〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓 (岩波新書)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316725

作品紹介・あらすじ

"ひとり死"の時代になりつつある今、火葬のみのお葬式や、共同墓がさらに広まり、墓の無縁化も進んでいる。個人は死後を誰に託したらいいのかを悩み、自治体は身寄りがいても遺骨を引き取らないケースが増えているといった、新たな課題に直面している。日本各地の具体的な事例とともに、これからを展望する。

感想・レビュー・書評

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  • 海外の取り組みや、国内の地域を取り上げて、死者の弔い方についての紹介が為されている。
    筆者は、孤独死を防ぐためには、やはり生前から地域の人たちや家族とのつながりを大切にしておくことこそが重要だと訴える。
    墓や葬儀のことは生前に考えておくことも大事だが、死んでからは自分のことはできないので、託しておく人がいることの重要性を訴えているのだ。
    昔は家族や親戚で何とかできた問題であるが、現在は地域ぐるみ、自治体ぐるみで考えていかなければならないほど、核家族化や独身者、パートナーとの死別後頼れる人がいない人が多い時代である。
    地域とのつながりを「めんどくさい」から拒絶する人たちも多い。こうした社会情勢を変えるには、国や地方自治体、NPOなどが協力していかねばならないと思う。

  • お墓にお葬式。縁起悪いことこの上ないけど、いつかは絶対直面するお話。しかも結婚していようが、必ずどちらかは「ひとり」になってしまう。でも国や地方によって対応が全然違うので、目からうろこ。
    「遺骨は全部持って帰るものではないのか・・・!?」(これで私の地域わかります)
    「死んだらせめてあそこに・・・!」という憧れの墓地や葬儀屋お墓まで国が費用をもってくれる所とか、本当に千差万別。実は日本にも生活保護を受けていても、自治体が死後の面倒を事前に手配してくれるところがあるそうで、ちょっとだけ知るだけでも結構役に立ちそうな一冊。

    オススメ度:★★★★☆

    ノブ(図書館職員)

    所蔵情報:
    品川図書館 385.6/Ko92

  •  葬儀・葬送と墓の現況レポート。葬送の簡素化・無形化が急速に進行し、地縁・血縁の希薄化から葬祭業者や行政の役割が増大していることがわかる。国内外の新たな取り組みをいろいろ紹介しており興味深い(特に「直葬」と連動した「遺体ホテル」ビジネスや、横須賀市による低所得者に対する生前からのサポート体制、スウェーデンの「葬式税」など)。独居高齢者をはじめとする人間関係の孤立・無縁の現状に強い危惧を示す一方、「葬儀や墓はこうあるべき」という主張はあえて提示せず、問題提起にとどまっているが、その回答は読者がそれぞれ真摯に考えなければならないだろう。

  • ■QOD(クオリティ・オブ・デス)の定義
    ・患者や家族の希望にかない,臨床的,文化的,倫理的基準に合致した方法で患者,家族及び介護者が悩みや苦痛から解放されるような死(米国医学研究所・終末期ケアに関する医療委員会)
    ■直葬(ちょくそう)とは家族だけで一晩を過ごし火葬にする葬式。
    ■火葬が普及したのは昭和になってから
    ・1925:火葬43.2%,土葬56.8%
    ・1935:火葬55.7%,土葬44.3%
    ・1970:火葬79.2%,土葬20.8%
    ・2000:火葬99.4%,土葬0.6%
    ・2015:火葬99.9%,土葬0.1%
    (厚生労働省「衛生行政報告例」)

  • タイトルと内容が合ってない気がする。
    一人暮らし、独居は、悪のような感じに思えた。

  • 高齢化社会と独身高齢者の増加で1人死は避けて通れない問題となっている。今すぐの話でなくとも、人間である限り死は平等に訪れる。死体になったら、自分では処理できない。さて、死後の後始末を誰に頼むか?大いなる問題である。

    ・エンバーミングすると遺体は腐らないし、死後硬直もなくなり、赤い保存液を入れるので血色もよくなる。適切な処置をすれば違法ではない。50日を限度に火葬、土葬する事。

    ・家族はどこまでの範囲を指すかという定義はなく、自分が家族だと思えばそれが家族なので、人によって違うのはあり前。関係性の希薄化で範囲が狭くなっている。

    ・自治体で葬儀の支援制度が広がってきた。生活保護受給者でもなく、行旅死亡人でもないのに引き取り手のない死者が増えている。

    ・理想の死とは
    家族に囲まれて息を引き取る。死ぬ直前まで仕事をしていたい。寝たきりになっても好きな事をして過ごせる事。死の直前まで普段通りに生活し、ポックリ死ぬ。

    ・どんな死に方をしても自分では死を完結できない。
    亡くなったことを周りに知らせ、遺体を葬る作業をするは誰かに任せなければならない。

  • 東2法経図・開架 B1/4-3/1672/K

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著者プロフィール

第一生命経済研究所主席研究員。博士(人間科学)。専門は生活設計論、死生学、葬送問題。主な著書に、『今から知っておきたいお葬式とお墓45のこと』(家の光協会)、『変わるお葬式、消えるお墓《新版》』(岩波書店)、『こんな風に逝きたい~ホスピスからお墓まで』(講談社)などがある。

「2018年 『お墓どうしたら?事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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