タックス・イーター――消えていく税金 (岩波新書)

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著者 : 志賀櫻
  • 岩波書店 (2014年12月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315179

タックス・イーター――消えていく税金 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 税金、いっぱい取られてるよね。買い物をすればもれなく消費税を
    取られるしさ、お酒には酒税、煙草にはたばこ税、温泉を利用すれば
    入湯料、ホテルに宿泊すればサービス税。その他諸々。

    納税は国民の義務だけれど、その使い方についてはまったくと言って
    いいほど知らされない。政治家やエライお役人様が、まるで自分の財布
    のごとく、湯水のように税金を無駄遣いしている。

    時折、会計検査院の調査でとんでもない無駄遣いが判明して報道される
    ことがある。その無駄遣い、誰が返してくれるのかと言えば誰も返済して
    くれない。

    そうして国は言うんだよね。「財源がないから増税します」って。

    消費増税とセットのはずだった議員定数の削減の話はどこへ行って
    しまったんでしょうね。増税だけして議員定数の削減には今のところ
    知らんぷりのようだけれど。

    さて、本書。元財務官僚の著者が昭和からの税金の歴史を解説しな
    がら、私たちが払った税金が食い物にされているかを暴露している。

    分かってはいたけどね。不必要な箱物ばっかり作ったり、族議員が
    予算の分捕り合戦をしていたりはさ。

    結局さ、どんなに消費税率を上げようと、分捕れるところから分捕ろうと
    新しい税金を考え出しても日本が抱えている負債ってのは減らないの
    ではないかね。

    納税の義務に対し社会保障を受ける権利があると思うんだけど、この
    権利は近い将来、消滅するんじゃないのか。

    だって年金受給年齢は段階的に引き上げられ、受給金額は実質
    引き下げが続いている。まして超少子高齢化なんだよね。お先、
    真っ暗か、日本。

    外遊先で大盤振る舞いしている安倍晋三だけれど、他国にお金を
    ばら撒いている場合じゃないぞ~。

    あ…そうか。社会保障が破たんしているから「一億総活躍社会」
    とかで「一生働けっ!」ってことなのね。

    悠々自適な老後は幻か。

  • p169-170にある次の記述はゾッとする.
    「社会保障全体の支出ベースの規模は100兆円を超えていて、一般会計社会保障関係費30兆円の支出は、じつはそのごく一部に過ぎない.厚生労働省は、社会保障関係費の一般会計ベースの30兆円が今後1兆円ずつ増えていくというが、一般会計には計上されない100兆円を優に超える社会保障の支出までカウントすれば毎年3~4兆円ずつ増えていく.」
    多国籍料理の租税回避の実態はどうしようもない段階にあり、全世界で取り組む問題だろう.読後感はとても暗い感じだ.

  • 巷間よく言われてきた話題だと思うけど,ここまでひどいとは。「給与生活者ば馬鹿をみる」。やはり官僚組織にメスを入れていくしかないのかな。いまの政治家にあまり期待はできないけど。原発等に関する各政策への無駄な投資についても実態を暴き出してほしかった。「もんじゅ」をやめるだけで,どれくらいの金額が福祉や教育にまわせるかと考える。

  • タカリの構造をなんとかしない限り,財政は良くならない。

    情報処理学会誌の書評で紹介されていたので,図書館から借用。

  • けしからん人が 多く登場するが、税金を取り巻く全体像を知ることができる

  •  現在の財政赤字のいったいどのくらいが、タックス・イーターの口に入り、全くの無駄になったのだろうか。本書には「絶望」しかない。この国を支配している政治家、官僚と資本家たち。税の再分配こそが政治・行政の最も重要な仕事のはずが、実際には中間層から「巻き上げた」税金は、政治家、官僚と資本家を富ませるだであった、と本書はいう。政治家と官僚、資本家が税金を食べていく、その手口は凄まじいばかりに多様で、ある意味税制、予算はそのためのつくられている。このことを知ると、税制や予算に関するニュースが全然別の見え方をしてくる。

     国民は怒らなければならない。しかし、新聞や出版が軽減税率(この場合、新聞や出版はタックス・イーターそのものになる)を求めるような社会では、メディアがそのことを追求することは決してないのだろう。

  • タックス・ヘイブンの続編。前作の自身の官僚生活の自慢話から打って変わって、こちらは日本の税制にまつわる政官財の仕組み、問題点の解説を中心としたまっとうな新書だった。自慢話は100分の1ぐらに減ったし、解説もそれなりに分かりやすく、かつ、どうしたらよいかという解決策も提示されている。タックス・ヘイブンの話も含まれているので、こちらを読めば十分だと思う。

  • 税金を不正・脱法的に治めない多国籍企業・無国籍企業、限られた財源を無駄な予算・事業に使おうとする鉄のトライアングル(官僚ー族議員ー所轄事業)を、筆者は「タックス・イーター」と定義する。

    筆者はこうした「タックス・イーター」や、こうした「タックス・イーター」を生き残らせる温床にもなった多額の財政出動をもたらす原因にもなった、アメリカの外圧を厳しく批判している。
    ただ、結局こうしたタックス・イーターが未だにはびこる最大の理由は、納税者による監視の目がいかないことである(立法的・行政的な制度、ないし国民の意識)。

  • 国民の税金を食い荒らし、日本経済の屋台骨を蝕むタックス・イーターの悪行を明るみに出す。それが本書の目的だ。すでに破綻していることが明らかな日本の社会保険制度について、厚労省は詭弁と欺瞞の限りを尽くしてその将来的な健全性を国民に向けて喧伝し続けている。日本の国民年金(基礎年金)、厚生年金と共済年金の関係について、「国民年金の積立金が不足しているので、厚生年金と共済年金の積立金を取り崩して当てている」という筆者の解釈には唖然とした。これではますます国民からの信頼をなくすであろう。このタックス・イーター退治には、会計検査院の権限強化が効果的ではないかと筆者は説く。
    P182
    会計検査院の機能を拡大強化して、タックス・イーターの事例の数々を発見し、評価し、公表し、是正を勧告できるように制度を整備し、予算と人員を配備してはどうか。〜会計検査院法の定めるとおり、政府の政策をその「経済性、効率性及び有効性の観点」から評価をする機関としての会計検査院の権限を実施することである。すなわち、政府に対する「ウォッチ・ドッグ」に変わることである。〜国会では衆参両院に決算委員会が設置されているが、どちらも動かす手足がなく、調査をしようにも何もできない。そのような決算委員会の手足としては、憲法上の機関である会計検査院が適当である。現行の検査院法によって法律上はすでにそうなっており、それを実行しなくてはならない。
    P199
    さる専門家が、「今のような日本の財政や経済の状況だと、戦争を起こして解決するのがふつうなのだがね」と話すのを聞いたことがある。〜しかし、そのような選択肢があってはならない。そうなると、問題解決を考える為政者としては、戦争に代わる別の手段を考えておく必要がある。その一つとして挙がる候補は、ハイパー・インフレーションである。ハイバー・インフレーションは、庶民から購買力を強制的に奪うので、形を変えた税であると理解されている。しかも、誰にどのような負担が行くのかが明確でないため、税としては甚だ始末に負えない類の税である。もしも万策尽き果て、そのような選択肢を取ったとき、政府をはじめ国家全体は巨大なタックス・イーターに豹変するであろう。

  • キャッチーな「タックスイーター」という言葉を駆使しながら、国の会計の仕組みが簡潔にまとめられている。

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タックス・イーター――消えていく税金 (岩波新書)の作品紹介

国民の税金を食い荒らし、富を奪い取る者は誰だ。政治と経済に隠然たる力を及ぼし、法を逆手にとりながら、文明の対価であるべき税を掠めてゆく。揺らぐ財政の屋台骨。国を存立の危機に追い込む悪行を見過ごしてよいのか。その不正と複雑なからくりを解明し、日本の暗部に切り込む。好評『タックス・ヘイブン』の続編。

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