現代中国の政治――「開発独裁」とそのゆくえ (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
3.33
  • (1)
  • (7)
  • (11)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 107
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313717

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ここ20年の中国の動きはまさに「巨龍」。人口14億人を抱える巨漢でありながらもその姿かたちはダイナミックに変容し龍の如くその身をうねらせながら天空を舞う。毛沢東の文化大革命、天安門事件の弾圧、経済の跳躍、そして昨今の日中貿易戦争。

    我々日本人の感覚だと中国はオーウェルの『1984』的計画経済の世界というイメージを少なからず持ち、共産党一党体制という自由演技が制限されたなかで、本書が語る「開発独裁」擁立に成功し、米国と双璧を成すまでのGDP世界2位の経済大国までに成長した。驚愕と危うさを抱えながらさらに躍進していくであろう中国の、変遷最中(2012年刊行)を捉えて分析した興味深い新書である。

    とある人が「中国4000年の歴史は連続の歴史ではなく不連続と変容の歴史」と語っていた。的確に中国を表した言葉だと思う。

  • タイトルのとおり現代中国の政治システム、特に多くの日本人にとって馴染みがない党と政府が一体となった政治システムが簡潔に説明されています。
    個人的に印象に残っていたのは、従来形骸的なものだった選挙のシステムが部分的にでも導入されている点で、省長の選挙で保守的な候補者が事実上落選したり、落選がきっかけで中央政治局委員の道が断たれた人物がいるなど、ごく一部では機能しはじめているという点です。
    また、政府に対する集団講義活動への対応等も変化しているようであり、表面的には変わらないものとして私の目にうつっていた中国の政治行政システムが確かに変化している(又は余儀なくされている)ことが新鮮でした。

  • 現代中国の過去と現在、未来を客観的に分析。悲観も楽観もしていない在日中国人研究者としての冷静な観察眼。
    今の中国は「フランス革命前のアンシャン・レジーム』と誰かが言っていたけど、習金平体制は滞りなく続くのだろうか?

著者プロフィール

*2013年4月現在 早稲田大学政治経済学術院教授

「2013年 『ユーラシア地域大国の統治モデル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

唐亮の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×