キャスターという仕事 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316367

感想・レビュー・書評

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  • 切り口が面白いクローズアップ現代のキャスター
    番組を面白くしているのは編成もさることながら、徹底した掘り下げと、ネガティブなキャスターの視点だと言う。
    それが視聴者のwant を引き出しているのだとある。
    番組作りの過程やキャスター個人の成長を読んでいると、生き生きして仕事しておりとても羨ましい。
    成功する人は真剣だ。手を抜いてる所がないか?自問して仕事に向かっていると感じた。
    しかし筆者のネガティブが強調され過ぎて、明るい所が見当たらなかった。23年もするのだから立派だが、なんか暗い

  • 思ったほどたいした内容じゃなかった。
    国谷さんの半生には興味ないし、クロ現の捏造取材についての言い訳もどうでもいい。
    番組制作の裏話も興味をそそらない。
    第10章の「変わりゆく時代のなかで」をもっと読みたかった。
    23年の間に世界が大きく変わりNHKも変わった。
    国谷さんじゃなく、第三者がクロ現の23年間を客観的に分析して時代を読む、という企画の方が面白かったんじゃないだろうか。

  • まだ生活の中にTVがあった頃、クローズアップ現代はよく観ていた番組だった。しかしここまで考えられて作られているようには見えなかったし、いつも尻切れトンボで締まりのない番組との印象しかなかった。残念ながら少なくとも自分には彼女のコダワリは十分に伝わっていなかった。
    テレビの持つ特性として、物事を過度に単純化し、視聴者の共感を促す事が挙げられていたが、これは制作側がよほど抑制的に番組作りをしなければ強力な扇動装置になりうることを意味する。今どきテレビを見ている層は複雑な思考を嫌う情報弱者に限られつつあるから、余計に扇動に乗せやすい側面もあろう。テレビの影響力が減っていくのは良いことだ思う。

  • 2018.12.16読了(図書館)
    ☆3.3

    著者の仕事に対する向き合い方に触れ、同じ女性としてすごく尊敬した。
    インタビューに臨む姿勢などはビジネスにも通ずるところがあるので、男性が読んでも十分参考になると思う。

  • ニュースキャスターとしての国谷さんの姿勢はすごいと思った。プロ意識というものが人を成長させ、仕事に対しても深く向き合っていけるようになるのだなと分かった。

  • キャスターを通じて自分のことだけを考える人から他者へも共感できるようになった人の物語。
    厳しい質問は反対尋問にも通ずる。

  • テレビが世間に与える影響力はインターネットが普及してもなお大きい。本書の中で語られる国内外の情勢を報道する者の姿勢は、報道関係者だけでなく、他の業界にも適用できると感じた。

  • 番組自体はほとんど見てないのだが、番組で話すのと同じように文章が生きている。

  • クローズアップ現代を毎日進行されていた国谷さん、どういう経歴か、またどんな風にクロ現に取り組んで来られたのか知りたくて読んだ。
    「わかりやすさ」を追求ばかりしていると、視聴者は、「わかりやすい」情報のみしか興味がなくなる。わかりやすいことの奥にある難しさや課題の大きさを伝えることがクロ現の役割。インタビューについて、視聴者が聞きたいことをしつこく聞いたこと、当時のヒューレットパッカードCEOとの対談。嫌がられる質問でも聞いてきたこと、など。
    17秒の沈黙を待った高倉健さんのインタビューについて、「待つことも聴くこと」であると。
    つい、沈黙が怖くて何か話し出してしまうことがあるが、相手は考えている、それを遮ってはいけないと気づく。

  • 国谷裕子さんの努力を感じる本。すごい人だし、能力も高い人だと羨ましくなる。
    マスメディアの中ではマイノリティな人になってしまうのかもしれないけど、こういうキャスターはもっと出てほしい。

著者プロフィール

キャスター。1957年、大阪府生まれ。米ブラウン大学卒業。企業勤務を経て、81年「NHKニュース」英語放送の翻訳、アナウンスを担当、報道の世界へ。1993〜2016年のNHK総合「クローズアップ現代」のキャスターを務め、広く共感を呼ぶ。その後、SDGsについて、広く一般に理解してもらうよう、新聞雑誌、講演等の活動を始め、現在に至る。11年に日本記者クラブ賞、16年ギャラクシー賞特別賞などを受賞。著書に『キャスターという仕事』(岩波書店)

「2023年 『「未来の食」から食料危機を考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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