしても読むことができないそう。戦後日本の少年の心がまだ地球上にあって、創作に向き合っていてくれることが、本当にこころづよい。

  • 宮崎駿と児童文学との関わりを、岩波少年文庫から読みとく本。
    物語に出会う面白さ、ワクワク感、夢中になる感じがよく出ている。文中にある本をすべて読み返したくなるほどだ。
    児童文学は、やり直しがきく話である、というのには同感する。未来に希望がある話でないと読みたくない派だし。

    わたしは完訳が好きだから、あまり岩波には触れてこなかった。どちらかというと福音館のほうが分厚いししっくりくる。でも読むとっかかりには岩波は手軽でよいんでしょうね。
    資金が潤沢にあればどちらも揃えてやりたい。
    読書のレファレンスも、読解力が低くてもチャレンジできる少年文庫しばりで紹介するのもよいかもしれない。
    司書として夢が広がる。

  •  「児童文学はやり直しがきく話である」と宮崎駿はいう。「人生は再生が可能だ」というのが児童書のいちばんの大きな特長であったはずだと。
     どうにもならない、これが人間という存在だというある意味シビアで現実的な批評的な文学とはちがって、児童文学のそのメッセージは「生まれてきてよかったんだ」というものである。生きててよかった、生きてていいのだということを子どもたちにエールとして送ろうというのが基本的なきっかけであったはずなのだ。「子どもにむかって絶望を説くな」という。いま世間には探そうとしないでも絶望で溢れ返っている。だからこそ児童文学は子どもたちに読んで欲しい。優れた児童文学は大人こそ読むべきだというものが多い。ガイドとして50冊紹介されているので参考になるだろう。

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本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)の作品紹介

「生まれてきてよかったんだ、と子どもにエールを送るのが児童文学」。アニメーション界のトップランナーとして世界的に注目される著者が、長年親しんできた岩波少年文庫の中からお薦めの五〇冊を紹介。あわせて、自らの読書体験、児童文学の挿絵の魅力、そして震災後の世界についてなど、本への、子どもへの熱い思いを語る。

本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)はこんな本です

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