- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004313717
感想・レビュー・書評
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ここ20年の中国の動きはまさに「巨龍」。人口14億人を抱える巨漢でありながらもその姿かたちはダイナミックに変容し龍の如くその身をうねらせながら天空を舞う。毛沢東の文化大革命、天安門事件の弾圧、経済の跳躍、そして昨今の日中貿易戦争。
我々日本人の感覚だと中国はオーウェルの『1984』的計画経済の世界というイメージを少なからず持ち、共産党一党体制という自由演技が制限されたなかで、本書が語る「開発独裁」擁立に成功し、米国と双璧を成すまでのGDP世界2位の経済大国までに成長した。驚愕と危うさを抱えながらさらに躍進していくであろう中国の、変遷最中(2012年刊行)を捉えて分析した興味深い新書である。
とある人が「中国4000年の歴史は連続の歴史ではなく不連続と変容の歴史」と語っていた。的確に中国を表した言葉だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルのとおり現代中国の政治システム、特に多くの日本人にとって馴染みがない党と政府が一体となった政治システムが簡潔に説明されています。
個人的に印象に残っていたのは、従来形骸的なものだった選挙のシステムが部分的にでも導入されている点で、省長の選挙で保守的な候補者が事実上落選したり、落選がきっかけで中央政治局委員の道が断たれた人物がいるなど、ごく一部では機能しはじめているという点です。
また、政府に対する集団講義活動への対応等も変化しているようであり、表面的には変わらないものとして私の目にうつっていた中国の政治行政システムが確かに変化している(又は余儀なくされている)ことが新鮮でした。