出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)

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著者 : 村井康彦
  • 岩波書店 (2013年1月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314059

出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 村井康彦先生、まだまだ元気だなあ~。(^o^)著者紹介もみるともういいお歳(失礼!)にもかかわらず、アクティブにフィールド踏査を重ね、また、さまざまな学問の垣根を越えてダイナミックな仮説を提示されるなど、心身ともに誠にお若い!
    氏の専門である歴史学のみならず、考古学や文化人類学等の近隣領域を融合し、神話の世界から古代出雲と大和の関係の実像に迫る力作で、記紀に描かれた「大和朝廷」成り立ちの物語、出雲の大国主命の活躍から天照大神の子孫への国譲り、そして神武東征から大和王権の確立に至る神話について、大胆に読み解く。
    鉄生産から勢力を拡大した出雲族の各地への展開は、大和へ至る磐座(いわくら)信仰の拡大、そして高志(越の国)にまでみられるヒトデ!(四隅突出墓)の存在により証明される。大国主命をはじめとする出雲系の神々を奈良の三輪山をはじめ、祭る理由は、かつてそこが出雲王国の一部であったことを物語るものとし、さらに、邪馬台国も大和で発展した出雲系氏族連合であったとする。それが、九州から侵攻してきた神武軍に敗れ、降伏する形で邪馬台国は終焉したという。また、国譲りの際に約束された大国主命を祭る宮殿が約束通りに建てられないため皇子が唖になったとの神話から、その後の巨大な出雲大社の成立につながるとしている。奈良時代おける出雲国造家が大領(郡司)を兼ねて勢威を高め、大和朝廷を護る立場になった出雲神々を強調する話なども興味深かった。
    神話の神々の名前を憶えるのに難儀しましたが(笑)、歴史学としての神話解釈という難問を、氏ならではの流麗で論理が明快な文体にて、各地を巡る紀行を交えながら面白く構成巧みに説明されていて、興味が尽きないまま読み終えることができました。富山にも杉谷四号墳という有名なヒトデがあり、ずっと昔に見に行ったこともありますが、また新たな興味で見学に行きたくなったなあ。(笑)


    2013年7月19日追記
     「いずも」と「やまと」のお門違いの考察については、「コメント」の方へワープ!(笑)

  • よく岩波新書から出せたな…

  • 出張中の読み物として選んだが。

    朝日新聞が慰安婦や原発事故の誤報のお詫びを掲載した際、江川紹子さんが検察特捜部と同じ病理と批判してましたね。つまり、先にストーリーを作って、それに合う事実を探して起訴事実、ないし記事を作っていると。

    そういう本です。出雲の勢力は日本を支配したはずと結論ありきで、無理やり証拠を作っちゃう。饒速日つまり物部氏とか丹波の元伊勢神社は出雲系としてます。磐座を証拠としてますが、磐座って出雲だけのもの?。その他の証拠もかなり強引で、信用できない。
    無茶苦茶な証拠を並べて「STAP細胞はあります」と云われてもねえ。

    ★一つで良いとおもったけど、終盤の出雲国造の考察や出雲大社がいつ創建されたかという話は面白かった。

    しかし、岩波新書がこんな出鱈目な本を出していいんでしょうか。

  • 出雲と鉄生産から推測される出雲文化圏の考察が面白かった。
    しばらくこの辺りの歴史を探検してみたい。

  • 出雲界隈の紀行文と、記紀の解釈が織り交ぜて、出雲という神話の国と大和朝廷成立の関係についての自説を述べている本である。西日本の地名や位置関係の勘が鈍い東日本人には、イメージを膨らませながら読み進めるのは辛かったが、どうぜ誰も見たこともない時代の事なので、勝手に色々想像しながら読んでも、誰も困らないだろう。

  • 20160229読了
    2013年出版。邪馬台国は奈良。福岡・伊都が中国との中継地点で、伊都から出雲を経て海路で関西北部に上陸、その後陸路で奈良というルート。出雲と邪馬台国のつながり、その後の大和朝廷との関係を考察した本。●昔の神々の名前は目が滑る。世界史の横文字の名前でくらくらするのと同じくらいの滑りっぷりで困った。●国司(くにし)神社は大国主命を祀る。もとは国主(くにしゅ)神社。出雲系神社の指標としては、おしりを持ち上げた狛犬と、社日さま(五角形の石柱)。

  •  卑弥呼は天皇家とは無縁 村井康彦著『出雲と大和 古代国家の原像をたずねてー』.
     本書を理解するためには、「あとがき」から読みはじめると、よい.本書の意図が提示されている.

     1)大和の三輪山は山体自体が、出雲系の大国主神でること.
     2)8世紀はじめの国造が「賀詞」を通じて、<貢置>を申し出ている.
     それは大和朝廷が成立する以前から、出雲系の神が大和に存在して(大和の)<守り神>となっていた.
     3)卑弥呼は大和朝廷とは無縁の存在であり、大王=皇統譜の系譜に載せられるべき人物ではなかった.

     文献史学者は悩む.記紀に語られる「神話伝承の世界とは何であろうぁ」、と(「はじめに」 Xp).
     そのうえで、「古今東西これを=神話をもたない民族も地域もない.だとすれば神話伝承をさけて通る古代史というものはありえないだろう」と、考える.

     記紀を緻密に読み解く.そこで見えてきたこと.
     大和のさきに、出雲、吉備、丹後の神々の国がさきにあり、そこに神武東征後、大和の覇権が後世に記録されたと、読む.

     神話を、「枝葉末節が剥ぎおとされて、根幹部分が残ったものとみることができる」と、読み解いた.
     「作業仮説」.そうした論があるかも知れない.ただ、文献史学者で著明な著者が、ライフワークの国分寺調査で積み上げた聞き取りに、考古学上の知見、神話の新しい機能を確認したうえでの立論には、尊重すべき点も豊富に、書き込まれている.

     

  • 読了。

  • 大国主の出雲王朝と大和王朝の関連性
    を考察した内容。邪馬台国と大和王朝の
    関係。古事記や日本書紀、記紀に書かれてある
    神話や言い伝えの内容からくるところの考察など
    なかなか面白いところも多くありました。
    古事記を読んだ後なので、よくわかったことが
    多くありました。
    ただ少し自分の考え方について、正しいとの思い込み
    が強い気がして突っ込みたい内容もある感じがします。

  • 面白い
    邪馬台国が出雲系説はなかなか説得力があった

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出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)はこんな本です

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出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)の作品紹介

大和の中心にある三輪山になぜ出雲の神様が祭られているのか?それは出雲勢力が大和に早くから進出し、邪馬台国を創ったのも出雲の人々だったからではないか?ゆかりの地を歩きながら、記紀・出雲国風土記・魏志倭人伝等を読み解き、古代世界における出雲の存在と役割にせまる。古代史理解に新たな観点を打ちだす一冊。

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