- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004316343
作品紹介・あらすじ
祭りに相撲、友人の死、敗戦の記憶、そして大震災-。浮き世の様々な出来事を、武玉川から子規、漱石や荷風、万太郎、現在活躍中の俳人まで、古今の俳句を通じて描く。時に鋭く怒り、時に呵々大笑。名吟佳吟を引きつつしなやかに世を斬る練達の筆に、近年の世相が鮮やかに浮かび、俳句というものの魅力を改めて感じさせる。
感想・レビュー・書評
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新旧の時代を表す名句を紹介し、俳句の奥深かさを綴る。
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手軽に読めてまた、関東大震災から東京大空襲まで歴史の勉強にもなる。月刊誌みすずの投稿を集めたものなので時事ネタも豊富である。ただし、俳人として一般にそれほど知られていない人もいる。
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俳句に絡めて,日本の情景を古くは江戸時代までに遡って,映画のように表せる巧みな言葉遣い.あまり使わない四字熟語が満載で,その都度辞書を捲り乍ら楽しみました.
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世の出来事、日々の己の事件を俳句と照らし合わせ、あるいはその逆も面白いものです。
粋と思えるから老境の趣味なのでしょうが、子規も20代ですからね。
昔の人はイキだったんですね。 -
他の俳句関係の本を探しに行ったのですが、そこの書店には目的のものが見つからず、ふとこのタイトルが目に留まりました。
平成二十二年から雑誌に掲載された俳句エッセイ。
数々の俳人の句を交えながら世相を語ったものでした。
しみじみと読み終えた感じです。 -
古今の俳句を通じて世相を縦横に語りつくす
月刊誌『みすず』の1ページ連載7年分73本を収録
仰のけに落て鳴けり秋のセミ 一茶
うつす手に光る蛍や指のまた 太祇
光洩るその手の蛍貰ひけり 汀女
鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし 鷹女
国境になるとは知らぬ河の水 彬
戦前の一本道が現るる 敏雄
朝寝して寝返りうてば昼寝かな 風天
「世相回顧が行く手の展望へ」と願った命名「俳句世がたり」