英語名言集 (岩波ジュニア新書 229)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005002290

作品紹介・あらすじ

シェークスピアからオノ・ヨーコまで、20世紀の文学や思想を中心に百篇の名言を厳選し、斬新な解説をほどこしました。思わずひざを打ったり、本当かな、と立ちどまりながら一篇一篇読みすすむうちに、英語の生きた息づかいや、英文を読む楽しさを存分に味わうことができます。今までにない、全く新しい名言集。

感想・レビュー・書評

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  • 21世紀を大人として過ごす世代に向けて。

  •  全部で100の短い言葉が収録されており、それぞれについて英語の解説、著者自身のそのことばの解釈や背景情報が示されている。誰もが聞いたことがあるニール・アームストロングの"That's one small step for a man,..."から、無名の少女のことば、さらにはジョークまで、著者独自の視点で選ばれている。
     英語について勉強になるというよりも、著者の解釈が面白い。例えば40 "Two men look out through the same bars: one sees the mud, and one the stars." (p.84)という言葉には、「囚人監房という一条件しか出さないで、何か教えたり問いかけたりしようとするなんて、この句は思わせぶりなインチキだと言える。」(p.85)というコメントで括られている。さらに有名な、山に登る理由が"Because it is there."に至っては、「人びとはこれを、言葉にできない感情を伝える名答だととるらしいが、マロリーはとぼけているんだ。返答できないから、あんないい加減な言い方をしたのであり、深い思索や瞑想や体験の果ての言葉じゃない。私はこう確信して、これをふざけた一句と決めつける。」(pp.128-9)とある。
     また、翻訳論の話で、「訳すという仕事では、まず第一に正確さが大切だ。語学的な、文法的な正確さではない。生きた文を生きた訳にするための正確さだ。感情のこもった文を訳すときはとくにそれが大切だ。」(p.88)、「感情のこもった英文を読みとって、感情のこもった日本文にする訳者が少ない。」(p.89)という部分が、似たようなことを言っている本を確か最近読んで、文法が正しいよりもその雰囲気がちゃんと移せるかだ、のようなことを書いてあったことを思い出した。
     英語の話で、till, until, unlessなどがある場合、「その前の節を先に訳したほうが、原文の意味に近くなる。」(p.118)というのは、前から訳す方法は知ってはいたけれど、自然に実践できるようになりたい。We will arrive at the place in the morning unless the weather gets wrong. (pp.118-9)みたいな文で、いつも頭の中でif notだから、みたいなことをチラッと考えてしまうけれど、なんとか「午前中そこに着くだろう。ただし天気が悪くならなければだけど」みたいに「~でなければ」をうまく自然に処理したいと思う。
     英語の勉強法、熟語の覚え方の話で、「私は熟語を暗記しようとしなかった。ただ、本を読んでいく間に、いつしか知ったり、ときには会話のなかから聞き覚えたりした。それだけだった。」(pp.166-7)、「英語の熟語にうんざりしている人は、暗記することをやめて、好きな英文をたくさん読んだらいい。好きな映画も幾度も見たらいい。いわゆる熟語暗記というものは、およそつまらなくて、役立たずなのだと知ってほしい。」(p.167)ということだそうだ。
     少しクセはあるが、その分ユニークな本。単にこの句はいいですね、と紹介するだけのものではない。

  • Float lika a butterfly, sting like a bee. Muhammad Ali

  • 著者の選んだ英語の名句をその訳し方(文法も含む)、背景など含め解説。また英語の学習の仕方についてのアドバイスもありとても参考になる。ちょっと古いところもあるけれど、英会話を学ぶ人に読書力をつけるように、と言い、自分の経験や観察を自分流に言える人が英語に行き詰まるとき、相手が英語を補ってでも聞こうとする、という点は納得。そうなれるようにがんばろうと思った。
    一番気にいったのは、Too err is human- but it feels divine. 『あやまちをするのが人間ーでもあやまちって、素敵な感じ。』という、昔に英語の授業かなんかで勉強した Too err is human, to forgive divine.『過ちは人の常、許すのは神のわざ』を本歌取りした名句。これ習ったときなんかやな感じしたんよなー。

  • [ 内容 ]
    シェークスピアからオノ・ヨーコまで、20世紀の文学や思想を中心に百篇の名言を厳選し、斬新な解説をほどこしました。
    思わずひざを打ったり、本当かな、と立ちどまりながら一篇一篇読みすすむうちに、英語の生きた息づかいや、英文を読む楽しさを存分に味わうことができます。
    今までにない、全く新しい名言集。

    [ 目次 ]


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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 気に入った本。もっとユーモアに触れたいとか、いつかミュージカル見たいなぁとか...
    文法解説も好き。

    引用句辞典、いつか買ってみたいなぁ

  • 息抜きのつもりで読んだら予想以上に英語の勉強になった。

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著者プロフィール

1923年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、カリフォルニア州クレアモント大学院留学。信州大、横浜国大等に勤め、数多くの翻訳・著作のあと、「老子」の現代自由詩『タオ─老子』『求めない』が、共にロングセラーになる。

「2012年 『禅とタオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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