砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

  • 1035人登録
  • 3.90評価
    • (89)
    • (121)
    • (109)
    • (3)
    • (2)
  • 117レビュー
著者 : 川北稔
  • 岩波書店 (1996年7月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005002764

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヘミングウェイ
マックス ウェー...
遠藤 周作
ヴィクトール・E...
ミヒャエル・エン...
サン=テグジュペ...
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)の感想・レビュー・書評

  • 砂糖も紅茶も以前は、ステイタスシンボルだったなんて驚きです。
    それだけ価値があり、高価だったからというのが理由です。
    しかし、その生産の末端に携わっていたのは、
    多くの奴隷たちでした。

    この生産(プランテーションの世界展開)と消費の構造が、
    後に南北問題につながります(一つの要因として)。
    世界商品の「砂糖」を通して知る残酷な歴史です。
    こういった構造は、今も昔も変わっていません。

    良い商品を、より安く買いたい、摂取したいというのは、
    多くの人が求める欲求ですが、
    その商品が、大衆化するまでには、
    さまざまな葛藤と試行錯誤があります。
    それを動かしているのは、果てしない欲望です。

    その経緯は、時には強い者が弱い者を、
    搾取と言った形で行われます。
    21世紀になった今も、その構造は、変わっていません。

    より生産技術と物流技術が高度になったので、
    ますます、複雑化していることでしょう。

    この著作では、「砂糖」にスポットライトをあてましたが、
    「石油」と考えても、全く同じ論理が生まれます。
    世界商品をめぐる争奪戦は、国同士の熾烈な争いと、
    政治的な要素が複雑に絡み合った、人間の負の営みです。
    その世界商品があったおかげで、豊かなになった国や人もいれば、
    それが、きっかけで、貧困に陥った国、また不幸になった人もいます。
    最悪の場合は、国家間の戦争に突入します。

    この本は、自分達の身近にあるものが、
    どういう経緯で、存在しているのかを知る恰好の本だと思います。
    そして自分達の生活を振り返る上でも、非常に有益な本だと思います。

  • 砂糖だけで大きく世界が変わっているという歴史がある。
    では、他の「世界商品」はどのような変革を起こしているのか
    そしてそれらが今の世界をどのようにつくり上げたのかを知りたくなった。

  • 高校受験のときにこの本に出会っていれば…。
    三角貿易、植民地、プランテーション、ティーパーティ事件、ヴードゥー教と、そういえば習ったバラバラの事象が砂糖の流れで見ると全部繋がってくるのね~。
    白人であることの罪悪感(White Guilt)にも興味がわいた。

  • 「世界商品」、「生活革命」、三角貿易、英国とカリブ海諸国、紅茶、コーヒー、チョコレートなど、興味を惹かれ過ぎる。方法は「世界システム」論と歴史人類学なる由。必読。図書館本。 150

  • 通勤用に読みました。砂糖の製造・普及の歴史をヨーロッパ・アフリカ・中南米の歴史と紐付け、岩波ジュニア新書の対象者に説明する様は分かりやすく、見事です。著者の名前を何処かで見かけた気がしたのですが...。そうです、ウォーラーステインの『近代世界システム』を翻訳した学者でした。道理で世界システム論的な説明が上手なのですね。

  • 世界史の授業では、バスコ・ダ・ガマが喜望峰を、コロンブスが新大陸を発見したので大航海時代が始まったのだと教わるけど、実際には運びたいものと運ぶルートがあったので世界は変わったのだとと考えるべきだろう。運びたいものと言えば、東方には香辛料と茶葉があった。新大陸からは銀と教わるけど、本当はやはり砂糖と綿花と奴隷のセットが大西洋交易が主役と言うべきだろう。

    綿花は北米大陸に大農場を作り、砂糖はカリブ海にプランテーションを形成した。

  • 茶や綿織物、現在の石油と同じ「世界商品」である砂糖を通して、世界の歴史がどのように影響を受けてきたかを解説。「砂糖のあるところに、奴隷あり」と言われたほど砂糖と奴隷制度は密接に関係していた。本書のように、モノや人々の慣習を通じて観察する学問を歴史人類学と呼ぶらしいが、大航海時代以降、世界が一つにつながっていることがよくわかる。

  • プロローグ 砂糖のふしぎ
    第1章 ヨーロッパの砂糖はどこからきたのか
    第2章 カリブ海と砂糖
    第3章 砂糖と茶の遭遇
    第4章 コーヒー・ハウスが育んだ近代文化
    第5章 茶・コーヒー・チョコレート
    第6章 「砂糖のあるところに、奴隷あり」
    第7章 イギリス風の朝食と「お茶の休み」
    第8章 奴隷と砂糖をめぐる政治
    第9章 砂糖きびの旅の終わり
    エピローグ モノをつうじてみる世界史

  • 1996年刊行。著者は大阪大学文学部教授。タイトルどおりの書だが、砂糖を中心軸に据え、世界史に及ぼした影響を初学者(中学生でも読めそう)向けに解説。勿論、砂糖が世界に広くいきわたった時期、すなわち近世から近代かけての西洋史が基本。①砂糖(サトウキビ栽培・砂糖製造)⇒プランテーション⇒奴隷貿易・奴隷制度。②砂糖(西端)と茶(紅茶。東端)とを結びつけえた英国。③砂糖貿易・販売で獲得した富が産業革命を準備した。④英の紅茶、米の珈琲という違いが生まれた経緯と地理的条件、⑤近世期の英仏対立等多面的解説がなされる。
    とはいえ、コーヒー・茶に関しては類書の方が詳しい。叙述が砂糖だけに絞っているわけではなく、やや物足りない印象は残る。ただ、エピローグ「モノを通じて世界史を見る」という箇所は、心構えという意味でも意義深い。
    補足。奴隷貿易(英や西・葡)、プランテーションの構造、これらサトウキビ栽培と砂糖製造のプランテーションが産業革命と米国独立革命に及ぼした影響は、簡潔かつ明快な説明で得心。

  • <キーワード>
    砂糖きび、大航海時代、植民地、プランテーション、モノカルチャー、三角貿易、奴隷、砂糖革命、世界商品、イギリス、紅茶、ステイタスシンボル、イギリス生活革命、コーヒーハウス、産業革命、近代世界システム、ビート

    ・1つのモノを通じて、世界のつながりがみえてくるということをとても分かりやすく示してくれている。(年代や出来事や人名を覚えることが、歴史を学ぶことではない)

  • 砂糖の世界史であり、また、奴隷の世界史、でもあった。我々の世界がいかにして成り立っているか、いかなる犠牲のもとに成り立っているかを考えさせられる。

  • 砂糖はいつどこで発祥したのか、そしてどのように世界中に広まったのか、主に欧米を中心に砂糖を通じて世界史を読み解く作品。

    砂糖は紀元前の頃から存在していたようだが、ヨーロッパに持ち込んだのはイスラムの商人らしい。そして大航海時代が始まると共に、ヨーロッパ諸国が植民地である中南米にプランテーションを拡大したことによって、現在にも続く大ヒット「世界商品」となったのである。

    しかしプランテーションには大量の労働力が必要だったため、たくさんのアフリカの人々が奴隷として中南米へ送られる事となる、絶望のあまり奴隷船から海に身を投げる人もいたそうだ。
    結果としてヨーロッパの国々は砂糖の製造販売で儲け、インディオから搾取した金銀で儲け、奴隷貿易でも儲けるという、なんとも理不尽な三角貿易を確立させたのである。

    その後一般市民にも広く普及した砂糖が、産業革命の原動力になった事は間違いないが、いまだにプランテーションがあった地域は、産業が育たず発展途上国となっている場合が多いらしい。
    一部上流階級の嗜好品として栽培された砂糖が、現代まで続く大きな負の遺産を残してしまったのだ。そして今現在も世界のどこかで、アンフェアな貿易が行われているかも知れない事を、決して忘れてはいけないと思う。

  • 砂糖という世界商品を通じて見る近代世界史。紅茶に砂糖、という、日常が、実は、イギリスの世界帝国としてのビジネスがあったからこそ、とわかる。そして、ヨーロッパ諸国のエゴイズムも。

  • 特に大きな事件に触れるわけではないが、砂糖を通して歴史の確かな流れと世界が構造化していく過程が見事に活写されている。日本のように主食、副食つまりおかずという概念がある方が珍しいなど豆知識も面白い。

  • 【「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
    貞許礼子先生の推薦図書です。

    <推薦理由>
    「岩波ジュニア新書フェア2015大人に薦めたい入門新書のロングセラー」の一冊です。砂糖にまつわる歴史から、近現代の世界をみることができます。歴史が苦手だった人にもぜひ読んでいただきたいです。

    図書館の所蔵状況はこちらから確認できます!
    http://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00355184

  • 砂糖の発祥から拡がりまで、地理や歴史的な背景を紐解き語られる。

    強烈な印象として残るものは無かったが、教養として染み込んだ気がする。

  • とてもわかりやすく、世界史を学ぶ前に読んでおくと、大量の暗記を要求される退屈な科目、と思わずに済むし、今世界にある格差が、歴史によるものだということがよくわかる。モノカルチャーや、国の政策に従う危険性にも気づかされる。
    中高生に薦めたい良書。
    ただ、紅茶がコーヒーより支持されたのは、コーヒーより淹れるのが簡単だから、と何度も出てくるが、ここだけは納得しかねる。紅茶は茶葉を摘んで揉んで発酵、乾燥させたものを買うから、お湯を注ぐだけ、と言えばそうだけど、コーヒーだって豆を摘んで乾燥させた状態で輸入して、各自焙煎して、挽けば、あとはお湯を注ぐだけ、そうかわらないと思うけど。挽いた状態で売ってもよいし、コーヒーミルなんて作り出すのはわけないんだから、焙煎した豆の状態で売ってもよい。フランスはワインを飲む文化があったので紅茶が拡がらなかったとあるけど、コーヒー・紅茶という、アッパー系(覚醒系)の飲み物と、ダウナー系(酩酊系)の酒を一緒にはできないだろう。イギリスは紅茶、フランスやイタリアはコーヒーになったのは何故か、知りたかったが、イギリスの紅茶についてしか書かれていない。

  • 高校の授業で一度読んで以来の読了。砂糖という世界商品を通して世界がいかに一つに結びついていったかを俯瞰するのが本書の目的だが、個人的に本書のもっとも面白いところは、世界史で勉強した様々な知識が頭の中でより具体的に「映像化」されることだと思う。つまり、想像も及ばない遠い昔の話から、「ああ確かに自分と同じ人間たちが生活していたんだ」と思えるところまで引き寄せて考えられるようになるということ。世界史の中の具体的な人間像を思い浮かべることができるようになることだ。

    教科書に載っている様々な用語はそれはそれで重要だが、その用語をもとにしながら全体としての歴史的流れを追うのだけでも精一杯。どうしてもそこに「具体性」は乏しくなってしまう。そこに「砂糖」という考えるための材料がひとつ投入されると、砂糖というこの魅惑的な食べ物を求める人間の姿を思い浮かべることができる。彼らとて自分たちと同じように甘いものが好きだったのであり、だからこそ(今となってはたとえそれが汚い手段であったとしても)なんとかしてそれを手に入れようと植民地の開拓に腐心し、あるいは奴隷として使われることになってしまったのである。そうして世界史が動き出して今日に至っているのだ。

    最近になってようやく歴史を学ぶことの面白さに目覚めてきたが、時にこうしたひとつのもの、この本でいうところの「砂糖」のような物や事件、人などに着目して歴史を捉え直してみるのは意義があることだし面白いなと思った。

  • 非常に読みやすい本。

  • 砂糖という材料を通じて、世界がいかにしてつながっていくのか、世界システム論を土台にした歴史の見方を、ものやわらかな口調で説明したテーマ史。名著。

  • 三角貿易、プランテーション、産業革命、
    モノカルチャー(単一経済)ー現地の経済・文化発展の妨げ

  • 世界史を一つの物から捉えることは、今までの自分の物の見方を変えてくれる。教科書を断片的に読んで覚えた知識は地政学的な繋がりも、その国・地域ごとの事情も何も汲んでいない。砂糖という「世界商品」で同時代のそれぞれの国の事情を踏まえ、そして現在へのつながりを、立体として考えることは、ほかの物事の見方を考えるのにとても有用だった。

    世界システム、三角貿易から成り立つイギリスの豊かな社会はカリブ海の黒人奴隷によるプランテーションによって得られている。これは今の日本にもどこか当てはまるのでは。

  • 砂糖は麻薬と言われています。
    ネットを調べれば、いっぱい情報は出てきます。

    そんな砂糖を誰がどんな意図を持って
    広めたのかに興味がありました。

    やはり砂糖=金です。
    砂糖のある所に奴隷あり。

    世界を支配する砂糖。
    起源知っておいて損はないと思います。

全117件中 1 - 25件を表示

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)に関連するまとめ

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)のKindle版

ツイートする