- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004316459
作品紹介・あらすじ
憲法改正とは最高法規である憲法を変更する最高の権力作用だ。改正による体制転換のシナリオの考察からその帰結を抉り出す。現憲法の改正規定第九六条の成立過程をたどり、歴代首相の封印を解いた戦後六〇年の「改正手続法」の問題点と、安倍首相の憲法観の危うさまでを論じる。およそ憲法改正を議論するには必読の書。
感想・レビュー・書評
-
第1章 憲法を変えるとはどういうことか(憲法の安定性をどう考えるか;主権者をめぐる理論;憲法改正は最高の権力作用;改正規定の改正は可能か)
第2章 憲法改正規定はどのようにして作られたか(天皇から国民へ―憲法改正問題;マッカーサー草案と第九六条)
第3章 憲法改正手続法はどのようにして作られたか(なぜ、遅れたのか―歴代首相の封印;憲法第九条改正論と手続法整備論がワンセット;安倍首相の手で)
第4章 憲法改正手続の何が問題か(国民投票をどう設計するか;国民投票運動の自由と制限;改正の発議は;改正の効力は)
第5章 憲法改正にどう向き合うか―安倍首相の憲法観と立憲主義(権力分立原理が欠落すると;危険きわまりない改憲論者)
著者:高見勝利(1945-、兵庫県、法学)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・6F開架:B1/4-3/1645/K
-
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/704787 -
そもそも憲法とは、というところ。
これから起こりうる改正については、記述があまりない。 -
憲法改正案に対し、最終的には、自分が賛成、反対を表明する国民投票があることを重く受け止める機会になりました。
-
安倍政権の支持率が下降して、かまびすしかった憲法改正論議もやや下火になった感があるが、その支持率低下をもたらした主要因でもある都議会何とかファーストの首魁が大の改憲論者だというから、油断も隙もない。本書はそんな時宜を得た出版かと思いきや、企画されたのはなんと10年前の前回安倍内閣のときだというから驚く。当時は突然の政権投げ出しで改憲論も頓挫したので本書原稿もお蔵入りし、それがここへきて10年前と同じかより悪い状況になったので復活陽の目を見たというわけだ。変なタイトルであるが、個々の条文の解釈や改正がどうのという話ではなく、手続き論というか国会での発議から国民投票に至るプロセスのでき上がる経緯と解説が主内容。憲法改正という重要な事柄なので厳密に定まっているのかと思いきや、めったにないこととて先送りされていて、泥縄としかいえない決め方がなされている。枠組みが決まってしまえばそれがどうのこうのという段階は過ぎ、次はそれがどう運用されるかという話になる。日本人が歴史的に経験したことのない重大判断なだけに、うやむやに数の論理で押し切られないように一人一人がしっかり見届ける必要がある。
-
323.149||Ta