砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

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著者 : 川北稔
  • 岩波書店 (1996年7月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005002764

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)の感想・レビュー・書評

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  • 砂糖も紅茶も以前は、ステイタスシンボルだったなんて驚きです。
    それだけ価値があり、高価だったからというのが理由です。
    しかし、その生産の末端に携わっていたのは、
    多くの奴隷たちでした。

    この生産(プランテーションの世界展開)と消費の構造が、
    後に南北問題につながります(一つの要因として)。
    世界商品の「砂糖」を通して知る残酷な歴史です。
    こういった構造は、今も昔も変わっていません。

    良い商品を、より安く買いたい、摂取したいというのは、
    多くの人が求める欲求ですが、
    その商品が、大衆化するまでには、
    さまざまな葛藤と試行錯誤があります。
    それを動かしているのは、果てしない欲望です。

    その経緯は、時には強い者が弱い者を、
    搾取と言った形で行われます。
    21世紀になった今も、その構造は、変わっていません。

    より生産技術と物流技術が高度になったので、
    ますます、複雑化していることでしょう。

    この著作では、「砂糖」にスポットライトをあてましたが、
    「石油」と考えても、全く同じ論理が生まれます。
    世界商品をめぐる争奪戦は、国同士の熾烈な争いと、
    政治的な要素が複雑に絡み合った、人間の負の営みです。
    その世界商品があったおかげで、豊かなになった国や人もいれば、
    それが、きっかけで、貧困に陥った国、また不幸になった人もいます。
    最悪の場合は、国家間の戦争に突入します。

    この本は、自分達の身近にあるものが、
    どういう経緯で、存在しているのかを知る恰好の本だと思います。
    そして自分達の生活を振り返る上でも、非常に有益な本だと思います。

  • 砂糖だけで大きく世界が変わっているという歴史がある。
    では、他の「世界商品」はどのような変革を起こしているのか
    そしてそれらが今の世界をどのようにつくり上げたのかを知りたくなった。

  • 高校受験のときにこの本に出会っていれば…。
    三角貿易、植民地、プランテーション、ティーパーティ事件、ヴードゥー教と、そういえば習ったバラバラの事象が砂糖の流れで見ると全部繋がってくるのね~。
    白人であることの罪悪感(White Guilt)にも興味がわいた。

  • 名著とは聞いていましたが、上の子に中学のとき読ませ、そういう自分は読んでいなかったこちらを読んでみました。
    なるほど、これは名著と呼ぶにふさわしい本でした。特に中学生から高校生くらいの子たちに必ず読んで欲しいといえる世界史講義ですが、大人が読んでも大変興味深い。
    しかし、著者の川北先生、ジュニア新書という分量も含めた制約の中でよくこれだけの内容を凝縮して分かりやすくまとめたものだと思います。読みやすいのに濃い、名著。

  • 「世界商品」、「生活革命」、三角貿易、英国とカリブ海諸国、紅茶、コーヒー、チョコレートなど、興味を惹かれ過ぎる。方法は「世界システム」論と歴史人類学なる由。必読。図書館本。 150

  • 通勤用に読みました。砂糖の製造・普及の歴史をヨーロッパ・アフリカ・中南米の歴史と紐付け、岩波ジュニア新書の対象者に説明する様は分かりやすく、見事です。著者の名前を何処かで見かけた気がしたのですが...。そうです、ウォーラーステインの『近代世界システム』を翻訳した学者でした。道理で世界システム論的な説明が上手なのですね。

  • 世界史の授業では、バスコ・ダ・ガマが喜望峰を、コロンブスが新大陸を発見したので大航海時代が始まったのだと教わるけど、実際には運びたいものと運ぶルートがあったので世界は変わったのだとと考えるべきだろう。運びたいものと言えば、東方には香辛料と茶葉があった。新大陸からは銀と教わるけど、本当はやはり砂糖と綿花と奴隷のセットが大西洋交易が主役と言うべきだろう。

    綿花は北米大陸に大農場を作り、砂糖はカリブ海にプランテーションを形成した。

  • 茶や綿織物、現在の石油と同じ「世界商品」である砂糖を通して、世界の歴史がどのように影響を受けてきたかを解説。「砂糖のあるところに、奴隷あり」と言われたほど砂糖と奴隷制度は密接に関係していた。本書のように、モノや人々の慣習を通じて観察する学問を歴史人類学と呼ぶらしいが、大航海時代以降、世界が一つにつながっていることがよくわかる。

  • プロローグ 砂糖のふしぎ
    第1章 ヨーロッパの砂糖はどこからきたのか
    第2章 カリブ海と砂糖
    第3章 砂糖と茶の遭遇
    第4章 コーヒー・ハウスが育んだ近代文化
    第5章 茶・コーヒー・チョコレート
    第6章 「砂糖のあるところに、奴隷あり」
    第7章 イギリス風の朝食と「お茶の休み」
    第8章 奴隷と砂糖をめぐる政治
    第9章 砂糖きびの旅の終わり
    エピローグ モノをつうじてみる世界史

  • 1996年刊行。著者は大阪大学文学部教授。タイトルどおりの書だが、砂糖を中心軸に据え、世界史に及ぼした影響を初学者(中学生でも読めそう)向けに解説。勿論、砂糖が世界に広くいきわたった時期、すなわち近世から近代かけての西洋史が基本。①砂糖(サトウキビ栽培・砂糖製造)⇒プランテーション⇒奴隷貿易・奴隷制度。②砂糖(西端)と茶(紅茶。東端)とを結びつけえた英国。③砂糖貿易・販売で獲得した富が産業革命を準備した。④英の紅茶、米の珈琲という違いが生まれた経緯と地理的条件、⑤近世期の英仏対立等多面的解説がなされる。
    とはいえ、コーヒー・茶に関しては類書の方が詳しい。叙述が砂糖だけに絞っているわけではなく、やや物足りない印象は残る。ただ、エピローグ「モノを通じて世界史を見る」という箇所は、心構えという意味でも意義深い。
    補足。奴隷貿易(英や西・葡)、プランテーションの構造、これらサトウキビ栽培と砂糖製造のプランテーションが産業革命と米国独立革命に及ぼした影響は、簡潔かつ明快な説明で得心。

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