村 百姓たちの近世〈シリーズ 日本近世史 2〉 (岩波新書)

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著者 : 水本邦彦
  • 岩波書店 (2015年2月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315230

村 百姓たちの近世〈シリーズ 日本近世史 2〉 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 史料から人が生きていたことが、ありありと伝わってくる。農業が技術であったことと肥料を通してその移り変わりを描く。最終章の開発と災害に至って、一気に記述のダイナミズムが増す。歴史が今に繋がることがリアルに感じられた。

  • とても面白かった。児玉幸多『近世農民生活史』に匹敵する、新たな近世農村史入門書といってよいのではないだろうか。コンパクトなぶん、児玉書よりとっつきやすさという点で利あり、である。

    印象的だったのは、中世の自力のあり方を「自助型自力」としたうえで、近世のありようを「身分型自力」と位置づけたところ。「身分型自力」とは、①天下の「政道」や「成敗」については公議権力の力を支持し、これに依存する、②生産や生活秩序については自分たちでルールを決める、③そして、①によって生じた余力を生業に投入する(p.102)、といったもの。

    定められたそれぞれの身分が、依存しあいながら「自力」を発揮し生産を増大させていくというイメージは実に明確で、伝わってくる。いささか唐突だが、戦後の日本が、軍事力においてはアメリカに依存しつつ、経済復興に全力をつくしたというイメージと重なりあう部分もあるように思えてくる。(ただ、戦後の日本がアメリカの「政道」にどこまでもの申したか、と言われると、微妙なところだが)

    もうひとつ、以下の記述が印象的である。

    「「自然にやさしい循環型社会」の象徴とも見られる近世の里山は、じつは人間の生業と自然の遷移との厳しいせめぎあいの場であり、その景観は自然を人間仕様に改造した状態だった」(p.145)

    「近世エコロジカル論」みたいなものがいかに非歴史的かということを述べたある種痛快な文章だった。

    ほかにも土木行政国家としての近世国家というイメージ(p.115)も、印象的であった。

  • 以前別の本で鉄火起請を知り「近世農村怖ぇ〜」てガクブルったけど、この本で実際はそう滅多に実施しなかったと知り、多大な安心と少しの落胆を感じた(笑)

  • 読了。
    近世農村史。

  • 大学院の演習で水本先生の研究書を輪読したことがあるので理解しやすかった。

    本書は、著者が80年代後半から主張されている江戸時代の自治村落論研究の内容を一般書の形で書かれたものである。

    特に氏が主張した画期的なものに公儀と村が互いに依存し、時にはせめぎ合う関係にあるということを明らかにされた。

    また、本書後半では2011年の東日本大震災に関わってか、災害復興の村の「自助」と、公儀領主が村の「自助」に期待していた様子をうかがい知ることができる。

    歴史学の「ムラ」に関する研究に疎い人でも、第1章を読めば具体的な「ムラ」の様相を理解することができる。

    新書の形をとっているが、かなり内容の濃い充実した一冊である。

  • 2015年5月新着

  • 「古くさい因習の共同体とイメージされがちな近世の村社会。だがこの時代、百姓たちは生産力の主な担い手であり、互いに支え合いながら田畑を切り拓いて耕し、掟を定めて秩序を保ち、時には国家権力にさえ物申す存在だった」(カバー袖より)

  • 勉強になりました。

  • 配架場所 : 新書
    請求記号 : SHIN@210@S102@1-2
    Book ID : 80100012230

    http://keio-opac.lib.keio.ac.jp/F/?func=item-global&doc_library=KEI01&doc_number=002458879&CON_LNG=JPN&

  • <目次>
    はじめに
    第1章  村の景観
    第2章  村の成立
    第3章  百姓と領主
    第4章  暮らしと生業
    第5章  開発と災害
    おわりに

    <内容>
    近世の村の様子を具体例を多く挙げて解説。特に目新しいものはなかったが、今まで読んできたものと照らし合わせると、①百姓は支配層(武士)に服従していたわけではない ②村は入会地を管理し、また入会地は他村との抗争の場であった ③集約的農業の発達により、里山を開墾や入会地として開発しすぎたため、災害が頻発し、農業の発展ひいちは社会の発展が停滞していった
    というところでしょうか?
    データとして農家の収支の表があり、授業で使えそうな気がしました。

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村 百姓たちの近世〈シリーズ 日本近世史 2〉 (岩波新書)の作品紹介

古くさい因習の共同体とイメージされがちな近世の村社会。だがこの時代、百姓たちは生産力の主な担い手であり、互いに支え合いながら田畑を切り拓いて耕し、掟を定めて秩序を保ち、時には国家権力にさえ物申す存在だった-。活力あふれる村の生活を丹念に追うことから近世日本に新たな光を当てる、画期的な一書。

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