出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314059

感想・レビュー・書評

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  • つまらない本でした。なぜそうなのか、以下に述べます。

    内容(「BOOK」データベースより)
    大和の中心にある三輪山になぜ出雲の神様が祭られているのか?それは出雲勢力が大和に早くから進出し、邪馬台国を創ったのも出雲の人々だったからではないか?ゆかりの地を歩きながら、記紀・出雲国風土記・魏志倭人伝等を読み解き、古代世界における出雲の存在と役割にせまる。古代史理解に新たな観点を打ちだす一冊。

    そのリード文を見た限りではとても魅力的な内容に思えた。最近は新書さえも図書館で借りることが多かったのだが、予約が何人も重なっており順番が回ってくるのが半年後になることが明らかだったので珍しく買ってしまった(「はじめに」で岡山県総社市の総社宮について書いていたし)。

    後悔した。

    「はじめに」で神話伝承をふんだんに引用することを宣言しているのである。もちろん、それは絶対に悪いことではない。しかし、いやしくもテーマが歴史研究である限りは「歴史的事実と神話伝承はハッキリ区別しながら論をすすめていく、事実記述と推論部分は明確にする」のが最低の科学的な態度であるだろう。ところが、この人はそれを全てごっちゃにして書いていた。三世紀の邪馬台国の考古学的事実と七世紀の古事記の記述を年代の記述を一切無しに並行して書いていた。そして、本来推論であるべきところを突然「断定する」のである。これはつまりある老人の夢物語、文学である。岩波新書というブランドに騙された私が悪かった。
    2013年4月8日読了

  • 古代史って、物証が少ないから、いろんな説が立てられる。思い込みや希望的観測でどうにでもなる。だから、その主張の仕方に作者の人柄がでて、好ましい人とそうでない人の差が大きい。この本は、書かれていること自体は、興味深いと思う。でも、主張の仕方がいただけない。我田引水が鼻につく。自分に酔ってるように感じる。そして、美文ではない。売れているからって手にとってしまって、失敗した。

著者プロフィール

村井康彦(むらい・やすひこ):1930年山口県生まれ。京都大学文学部大学院博士課程修了。専攻は日本古代史・中世史。国際日本文化研究センター名誉教授・滋賀県立大学名誉教授。著書『出雲と大和』『藤原定家「明月記」の世界』『茶の文化史』(以上、岩波新書)、『武家文化と同朋衆』(ちくま学芸文庫)、『王朝風土記』(角川選書)など多数。

「2023年 『古代日本の宮都を歩く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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