在日朝鮮人 歴史と現在 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315285

作品紹介・あらすじ

一九四五年、朝鮮は日本の植民地支配から解放された。二〇一五年は、七〇年という節目の年になるが、日本と南北朝鮮との間には今なお問題が山積している。在日朝鮮人をめぐる問題もその一つである。植民地期の在日朝鮮人世界の形成、解放から高度成長期以後の世代交代と多様化、そしてグローバル化へと至る現在までを扱う。

感想・レビュー・書評

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  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001059656

  • 実際にはこれと違う
    「在日朝鮮人 歴史と現状」山田照美・朴鐘鳴
    (明石書店)を読んだ。

    朝鮮人からしたら確かに、帰化しろよなんて気軽に言うんじゃねーよ昔のこと水に流す気かよと言う気持ちも分かる。だからこそ同和と違って「私は気にしないよだって友達だもん」って言われると烈火の如く怒り出すんだよな。その一方で、実際に在日の犯罪者が多いんだよな。ただでさえ遺伝子レベルで恨み持ってる人達なんだもん、出来るなら封じ込めたくもなるよな。

    世代が変わり当時者意識が薄れていく中で、今後はゆるーくお互い忘れていって帰化する人が増えるんじゃないかな民族意識だのどうこうではなく、そんなの古いやん知らんしええやんってなって融和していくんだと思うけどね

  • 併合から現在までの日本と韓国、朝鮮との関わりがよく分かる
    ヒトを単なるモノ、資源として扱うことが問題を産んできた、ヒトは人であることを理解することが重要

  • 植民地化から現代に至るまで、在日朝鮮人を取り巻いてきた環境について丁寧に説明がなされ、予備知識がなくてもかなりのレベルでどういう困難に直面してきたかがわかる。
    思想的にもかなり中立的だと思う。

    そして、差別の歴史を恥ずかしく思うとともに、本国の動乱にこれほどまでに在日朝鮮人のコミュニティが翻弄されてきたのかと衝撃をうけた。

    しかし、現代に於いてますます悪化している在日朝鮮人への”蔑視”とも言える恥ずべき行為を鑑みると、少し未来に対して明るすぎる展望にも感じられた。

    とにかく、前半の水野先生の書かれたパートは鋭い指摘の連続で、自らの歴史認識を改めさせられる。
    後半の文先生も、戦後の複雑な歴史をわかりやすく大きなフレームワークを提示して示してくれているので、混乱することもなく、事実関係が整理される。

    在日朝鮮人について知りたい、と思ったらベストな本だと思う。全国民がこれを読めば少しはマシになるのだろうか。

  • 新 書 IS||316.81||Miz

  • 1910年の韓国併合によって韓国・朝鮮人は帝国臣民とされたが日本人と同様な取り扱いはされてこなかった。戸籍自体から区別されていた。第一次世界大戦勃発により日本国内の労働力が必要とされ、併合以前と比べて日本への労働力としての導入が図られていった。そしてその時から在日のルーツがある。朝鮮半島で生活できなくて日本に渡ったり、日本が労働力が必要で徴収したりした。また朝鮮半島の政治状況にも影響され、朝鮮総連系と民団系で衝突と緊張があった。この時代から戦後に至るまでの日本国内での韓国・朝鮮人の状況について記述されている。ほとんどが知らなかったことである。貴重な内容と感じた。

  • 在日朝鮮人、在日韓国人の誕生から現在の状況までが資料や数値に基づいて説明されている。総連や民団など詳細な在日団体の争いや内部事情の記載はくどく感じるものの、総じて客観的、冷静な記述であると思う。

  • 在日朝鮮人に関わることを網羅的に学べる本。

  • 朝鮮・韓国近現代史を専門にする、日本人と在日朝鮮人二世の学者による共著。
    著者らはまえがきで、本書は、大きくは、「韓国併合前後から、植民地期の在日朝鮮人世界の形成を経て、戦時期の試練へと至る時期」を扱った前半と、「朝鮮解放から、高度成長期以後の在日朝鮮人の世代交代や多様化を経て、グローバリゼーションの時代へと至る時期」の二つの部分から成り立ち、前半は「植民地と支配本国との間の移動という特殊性を持ちながらも、現代の移住労働者と共通する面があると考え」て「移民労働者という側面に注意を払うことにし」、後半は「国籍や民族にまつわる画一的な見方や観念ではもはや捉えきれないような、在日朝鮮人のありのままの多様な営みや思いを記すように努めた」と書いている。
    私は、第二次大戦と朝鮮戦争を経て、北朝鮮と韓国という二つの祖国を持つこととなった在日朝鮮人の歩みと現状に関心をもって本書を手に取ったが、第二次大戦までは、植民地と支配本国という比較的シンプルな構造の中にあった在日朝鮮人の世界が、戦後、朝鮮半島の分断等を背景に大きく変化して行ったことが詳細に描かれている。
    具体的には、終戦直後の「朝連」の結成と1949年の解散、日本共産党の指導の下にあった民族対策部「民対派」と金日成など北朝鮮労働党との結びつきを重視する「民族派」の対立、1953年の朝鮮戦争停戦後の北朝鮮の影響を受けた「総連(在日本朝鮮人総連合会)」の発足と1959〜61年の7万人の北朝鮮への帰国、民族教育を重視した「総連」と日本での法的地位の改善に取り組んだ「民団」や「韓学同・韓青同」、1960年代後半の朝鮮籍在日朝鮮人と韓国籍在日朝鮮人の比率の逆転等。
    そして、1970年以降については、在日朝鮮人の中で二世世代が70%を超え、高度成長期に人格形成を果たした在日朝鮮人の戦後世代が、就職、結婚、子育てと、生活者として地域社会の現実に向かい合った過程が示され、更に、1980年代後半以降の日本への外国人労働者等の大量流入や韓国人ニューカマーの増加により、在日朝鮮人世界および日本人の意識が変化してきたことが記されている。
    歴史認識を背景に日韓関係が冷え込む中で、ややもすると一方的な見方になりがちな両国間の問題を、様々な視点から認識する上で参考になる。
    (2015年4月了)

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著者プロフィール

1950年生まれ。京都大学名誉教授、部落解放・人権研究所朝鮮衡平運動史研究会共同代表。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は朝鮮近代史。主な著作に、『生活の中の植民地主義』(編著、人文書院、2004年)、『創氏改名-日本の朝鮮支配の中で』(岩波新書、2008年)、『朝鮮衡平運動史料集』『朝鮮衡平運動史料集・続』(監修、解放出版社、2016年・2021年)などがある。

「2023年 『植民地朝鮮と衡平運動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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