戦争をよむ――70冊の小説案内 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 135
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316701

作品紹介・あらすじ

克明な心理描写をまじえて戦争と人間の真実に分け入る小説作品は、戦争のリアルを伝える大切な語り部だ。物語のなかに封じ込められた、戦時下を生きる人びとの細やかな感覚、日々の葛藤、苦しみ、そして悲しみ。記憶の風化とともに失われていく、かつての時代の手がかりを求めて、戦争の文学を再読する。

感想・レビュー・書評

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  • 戦争体験者が年々減少し、戦争の忌わしい記憶が風化されつつあるなかで、「忘れられた物語(記憶)―戦争の文学再読」として新聞に連載された70冊の小説の読書案内。日本の無条件降伏後にシベリア抑留で強制労働を強いられ、生還できた父の体験談は今も耳にこびりついて離れないが、本書70冊のうち既読本は1/10冊のみ。 結城昌治の『軍旗はためく下に』、T.オブライエンの『本当の戦争の話をしよう』、S.アレクシェ-ヴィッチの『戦争は女の顔をしていない』に読欲をそそられる。

    (以下は2022.9.13再読)
    戦争批判だけにとどまらない文学、戦争を生み出す社会の貧困格差、為政者たちが正義の戦いを装いながら、国民を戦争に巻き込む世相、非人間的な悲惨な戦争の素顔など、70冊の戦争文学作品を紹介した読書案内。
    『戦争は女の顔をしていない』は、2022.2.26読了。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00541929

  • SDGs|目標16 平和と公正をすべての人に|

    【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687165

  • 読書案内として好適。集英社の『戦争×文学』に収録されている作品から、いわゆる戦争文学の豊富さを知るとともに、戦争文学はもう先細りなのかと心配する気持ちがあった。その気持ちを晴らしてくれる意味があった。戦争は人間性や文化、社会を写し出す鏡だ。文学作品によってそこが分かりやすく伝えられることを願う。

  • 背景にある戦争についての蘊蓄も上手い具合にまぶしつつ、それに見合った的確な物語が提示されていて、読み物としても面白く、かつ紹介された書籍にも興味が沸くという、書評集として納得の仕上がり。情報が多く、興味はあるけどなかなか取っつきにくいと感じる分野だけど(取っつかずに済むのが一番だけど)、本書を手掛かりに、少しずつ紐解いてみたくなってきた。

  • 読むべき作品がたくさん。ブックリストをメモ。
    「霧の蕃社」が気になる。「〈外地〉の日本語文学選」読んでみよう。青空文庫でも読めるみたいだ!

  • 既読の本が7冊、存在を知っていた本は半分くらい。というわけで、まだまだ小説の世界も果てしなく広いことを思い知る。

  • 読みたい本が増えました。

  • 東2法経図・開架 B1/4-3/1670/K

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著者プロフィール

立教大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。立命館大学文学部名誉教授。
専攻は日本近現代文学、比較文学。特に、日本近現代文学におけるモダニティーの問題をジェンダーや国民国家などの多面的な領域から考察している。
主な業績に『戦争をよむ―70冊の小説案内』(岩波新書、二〇一七年)、『モダニティの想像力―文学と視覚性』(新曜社、二〇〇九年)、『語りかける記憶―文学とジェンダー・スタディーズ』(小沢書店、一九九九年)、「フェミニズムの桎梏 : 家父長制と性暴力」(『日本文学』第六九号)、「トラベル・ライティングという機構:文学とツーリズム」(『昭和文学研究』第七五号)などがある。

「2022年 『旅する日本語 方法としての外地巡礼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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